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「広すぎる」嘆きつつ候補者必死 鶴岡市長選・市議選
 | 個人演説会で支持を訴える鶴岡市議選の候補者=6日夜 |
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4日告示された任期満了に伴う山形県鶴岡市長選と同市議選(11日投票)は終盤に差し掛かり、東北一の広さを持つ選挙区を舞台に激戦が展開されている。選挙カーに乗り込む候補者や陣営関係者らは文字通り広いエリアを東奔西走しながら、票のかき集めに躍起となっている。(酒田支局・浅井哲朗)
鶴岡市は2005年の6市町村合併でいわき市を抜き、東北最大の自治体となった。前回(2005年10月)無投票だった市長選には新人3人が立候補し、新市としては初の選挙戦となっている。
一方、市議選は旧市町村ごとの六つの区割りが廃止され、全市が一つの選挙区になった。38から34に削減された定数に対し40人が立候補し、激戦の様相を呈している。
「広い」「とても回りきれない」。市議選の各陣営は広さを持て余している様子で、旧鶴岡市の新人の陣営幹部は「移動するだけで精いっぱい。車を止めて演説する時間がなく、主張を伝えられない」と嘆く。
旧町村の候補者にとっては、有権者の約7割を占める旧鶴岡市の票掘り起こしが鍵。「地元を回るのにも精いっぱいだが、地元だけを固めても勝てない」とある現職候補。後援会のつてをたどり、市中心部の商店に告示前からチラシや名刺を置いてもらうなど、知名度を上げるのに必死だ。
迎え撃つ立場となった旧鶴岡市選出のある現職は「旧町村から攻められ、防戦一方だ。こちらが攻め込むのは至難の業で、選挙カーを流すぐらいしかできない。基礎票を固めるしかない」と守りの選挙に困り顔。「郡部は地元の支援者の力に頼りたい」と票の上積みにかすかな望みをつなぐ。
台風18号が接近した影響で8日、市内に設置された公営掲示板が一斉に撤去されたことについても、ある新人の陣営幹部からぼやきも出た。「知名度を少しでも上げたいのに。有権者と触れ合う時間は限られている」と、荒れ模様の空を恨めしげに見上げた。
市長選に立候補した3人はいずれも旧鶴岡市出身で、旧町村での個人演説会に重点を置いている。ある陣営幹部は「広くなった鶴岡では誰も戦ったことがない。先が読めない」との見方を示した。
2009年10月09日金曜日
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