おはようニュース問答/沢内村の生命尊重描いた映画が続くね 2009.10.07 日刊紙 6頁 国際 (全865字) 藤乃 沢内村は、いいねぇ。 みどり 沢内村って、今は西和賀町だよね。 藤乃 岩手県の山あいの、ひどい豪雪地帯でさ。多病、貧困に村民はずっと苦しめられていたんだよ。だけど、深沢晟雄さんが1957年に村長になってから、日本で初めて老人医療費無料化や乳幼児死亡率ゼロを達成したんだ。 みどり 昨年、深沢村長の理念が今の西和賀町にどう引き継がれているかを追ったドキュメンタリー映画があったよね? 生き生き暮らす 藤乃 小池征人監督の「いのちの作法‐沢内『生命行政』を継ぐ者たち‐」。 みどり お年寄りや障害者、虐待を受けた子どもたちが、地域で生き生きと暮らす姿が印象的だったね。 藤乃 今年もまた、沢内村を描いた映画ができたよ。タイトルは「いのちの山河 日本の青空Ⅱ」。前作「日本の青空」で憲法9条の大切さを説いた大澤豊監督が、今度は生存権をうたった憲法25条をテーマにメガホンを取ったんだ。地元の岩手をはじめ、今月から上映が始まってるよ。 みどり 劇映画なの? 藤乃 そうだよ。深沢村長を演じるのは長谷川初載さん。戦後、故郷の沢内村に帰ってきた深沢さんが、教育長を経て村長になり、59歳で亡くなるまでを描いてる。 みどり 日本で初めてのことを成し遂げたんだから、いろいろなドラマがあったんだろうね。 藤乃 沢内は本当に貧しい村で、赤ちゃんは1歳の誕生日を迎える前に死んでしまうのさ。それが珍しいことではないし、家族に迷惑だからと年寄りが自殺してしまったりね。医者に診てもらうのは、死亡診断書を書いてもらうときが初めて、なんて悲劇が、映画の冒頭に描かれていたね。 村ぐるみで実現 みどり そんな状態から、どうやって生命尊重を実現していったの? 藤乃 深沢さんは村民の願いを聞いて回ってね。婦人会を作ったり、村民や職員と議論を重ねながら、村ぐるみで行政を動かしていくのさ。 みどり 75歳以上に重い負担と差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度を早く廃止にしたいし、沢内村の理念と運動を知ることは、とても大切だね。 〔2009・10・7(水)〕 |