記者クラブの舞台裏
一記者のつぶやきです。ご本人の了承を得てほぼ全文掲載します。
記者クラブの記者は、役所の仕事を世の中に伝えることが仕事だと勘違いし ているので、悪意なくリークを求めます。
役所で聞いたことだけで1面トップを書くことができて楽なので、喜んで言 うなりになるのです。
役所側は、あなただけだよと言いながら、記者のタイプに合わせて「平等」 にリークします。信頼関係なんてウソなのですが、お互いの利益のためにそう いう虚構の上にいます。
一番気をつけないといけないのは、個別に開く記者会見というより、「懇談」です。
お茶とケーキ、夕方ならビールやウイスキーを出しながら、局長室などでよ もやま話をするわけです。
もちろん、記事になる「おみやげ」も用意しているので、記者は終わったら すぐにパソコンに向かうことになります。「厚労省幹部は」などという匿名の 記事が一斉に載るのは、だいたいがこのパターンです。
私などは、酔ってからんだので嫌われました。(笑)
いくら懇談をしても言うことを聞かない記者、記者会見でKYで質問する記 者がいると、1人で局長室などに呼ばれます。
私は、個別のテーマを持たない時には取材を申し込まなかったのですが、と にかく来てよ、と言われます。
誘いに乗っていくと、それとなく、「特ダネ」をくれます。
これを書いたらおしまいです。リークのサークルに入ることになります。
書かずに放っておくと、ある日、同僚から「どうして書かないのか」といわれます。
同僚は、役所の中をご用聞きをして回っているわけですから、聞かれるわけです。
「みんながいるところで質問なんかしないで、来てくれたら話すのに」と、 同僚を介して言われたこともあります。
そんなネタを書くつもりはない、と言うと、「せっかくだから書いておいて、批判は批判ですればいいのに」と言われるわけです。
そういうことに応じず、それでも自分で調べて書いていると、そのうち、キャップに刺されたり、デスクに告げ口をされたりします。やれ、態度が悪い、 間違ったことを書いている、一方的だと。
広報や上層部の連中は、長い人間関係の中で、本社にいる人間とも連絡をと っているので、いくらでも裏から手を回します。
とりあえず、記者会見より、懇談をやめさせることでしょうね。
記者会見なら発言者を明記するので、都合のよいことは言えませんから。
ダイレクトクオートされない記事が載ったら関係者から事情聴取するぐらい のことをすれば、すぐに止まると思いますよ。
2009年10月14日