すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

いよいよ選挙が近いかな?

2009-03-31 22:58:09 | Weblog
森田健作当選の茶番劇を見ていると、毎日地上波テレビで繰り返されているお笑い番組と同じだとつくづく思う。最初からなんとなく結果も、笑いも、拍手もみんな分かっていて、それでいて最後にはみんなで笑い拍手することになる。途中でネタがばれたり、タレントがいい間違いをして笑いがとれないときには、司会者が「ここで笑ってください」と観客に促すか、アシスタントディレクターがかねて打ち合わせんと通り拍手要求のサインを出して笑いと拍手をとるということだ。まあ、日本政治というのはこの程度のものなのだろう。世界の中で政治の芸能化がもっとも進化しているのは日本だと自慢しようか。
ところでいよいよ選挙が近いと感じている。今日は7時のNHKで麻生首相の記者会見があり、これまでになく筋の通った、ひどくまともな原稿で話していた。こりゃ記者会見でなく「宣言」だ!しかも選挙について取り立てて話しているわけではないのに、NHKのテロップでは「解散言及」を案じさせる表現。本人が明確に言っていないのに、NHNが勝手に題目をつけるのは、これまでにも何度もあったが、要するに記者会見で何をはなすかということをNHKの編集記者と事前に打ち合わせしているから、こうした芸当が可能になるし、およそナマ演説に信頼を置けない首相の意思表明を補強することになるのだ。
実は「ああ近い」と感じたのは昨日の、テレビ朝日報道ステーションの放送倫理抵触の問題だ。何を今のこの時期にと思うが、選挙の前には、選挙のときに野党よりの発言をしないように、ニュースのコメンテーターなどを事前にいためつけておいて、間違っても過激に与党批判などをしないように予防線を引くのだ。
こうした現象に呼応して、自民党実力者からつぎつぎと麻生政権下での春解散の烽火が上がり始めている。
むろん突発事件や社会混乱、経済冷え込みなどさまざまな要素はあるから、麻生政権が本当に選挙に踏み切るかどうかはわからないが、今週末から皆さんいっせいに走り出しそうな気がする。
まあそう考えると、これは小沢代表秘書逮捕事件の唯一の社会的成果となるかもしれない。
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森田健作氏は自民党の支部長だったのか?!

2009-03-30 22:25:32 | Weblog
森田氏が当選したが、それは知名度や相手候補の準備状況からみて順当な結果だと思ったが、今日になって、森田氏が自民党の小選挙区支部長で、落選中の4年間に1億6千万円の献金を受け、そのうち1億5千万円を自分の資金管理団体にまわしていたことが判明。「判明」といっても、こんなことは政治部記者はずっと以前から知っていたはずだ。それを当選の翌日に「今日分かりました...」みたいな報道、原稿書いた記者はどのような気持ちの整理をしているのだろうか?
一体、どうやれば実績のない落選中議員がこんなにお金を集めることができるのか?
この選挙は既成政党を否定し、完全無所属を売り物に選挙キャンペーンを展開して勝利した候補が、もろ自民党の候補者だったとは...こういうあからさまな嘘を恥ずかしく思わないのだろうか?議員だったころの同氏をそばで見たことがあるが、まあ、言葉も雰囲気も軽い人だと思ったが...経済不振、社会混乱だけでなく、日本人の基本的な精神がぼろぼろ崩れていく感じがする。
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千葉県知事に森田健作氏当選

2009-03-29 23:19:51 | Weblog
前回の選挙でも森田氏は惜敗で、一度名前を書いた住民は再び同じ名前を書くという確率が高いという選挙の鉄則からすれば、そうした基礎票に圧倒的な知名度と対立候補の非知名度という要素を加算すれば、森田氏の当選は順当なところだろう。しかし、対立候補を推薦した自民、民主、公明の既成政党がまさに拒否された結果となった。その点に関しては、これまで衆院選の展望について語られた二大政党の選択というテーマが崩れ始めていることがわかる。千葉でこうだから、東京、そして何よりも神奈川の政治勢力図は大きく書き直さなければならないかもしれない。
いうまでもなく、この新しい流れを作り出したのは小沢代表公設秘書逮捕と政治資金規正法違反の起訴に他ならない。たとえ永田町基準では有罪にならなくても、現在の献金システムがこの不況下で国民に与えた不快感は民主党としても計り得なかったのかも知れない。
今回の千葉選挙は堂本さんというそれなりに存在感のあった人物が選挙再出馬の可能性を残しながら、結局は準備の整わない無名の新人に後継を託した選挙であり、ある意味で森田氏当選は当然の帰結なのかも知れないが、民主党の混乱が吉田氏の選挙戦にネガティブな要素となったことは否定できないだろう。同時に、党内だけでなくマスコミを含め、この選挙の帰趨をもって民主党執行部の変革を求める期待が広がっていることを勘案すれば、民主党内でもそれなりの動きがでるのだろうし、そうでなければ、さらに一層、民主党への批判と失望が広がると思う。政治は一寸先は闇と常に言うが、まさにそうした状況となりつつある。心してこの一週間をすごそうと思う。
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中立公正な検察とメディア

2009-03-28 21:29:17 | Weblog
民主主義には中立公正な検察とメディアが必要...というのは常識中の常識だが、どうもそれがゆらいでいるようだ。逮捕拘留されている小沢代表秘書が、ダミー献金を認めたような報道が出て、えっと驚いた。というのも、ことの良し悪しは別として、よっぽどひどい秘書や議員にうらみを持っている秘書でもないかぎり、職業倫理としてそんなことは言わないものだ..と記事を疑ってしまう業界通をも納得させるように、これは自白して早く保釈され、法廷闘争にそなえるための行動だ...なんてまことしやかに解説までされていた。ところが、昨日、秘書の弁護団がその事実はないと各報道機関に抗議、なるほどね、今更ながら検察の悪辣な偽情報リーク作戦に恐れ入った。メディア側も、悪質な情報リークの被害者の振りをせず、自己反省して、正確・公正・中立な報道をしてもらいたいものだ。
今、報道機関は自分たちの報道をする際の価値軸というものを失っているのだろう。たとえば、先日の平田副大臣辞任では、政府側は大臣規範に抵触したから辞任と言うのだろうが、これは規範で問題な株取引ですらなく、自分が関係する会社を使った裏献金かインサイダー取引か、というようなシロモノだろう。こうした公然たる不正行為を追及もせず、大臣規範に抵触辞任というような記事を横並びで書く日本の報道機関には背筋の寒くなる思いだ。現場の報道関係者などに聞くと、「いやまあ、そこはなんとか」と言って、困惑の笑い顔でごまかしているが、どうしたものか。ジャーナリズムといえば、かっては巨悪を暴き不正を追求したものだが、今は「わたしは所詮、情報会社のサラリーマン」と自嘲するようになった。世も末だなあ...
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危機管理OB会

2009-03-27 23:25:53 | Weblog
この世界を代表するよう危機管理会社から引退した友人が新会社を設立したので、80年代90年代に危機管理・テロ問題の研究者・実務家の仲間が集まってお祝い。新進気鋭の皆さんもいまや組織から引退し、それぞれが独立した事務所を設けている。久しぶりに会ったので、それぞれが体験した事例について議論。
しかし、いつになっても、このグループを超える若い世代の研究者・実務家が育ってこない。こういうものはやはり時代精神に依存するのか?暗澹たる思いだ。一刻もはやく後継世代が育つことを期待すると同時に、それまでに我々が果たす役割の重さもつくづくと感じる。まあ、お互いにレベルの高い話で、刺激にはなったが、日本の課題を想い、暗い気持ちであざみ野行きの地下鉄に乗った。
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北朝鮮の衛星発射

2009-03-26 21:40:15 | Weblog
北朝鮮の衛星発射が4月4日に実施される可能性が強まったとの報道。これに対して、日本は北朝鮮に打ち上げ中止の外交圧力をかけるチャネルを持たず、中国・ロシアは科学衛星打ち上げには静観の模様。日本政府は国連決議1718を根拠に迎撃するというが、この決議が北朝鮮の核開発と輸送手段としてのミサイルを規制しているだけで、科学実験まで禁止しているわけではない。旧ソ連、アメリカのいずれも当初はICBMを母体に衛星打ち上げを行っており、その意味で衛星打ち上げロケットをミサイルに見做す解釈が成り立たないわけではないが、落下地点の明示など科学実験の要件が満たされれば、同決議に基づく制裁は困難となろう。
ロケットの一段目二段目は燃料燃焼後は一応は放物軌道を描いて落下するわけだが、これを撃破するのは事実上不可能。その意味では鴻池議員の指摘が正しい。ミサイル撃破ままだまだ実験段階で、現行技術でミサイル迎撃というのはまるで詐欺のような話だ。気象条件の整ったハワイでの迎撃実験は、ちょうど冬スキーの練習をハワイのビーチで行うようなものだ。ロケットの軌道判断には、いつ燃焼を終了したか、赤外線による把握が必要だが、それこそ北朝鮮近くまで寄らなければならないし、雪雲が出れば、赤外線も効果がない。あまりおおっぴらには言われていないが、ICBMや衛星打ち上げロケット軌道は日本海発射のSM3の高度限界300kmをはるかに超えていて、そもそも最初から設計上、目標に届かないのだ。落下するロケット筐体を迎撃するというPAC3はもっと非現実的で、射程が2−30kmしかない迎撃ミサイルで落下してくるロケットをヒットする時間は一体何秒あるのか、計算してみれば、迎撃するなどというフィクションの実態がわかるだろう。
本当に北朝鮮の衛星ロケットを迎撃するつもりなら、そもそも決議1718を作る段階で対策を盛り込んでおくべきだったろう。要するに、北朝鮮衛星打ち上げをブロックする外交能力も、万一の迎撃能力もないのに、一体何を目的に大騒ぎしているのか?もう何でもいいから早く選挙を実施してほしい。国民の支持のない政権が選挙での生き残りだけのために、危険なパーフォマンスを繰り返すことほど、将来に禍根を残すものはない。
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表舞台に出てきたゾンビ

2009-03-25 23:04:05 | Weblog
今朝は小沢会見批判のオンパレード。まあ、それだけ弱点をさらけ出しているのだから一斉攻撃となるのはしょうがない。昔、ニワトリを飼っていたとき、力のある雄鶏どうしが争って血をながしたら、その傷跡を日ごろ小さくなっているはずの鳥小屋中の鳥が寄ってきてつついていたが、そういうものだろう。
無論、小沢さんも腹に据えかねる検察の禁じ手捜査だろう。しかし、それなら検察に肉を切らせて骨を絶つところまで迫れるかというと、小沢さん自身がながく権力の中枢にいた方だから、最後は地獄まで道連れというほどの覚悟はないだろう。その意味でこの勝負も残念ながら先が見える感じがする。
しかし今日は新しい展開が透けて見えるようになった。それは漆間官房副長官の存在だ。最初は「自民党に累が及ばない」というのは、存在意義の乏しい警察出身の副官房長官の単なるフライングか失言ぐらいにとらえていたが、どうやら本件は彼が司令塔のような感じがするようになってきた。それは「公務員制度改革」の結果、内閣官房副長官が官僚組織のkingになりそうな動きが見えるからだ。警察出身者が理想とするのはひとつはかっての後藤田さんのように、政治からも行政からも尊敬されて、地味だが強大な権力を握る役割だ。もうひとつは、驚くことだが、戦前の内務省の再建だ。警察の復権にかける官僚は、政治とも結びつき、ひそかにそうした動きをしていて、各所に秘密拠点を持っていて、水面下で活動している。昔、そうしたグループともよく話をした。そのアナクロニズムに辟易した思い出があるが、彼らは真剣だった。いま、公務員制度改革、民主党の登場、世界政治の激変、経済低迷と社会混乱などから、官僚社会全体の危機感に支えられて、そうした勢力がまるでゾンビのように墓からよみがえって、うごめきはじめているのだろう。
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小沢代表秘書の起訴と進退会見

2009-03-24 22:34:43 | Weblog
公設秘書が政治資金規正法の虚偽記載で起訴となった。これに対して、小沢代表が続投声明。すでに事前に予想された展開で、さしたる感慨はない。民主党としてはこういう結果にまとめざるを得なかったのだろう。政権交代選挙を目前にして、リスクのある対応は取れないのだろうと想像する。
しかし、秘書の逮捕が国策捜査であれ、検察まで動かして民主党の足元をすくう政府のテイタラクであれ、民主党としても「なんだ自民と同じことやっている」という国民の冷笑が大きな痛手となった。まさに政治と政局に深刻な影響を与えることになった今回捜査に、法務省東京地検の判断と説明責任はどのようになされるのだろうか?ゼネコンからの迂回献金の実態が犯罪要件なら、多数のゼネコンや無数の中小土建会社から自民党議員にまわってくる資金はどうなるのだろうか?まったく割り切れない気持ちだ。
ひとつ危惧されるのは、検察がわざと微罪で逮捕・起訴しておいて、選挙が秒読みに入ったときに再度、小沢代表周辺や民主党の有力議員などを狙ってくる可能性があることだろう。恐ろしい時代になったものだ。
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検察発表を前に政治の足踏み

2009-03-23 22:31:47 | Weblog
明日24日に逮捕された小沢代表公設秘書の起訴が行われる予定だが、はたして政治資金規正法の虚偽記載だけなのか、それ以上に発展するのか、その場合、小沢代表はどう対処するのか、それに対して与党側はどう対応するのか...など、すべての要素が検察起訴待ちになってしまい、政治がまったく低迷してしまっている。
国会論議もきわめてのろく、予算審議も追加予算論議もすべて足踏み..
その意味で、この時期に検察が代表秘書を逮捕したことは、政治に影響を与えないどころか、景気の冷え込みに緊急対応が必要な国政へ深刻な影響を与えてしまった。それだけの悪影響を与えた野党党首逮捕に検察はいかなる目論見でこの時期の逮捕に踏み切ったのか?なぜ逮捕は民主党側だけなのか?疑問は限りなく広がる。いまや検察の説明責任が問われている。こんな状況で、裁判員制度改革など恐ろしくて進められないだろう。検察が不快に想う相手を、判断基準をどんどん変えて逮捕したり、起訴して結果有罪にするようになれば、法の権威どころか、法治国家でもなく、検察国家になってしまう。恐ろしい話だ。まあ、ともかく明日の起訴を待とう。
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旧吉田茂邸全焼に想う

2009-03-22 15:31:48 | Weblog
大磯の旧吉田邸が原因不明の出火で全焼した。すでに所有権はずいぶん前にプリンス側に移り、そして最近では神奈川県による保全維持が行われようという矢先のことだった。外部庭園は開放されていたが、内部は公開されていなかったという。
正直言って複雑な想い。実はこの邸中は何度か訪れたことがある。二階に吉田茂愛用の総ヒノキの風呂があり、まるで和船のような船型に作ってあって、そこに身を沈めて風呂を長時間楽しんだという。一階には茶室に使われるような柱が一本あり、戦後の極端な物不足の中で、その柱だけで当時の金で100万円だったと、管理人が得意そうに説明していたのを思い出す。吉田茂は永田町から246そして第三京浜(彼にちなんでワンマン道路と昔は呼ばれた)経由で大磯までかっきり一時間で帰ってきたという。
なぜ、ここを何度も訪れたかというと、ここは70年代80年代にアメリカが日本人エリートサラリーマンや新進気鋭学者を親米路線に誘導する用具の一つだったのだ。当時、アメリカとの経済摩擦で、対米輸出そして米など農産品の対日輸入の多様な局面にもからみ、そうした日本社会の指導的役割をになう若手を親米派にしようという企画(おそらく)で、アメリカ大使館やアメリカンセンターの肝いりで定期的にセミナーや国際会議が開かれた。プリンスでいかにもやる気のある学者やビジネスマンが参加したがるセミナーをプリンスホテルを使って行い、そのあと、この吉田邸を訪問して、日米関係がいかに大切か、そしてその路線を作った吉田茂こそ日本の礎を作った偉人としてその遺徳を学ぶ...というのが吉田邸内訪問のいきさつだ。小生は別に親米派ではないから、やがてセミナーの声もかからなくなったが、友人に聞くと、そのあとでもずいぶんと呼ばれていったそうだ。大磯には吉田邸もプリンスホテルもそしてあまり知られていないが、エリザベスサンダーホームもある。
久しぶりに、当時の日米経済摩擦の裏側そして戦後史の裏面を思い出して複雑な想いに沈んだ。
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