ファンの声援に応える(左から)蝶野、小橋、橋本真也さんの息子・大地さん、武藤=両国国技館
「新日本、蝶野正洋25周年特別興行」(12日、両国国技館)
蝶野正洋(46)がデビュー25周年興行で武藤敬司(46)=全日本、小橋建太(42)=ノア=とメジャー3団体の越境豪華トリオを初結成。中西学(42)、秋山準(40)=ノア、小島聡(39)=全日本=の“第三世代”チームを粉砕した。またIWGPヘビー級王者・中邑真輔(29)は初防衛に成功し、次期挑戦者に名乗りを上げた棚橋弘至(32)との新日本11・8両国大会でのV2激突が決定的になった。
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勝負を決めたのは2度の3者夢競演だった。蝶野が「STF」、武藤が「足4の字固め」、小橋が「コブラツイスト」を同時に敢行し、相手組のスタミナを強奪。最後は中西に対して武藤が閃光魔術、小橋がラリアートを連続発射し、蝶野が閃光ケンカ弾でトドメを刺した。異例の44選手が集った記念興行を締めるにふさわしい、豪華すぎる瞬間だった。
「本当に楽しかった」(小橋)、「手を抜こうかなとも思ったけど、頑張っちゃった」(武藤)という相棒を隣に、蝶野は「お客さんの雰囲気に興奮した。緊張した」と、安どの表情だった。
8月から大会場を満員にした武藤、故三沢光晴さんの名が冠につくメモリアル興行の大トリで、関係者は「動員をかなり気にしていた」と明かす中、1万1000人のファンが集結した。
今後の目標は明確だ。「プロレス界に風が吹いている。それを人気につなげたい。プロレスは総合格闘技やどこにも負けない自信がある」。この夏、業界についた勢いを継続させるつもりだ。
首と腰のダメージは完治不可能だが、8月4日にはドイツ人デザイナー、マルティナ夫人との間に第2子となる待望の長女が誕生した。公私ともに充実した蝶野がプロレス復興へ、“黒い頭脳”をフル回転させる。
(2009年10月14日)