大阪府の橋下徹知事は8日、メールのやりとりで職員に非常識な点があったとして、同日付で職員を厳重注意にすると明らかにした。
橋下知事は職員にメールアドレスを公開し、批判も含め意見を歓迎してきたが、メールの内容を原因に職員を厳重注意にするのは初めて。今回の措置は「物言いが逸脱しているため」とするが、処分基準は明確に示されておらず、関係者からは「自由に意見ができなくなる」との声もあり、議論を呼びそうだ。
府によると、知事は1日夜に全職員にメールを送信。和歌山市の紀の川大堰からの利水撤退で府の負担が約380億円に上ったことへの府幹部の議会答弁に謝罪の気持ちがこもっていなかったと問題視し、税金の投入に敏感になるべきだと指摘した。
これに対し、ある職員が反発し、批判するメールを知事に送信。橋下知事は「愚痴は自分のブログでしてほしい」などとした内容だったことを明かした上で「トップへの物言いとして逸脱している」と強調。メールをした職員の処分を検討するよう人事担当者に指示したという。
橋下知事は、トップへの態度に問題のある職員が「100人ぐらいはいる」と指摘。「組織として体をなしていない」と不満をぶちまけた。厳重注意は、地方公務員法上の懲戒処分とは違い、府の人事記録には残らない。