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【芸能・社会】長渕剛がK1武田幸三に贈る 引退戦の入場曲を新録音で2009年10月14日 紙面から
シンガー・ソングライター長渕剛(53)が、「K−1 WORLD MAX 2009」(26日・横浜アリーナ)のアルバート・クラウス(29)=オランダ=戦をもってK−1から引退するキックボクサーの武田幸三選手(36)の入場テーマ曲として、人気曲「STAY DREAM」の新録音バージョンを制作し、プレゼントしたことが13日、分かった。K−1人生最後の花道を飾るパワフルな応援歌に武田は、「負けようとも前に進んで夢を持ち続ける僕の人生のテーマソングになりました」と大感激し、長渕に必勝を約束した。 “ラストサムライ”の真っすぐな思いに突き動かされて、音楽界のサムライが立ち上がった。 昔から長渕のファンだったという武田は、これまでは映画「ジャッカル」に登場する「red tape」を入場曲にしていたが、「引退試合はこれまでと違う気持ちで試合に入りたい」と、長渕が歌う映画「男たちの大和/YAMATO」の主題歌「CLOSE YOUR EYES」を選び、長渕サイドに使用許可を求めていた。 それを伝え聞き、意気に感じた長渕は「ぜひ、自分に曲を選ばせてほしい」と提案。数ある名曲の中から選んだのは、1986年に発売した9枚目アルバムのタイトル曲「STAY DREAM」だった。 同曲は、長渕自身がアーティストとしての生き方に苦しみ、絶望する中で、決して夢をあきらめてはいけないという思いをつづった曲。「武田選手にも悔いのない試合をしてもらいたい」と、新たな命を吹き込み、応援歌としてささげることを決めた。 9月11日、都内のスタジオで同曲のレコーディングに臨む長渕のもとを武田選手が訪れ、2人は初対面。ピアノとコーラスのみをバックに、アコースティックギターの演奏とともに魂を込めてシャウトする長渕の姿を武田は直立不動で見つめ、言葉を失った。 さらに長渕は、9月23日に名古屋・ガイシホールで開かれた全国ツアーに武田を招待。そのアンコールでとびっきりのサプライズを用意していた。「今日はね、おれのね、友達が応援しに来ているんだ。10月26日に横浜アリーナで最終戦を行うK−1ファイター、武田幸三!! 拍手!! 応援してくれよー。最後の試合だぞ、幸三ガンバレー!!」。客席にこう呼びかけると、新バージョンの「STAY−」を初披露。ファンも大合唱で武田にエールを送った。 客席でファンとともに熱唱した武田の目からは大粒の涙。最後は自然発生的に「タケダコール」まで発生した。「もう、やられちゃいました。放心状態です。選手として男冥利(みょうり)に尽きる。相当パワーをもらいました。一生の思い出って言葉じゃ片付けられない。すごい宝物です」。終演後、武田は感無量の様子で何度もうなずいた。 また、武田はこの日、お礼として長渕にヘビ柄ジャケットをプレゼント。長渕はすっかり気に入った様子で、この日を含め、その後のツアーのオープニングで必ずそのジャケットを着用。武田の闘魂が込められた“戦闘服”として、自らを鼓舞させていた。 今月26日、いよいよ最後のゴングが鳴る。長渕の熱い歌声をパワーに変え、武田が有終の美を飾る−。
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