というわけで、鳩山首相に同行した1泊2日の駆け足の韓国、中国出張から帰り、本日は休みをとっています。産経紙面上の記事では永住外国人への地方参政権付与問題や東アジア共同体構想に関し、けっこう厳しいことも書きましたが、ブログの方はお気楽エントリばかりだったので、本日は鳩山氏がちょっとこわばった顔を見せていた場面を紹介します。
9日夜、首相外遊では恒例となっている同行記者団との「内政懇」という名のカメラなしのミニ・インタビューがありました。当初予定は10分程度だったのですが、結局、20数分にわたり、いろいろ質疑があり、その場でやはり鳩山氏の「故人・匿名」献金問題に関する質問が出たのです。私がどのタイミングで聞こうかと逡巡しているうちに、他社さんが口火を切ってくれました。
記者(社は不明) 鳩山首相の偽装献金問題では、次々に新しい事実、今まで説明されていないことが出ている。国会でも追及されることだろうが、新たに説明する予定は、どうやって国会で説明するのか
鳩山氏 報道された記事は読んだ。私自身、知っていること、知るべきことはすべて6月30日に記者会見した部分であり、すなわちあのようなことを行った元秘書がいたことで、国民のみなさんに迷惑をかけたことは、おわびを申し上げたし、訂正すべきところは訂正申し上げた。
そこのところが私の知りうるところであって、新しい情報に関しては新聞報道を見て知った。それが事実かどうかは、まさに捜査当局が動いているのだから、うちの事務所としては、その当局に全面的に協力することで、早く全容解明することを願うばかりだ。私のとりうる対応はこれしかないと考えている。
記者(産経=私) ただ、鳩山首相はかつて「秘書の罪は議員の罪である」と繰り返し述べていた。そのことと多少整合性がとれないと思うが。
鳩山氏 そういうことではない。罪は罪で、それを調べてくれているわけですから。それをどのように今、捜査当局が判断するかということと、私が捜査当局が調べている最中で私が発言することで影響を与えることは、それはまた好ましいことではない。
現実に私が知りうる情報は6月の時点で申し上げた話だ。それを繰り返し申し上げながら、国民のみなさんには申し訳ないと謝罪している。したがって、決して私が逃げているという話ではない。
冷静に調べてくれているわけですから。それに全面的に私としてはあるいは事務所としては協力して全容解明することを待ちたい。
記者(朝日) 鳩山首相の過去の発言からすると、元秘書が罪を問われることがあれば、首相自身も責任をとらなくてはならないとなるが
鳩山氏 そこは今、捜査当局が調べているところですから、それ以上のことではありません。
…この偽装献金問題を最初に報じたこともあり、朝日さんはなかなか厳しく追及していますね。質問がこの問題に及ぶと、鳩山氏本人もそうですが、同席していた鳩山氏の周囲が実にいやそうな表情を見せていました。しかしまあ、相手の嫌がることを聞かないでは仕事になりませんし。
で、私は結局、鳩山氏の答えは意味がよく分からないというか、説明になっていないと感じました。これでは実際、国会で野党から追及されてもまともに答えたり、反論したりは難しいでしょうね。こんなことで大丈夫なのか、ということに関してはあらかじめ8月8日のエントリ「鳩山由紀夫氏は本当に首相が務まるのかという疑問」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1166114/)でも取り上げたわけですが、これも世論の動向次第ということでしょうか。それもなんだかなあ。
参考までに、7日の産経紙面に掲載した鳩山氏の過去発言を沿えておきます。揚げ足とりと受け取られるかもしれませんが、こんなことでいいのか、という思いも強いのです。綸言汗の如し、といいますし。
■鳩山由紀夫首相の「政治とカネ」をめぐるこれまでの発言
「言うまでもなく、秘書の罪は国会議員の罪である。ことに金庫番秘書ならなおさらである。(中略)自身のためにも早く出処進退を明らかにされた方がよい」(平成14年3月14日付の夕刊フジのコラムで。加藤紘一自民党元幹事長の秘書による脱税容疑について)
「日ごろ、他人には疑惑が生じたら本人が進んで解明に努力すべき、といっているのだから、自分に降りかかった火の粉は自分で進んで払うべきである」(平成14年4月11日付の同コラムで。小泉純一郎首相のファミリー企業の口利き疑惑について)
「私は以前から鈴木議員に辞職を求めてきたが、(中略)議員の分身といわれている会計責任者の逮捕は、議員本人の責任であり、改めて強く求める」(平成14年5月2日付で同コラムで。鈴木宗男衆院議員の秘書逮捕について)
「私は政治家と秘書は同罪と考えます。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば『あれは秘書のやったこと』とうそぶいて自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです。(中略)秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」(平成15年7月23日付のメールマガジンで。土井たか子元衆院議長の秘書による秘書給与流用事件で)
「国民に心配をおかけしたことをおわびしながら、私なりに修正、訂正した。もっと説明を尽くす努力はしていきたい」(平成21年9月16日、首相就任会見で自らの政治資金虚偽記載問題について)
「捜査当局が調べる段階で影響ある発言は避けねばならない。私が申し上げるより、当局が調べて事実を国民の皆さんに情報提供し明らかになるだろう」(平成21年10月5日、記者団に、自らの政治資金規正法虚偽記載問題について)
by 五十鈴屋
闇夜に日教組の高笑いが響き、…