2009年10月14日 21時40分更新
前方後円墳の成立の研究に力を尽くしたことで知られる岡山大学の近藤義郎名誉教授がことし4月に亡くなっていたことが分かりました。
84歳でした。
近藤さんは大正14年、栃木県足利市生まれで、京都大学で考古学を学んだ後、岡山大学に赴任しました。
昭和28年には、5世紀前半に作られたと見られる美咲町の「月の輪古墳」の発掘を行い、地元の住民も巻き込んで作業を進める手法は、その後の考古学ブームのきっかけとなりました。
遺跡の保存活動にも熱心に取り組み、昭和43年、岡山市にある弥生時代の集落跡の「津島遺跡」の上に県が武道館を建てようとした際には、国の史跡への指定を実現することで工事の中断につなげ、遺跡が破壊されるのを防ぎました。
また、考古学の学者の全国組織の研究会を立ち上げてその会長を務めながら、日本独特の大規模な前方後円墳がどのように形づくられていったのかを考察し、考古学研究に大きな影響を与えました。
近藤さんはことし4月に亡くなっていましたが、本人の希望で公表されていませんでした。