県東部 25億円に縮小も 地域医療再生計画、事業見直し不可避 2009/10/15 10:35
医師不足解消や救急医療体制強化を目指し、徳島県が策定している二つの「地域医療再生計画」のうち、県東部を対象にした計画が当初の事業費100億円から25億円規模に縮小される可能性が出てきた。政府が進める2009年度補正予算の見直しで、厚生労働省が「地域医療再生基金」を減額する方針を決めたため。削減額によっては、計画の大幅な見直しを余儀なくされそうだ。
国の補正予算の基金の総額は3100億円。当初は都道府県が申請した計画に基づき、全国で10医療圏に各100億円、84医療圏に各25億円を配分する予定だった。だが、補正予算見直しで、10医療圏への100億円が25億円に減額される見通しとなった。
100億円を想定した県の計画は、病院や医師が集中する県東部を「地域医療再生・創造拠点」として整備し、医師の派遣や養成・研修を担うセンター機能を設ける。具体的には新たなドクターヘリ導入や、ICT(情報通信技術)を活用した遠隔医療システム構築などを盛り込んだ。県によると、計画が25億円規模になった場合、徳島市蔵本地区への研修施設整備が不可能になるなど、事業の廃止や縮小は避けられないという。
このほか県は、県西部に地域完結型の医療拠点を整備する25億円規模の計画も策定している。
県は8月以降、4度にわたって担当者を厚労省に派遣し、計画の必要性を訴えてきた。国への計画提出期限が16日に迫り、県医療政策課は「県単独では難しい対策を実現できるチャンスと期待していただけに残念。少しでも多くの基金を残してほしい」としている。