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組織と草の根交錯 3新人の訴え熱帯びる 鶴岡市長選
 | 鶴岡市長選で立候補者の演説に耳を傾ける有権者=8日夜 |
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任期満了に伴う山形県鶴岡市長選は11日の投開票を目前に、3新人が激しい舌戦を繰り広げている。6市町村合併直後の前回選挙(2005年10月)は無投票で、今回の選挙戦は新市として初。政党相乗りで組織戦を展開する候補と、草の根を張りめぐらせる候補が、東北一、面積が広大な選挙区で激しく交錯している。
立候補しているのは、いずれも無所属新人の元市議で、NPO相談役芳賀誠氏(67)、林業榎本政規氏(60)=民主、自民、公明推薦=、環境NGO代表草島進一氏(44)=新党日本推薦=の3人。
■保守票取り込み 旧市を含めて市議3期の芳賀氏は、現市政を「上意下達で硬直化が進んでいる」と批判。「トップダウンからボトムアップのスタイルに転換し、市民協働の市政を実現しよう」と支持を訴える。
政党推薦を受けず、後援会中心の戦いだが、学習塾経営、鶴岡青年会議所理事長の経歴を生かした豊富な人脈が武器だ。もともと自民党に所属しており、現市政への批判票に加え、保守票取り込みにも期待をかける。
■市議選とも連動 榎本氏は旧市を含め市議5期を務め、議長も経験。引退する富塚陽一市長(78)の後継として立候補した。第一声には、自民党の加藤紘一(山形3区)、民主党の和嶋未希(比例東北)両衆院議員も駆け付けた。
同時に行われる市議選の保守系候補とも連動し、連日100人規模の個人演説会に出席するなど組織戦を徹底。終盤に入り「批判ばかりする人に市政は任せられない」と訴えに熱を帯びてきた。
■「変革」アピール 草島氏は市議3期のうち、2度のトップ当選を果たした。知名度を生かして「変革」をアピールする。選挙期間中、新党日本の田中康夫党首、民主党の市村浩一郎衆院議員、無所属の川田龍平参院議員らが相次いで応援に駆け付けた。
個人演説会よりも、街頭演説に力を入れた運動を展開。草島氏は「国政が変わったのに鶴岡はまだ相乗りなのか。絶対に負けられない」と闘志を燃やす。
現職市議3人を擁する共産党は今回、市長選の独自候補擁立を見送った。支持層の投票行動も当落に影響しそうだ。
■冷めた旧町村部 選挙戦は最終盤だが、鶴岡市の自営業女性(33)は「選挙には行くが、誰が候補者でどんな主張なのか、まだ知らない」と話す。候補者全員が旧鶴岡市出身とあって、旧町村部の盛り上がりもいまひとつ。旧藤島町の自営業女性(42)は「みんな選挙カーで通り過ぎるだけ」。同町の無職男性は「市長選はよその町の選挙と感じる」と冷めた見方をする。
戦いの序盤、ある候補者は「定数34で40人が競っている市議選に比べて、市長選の影は薄い」と嘆いた。有権者の注目をどこまで引き付けられるか。東北一広い新市を担うリーダーとしての魅力も問われそうだ。
2009年10月10日土曜日
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