2009-10-10 19:17:02 gataro-cloneの投稿

目立つ若年ホームレス(2)/冬が来る前に 路上生活 抜け出したい【しんぶん赤旗・日曜版】

テーマ:電子版にない「しんぶん赤旗記事」


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以下は「しんぶん赤旗・日曜版」(2009年10月11日号・6面)から直接転載。

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1面からのつづき)

 東京・新宿駅前。段ボールを敷き、リュックを枕に、ベンチに横たわる39歳の男性。

 今年7月に自動車部品工場を雇い止めになりました。即日、寮を追い出されました。

 「失業保険も退職金もなし。所持金と7月分の給与で、2ヵ月間はサウナやカプセルホテルでつなぎましたが、お金がなくなりました。携帯も切れました」

 この9月、路上生活に。

 「役所へ行って、緊急避難センターへの入所をお願いしても満杯と言われます。生活保護について聞いても、“若いんだから”“身内がいるんだから”と言われてしまう。親が東北にいますが、ほとんど音信がなく、頼るわけにも…」

 街を行く人たちの視線が気になりました。その足元で目をつぶって横になると、床をつたって、幾百人の足音がザッザッザッと頭の中に押し寄せてきました。

 「路上で寝ることが、こんなに恐ろしいことだとは思いませんでした。でも、1、2週間もすると、恐怖も薄れてくる。今は、そんな慣れこそ怖いと感じます。自分の中の人間らしさを失うようで…」

 東京都内の公園。ボランティアの炊き出しに、400人ほどが列をつくりました。年配者の中に、若者の姿が交じります。ジーパンにTシャツ。街を行く若者と変わりません。

 33歳の男性は、衣類を友人宅に預かってもらい、役所やボランティア団体のシャワーサービスで身だしなみを維持しています。

 「今も派遣登録をしています。いつ仕事がくるか分からないから、いつでも出勤できるようにしておきたいんです。格好やにおいで、会社に“なんだこいつ”なんて思わせるわけにはいかないじゃないですか。おれたちは、路上生活がしたいわけじゃない。普通に働いて、まともに寝泊まりしたいだけなんです」
(写真は「炊き出しを待つ人たち=都内の公園」)

 男性が続けます。

 「日雇いの仕事をして、少しお金のあるときは24時間営業のファミリーレストランで夜を過ごします。公園、図書館、本屋を転々とする毎日です」

 ビルのくぼみや街路樹の陰、デパートや図書館…。今、街を歩くと、うなだれる若者たちの姿が浮かび上がってきます。前出の39歳の男性は、こう付け加えました。

 「寒くなる前に、早く職場を見つけないと、命にかかわります」

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 炊き出し 命支えるボランティア

 行政による救済が進まないもとで、民間ボランティアが路上生活者の命を支えています。

 池袋を拠点に活動するNPO「TENOHASI」(手の橋)は月2回の炊き出しや生活相談、週1回の駅頭でのおにぎり配布などを行います。

 ボランティアに参加しているのは会社員や主婦、教師、医師や弁護士、元路上生活者と、職業も世代もさまざま。インターネットのホームページを見てボランティア初体験という学生や若い女性も参加してきます。

 9月下旬の土曜日。配られたのは、ごはん、野菜汁、バナナ。炊いた米は90㌔。調理だけで15人のボランティアが1日がかりで準備しました。費用は全部カンパです。

 配食は午後7時なのに、3時間以上前から並び始めます。

 列は330人になりました。ほとんどの人が1杯目を食べると最後尾に並び直し、おかわりします。「本当に助かる」「ありがたい」という声がきかれます。

 TENOHASI事務局長の清野貿司さんが語ります。

 「万策尽きて路上生活になったのに、生活保護を受けられなかったり、受けても劣悪な境遇に置かれる例が多数あります。行政は、『自己責任』と決めつけるのではなく、すべての人に憲法の『健康で文化的な最低限度の生活』を保障することを宣言し、民間団体の支援活動にも協力してほしい。生存権を保障する社会のシステムが必要です」




「派遣村」再現してはならない


 反貧困ネットワーク代表 宇都宮健児弁護士の話

 雇用情勢はまったく改善していません。失業者は増え続け、求人倍率は史上最低です。路上生活を余儀な
くされる人が増大しているのです。

 再び「派遣村」を出現させてはなりません。私たちは、各地で取り組んでいる「派遣村」を政府がやるべきだと再三、要請しています。民間にまかせて手をこまねいているのではなく、政府が先頭にたつべきです。

 10月から始まった住宅・生活支援策は、使いにくいものです。貧困は一人が複数の問題を抱えているのに生活保護は福祉事務所、仕事はハローワーク、生活福祉資金の貸し付けは社会福祉協議会というように窓口がばらばらです。

 新自由主義路線にもとづく「構造改革」が国民生活を破壊し、そのことへの怒りが政権交代をもたらしま
した。「国民生活第一」と言って誕生した新政権にとって、この間題の解決は試金石となると思います。

 このままでは多くの路上生活者が命の危険にさらされます。緊急事態と受け止め、役所は年末年始も開けて各種相談や生活福祉資金を受け付けるべきです。



7面に続く)






コメント

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1 ■初めまして

ついさっきの日記でここの記事を紹介・リンクさせてもらいったのですが・・
よろしくお願いします。

2 ■Re:どうぞ、どうぞ

リンクは自由ですから、ご遠慮なく。





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