【ハディボ(イエメン)時事】海賊の海でマグロが増えた−。海賊被害が多発するインド洋北西部に浮かぶイエメン領ソコトラ島で、被害を恐れたマグロ漁船やトロール船が周辺海域から減少した結果、乱獲気味だったマグロやサメなどの資源が回復して地元漁業関係者が豊漁に沸いている。
ソコトラ島は、イエメン南方約380キロの沖合にあり、周辺海域ではソマリア海賊が頻繁に出没する。イエメン政府環境保護局の海洋保護担当官のフアド・ナシープ氏によると、昨年ごろからマグロやカツオ、底物魚類の漁獲高が目立って増え、今年はその傾向がさらに強まったという。
海賊が出没し始めた4、5年前から、以前は島の周辺で操業していたパキスタンや日本などのトロール船やはえ縄漁船が姿を見せなくなった。同氏は「大規模漁業が資源を枯渇させていることが改めて確認された」と話す。
[時事通信社]