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「ドルに代わる選択肢出てくる」 世銀総裁、異例の言及

2009年9月29日0時57分

 【ワシントン=尾形聡彦】世界銀行のゼーリック総裁が28日の当地の大学での講演で、米政府への警告として「米国がドル基軸通貨体制を当然視するのは間違いだ。今後、ドルに代わる選択肢が出てくるだろう」と述べた。国際金融機関のトップが「ドル基軸」が動揺する可能性に言及するのは極めて異例だ。

 ゼーリック総裁は、「欧州中央銀行(ECB)の最近の仕事ぶりを見れば、ユーロの受け入れが今後拡大すると信じるに足りる」と指摘。中国の人民元についても「国際化を進めている」として、影響力が広がる可能性に触れた。

 そのうえで「米ドルは主要通貨としての地位を保つ。ただ、ドルの将来は、米国の選択にかかっている」として、財政赤字の縮小や、金融業界の健全な回復などを強く求めた。

 ゼーリック氏は、米通商代表部(USTR)代表や、国務副長官など米政府の要職を務めてきた。同氏も参加して25日に閉幕した主要20カ国・地域(G20)首脳サミットでは「世界の不均衡の是正」で一致。米国の輸出拡大も意図した政策で、さらなるドル安の可能性も出るなか、警告を発したものとみられる。

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