短期トレードだけで本当に生活していくことはできるのか?

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マネックス証券でもオンラインセミナー講師も担当したことのあるこの方にお会いしました。金銭教育について情報交換をしたいということで、お話があったのですが、せっかくお会いする機会ですので、こちらから聞いてみたいことを初対面にも関わらずずうずうしく質問させていただきました。

それは、

日経平均先物の短期トレードで本当に収益を安定的にあげられるのか?

という疑問でした。1時間ほどお話して、新田さんは2つの理論の組み合わせで、実践していることを教えてもらいました。

まず、新田氏の場合、取引をするのは前場、つまり朝の9時から11時までだけらしいです。1日2時間労働。では、どうやって収益を上げるのか。

1.アノマリーの発見
 市場にあるクセを見つけることです。例えば、陰線で引けた翌日は陽線になりやすい、月末になると陽線が出やすい、といった過去の傾向を見つけます。そして、それを検証した上で、ある程度の確率が認められれば採用。そのようなアノマリーをできるだけ多く見つける。

2.アノマリーに基づきトレード
 クセが見つかったとしてもそれだけでは利益になりません。次は、行動心理学のワナに陥らないような、取引の手法が必要です。
 1.で見つけたアノマリーを仮説として、実際に先物で取引していくわけですが、売買回数をできるだけ多くして、大数の法則で確率を高める。マネーマネジメントを徹底し、損切りルールを厳格にすることで、アノマリーの確率にトレードの確率を近づけるようにする。

つまり新田氏の短期トレードの方法とは、

過去のデータから50%以上の確率のある取引ルールを見つけ出し、それを複数回繰り返せば、本来の確率に近づくはず

という考え方に基づいているようです。

例えば、55%の確率で利益が出るルールを見つけたら100回、500回、1000回と繰り返せば、平均55%勝てるはずです。後は新しいルールを見つけていくことと、取引を感情的にならずに愚直に繰り返す反復能力の問題になります。

理屈は正しいと思いましたが、まだ疑問点も残ります。それは

アノマリーは無数に存在し、それを見つけ続けることができるのか

そして

この方法でどの位のリスクを取ってどの位の収益が期待できるか

でした。アノマリーが見つからない、あるいは見つかってもすぐに真似されてルールが変わってしまっては利益になりません。また、例えば1回の取引で1万円程度の収益とすると、確率が55%として100回取引して10万円です(55万円利益、45万円損失)。税金や手数料を無視しても、月収50万円を得るためには500回の取引(1日25回程度)をしなければなりません。これだけの取引をリスク管理しながら継続できる忍耐力を持てるのか?

企業秘密もあるでしょうから、完全には教えていただけませんでしたが、生き残っているデイトレーダーの方というのは、確率的に正しいことをしている人だ。そんな当り前のことを認識することができました。

新田さん、わざわざオフィスまでお越しいただきありがとうございました。


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昨日はどうもありがとうございました。

利益と損失は1:1ではなく、利益が大きめを目指します。
1.5 : 1の場合、月に100回、1日5回の売買なら、
勝ち 15,000円×55回=825,000円
負け 10,000円×45回=450,000円
差引 375,000円
手数料が52500円として、322,500円。
税金が20%で、258,000円、これがラージ1枚当たりの純利です。
あとは枚数でリスクとリターンを調整します。

ざっくりマンデーを毎回見ている私としては、投資の話よりもナベアツさんの話が面白かったです。
いろいろな共通の知り合いの話なども。

今度ともどうぞよろしくお願いします。

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このページは、shinobyが2009年3月11日 05:33に書いたブログ記事です。

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