JR東海は13日、リニア中央新幹線の東京―大阪(新大阪駅)の建設費や需要予測などの試算を公表した。東海道新幹線で現在、138分かかっている品川―新大阪が71分短縮され、最速67分で結ばれる。時短効果で首都圏―近畿圏の航空機需要が、リニア開業で半減するとみている。名古屋―大阪の開業は、45年で試算している。
名古屋以西は、三重県の鈴鹿・亀山地域、奈良市付近を通って新大阪に至る152キロ。同社が想定している南アルプスを貫通する直線ルート(438キロ)の場合、品川―名古屋―新大阪の直行型で最速67分となる。
東京と山陽新幹線各駅との間の所要時間も、リニアが開業すると、乗り継ぎに15分かかると仮定しても、1時間近く短縮。東京―岡山は2時間余り、広島は3時間以内で結ばれる。
首都圏―近畿圏の交通機関別需要の対比は07年度で、新幹線81に対して航空機19。JR東海はリニア開業で、この比率が89対11に変わると試算した。岡山や広島も航空機利用者の20〜25%が新幹線に移るとみる。実際、東北、上越両新幹線が開業した結果、羽田と仙台、新潟の航空需要に影響し、仙台、新潟を結ぶ空路が廃止された。
建設費は、直線ルートで8兆4400億円、長野県が希望する伊那谷回りで9兆900億円。人数に乗車距離をかけた輸送需要量は開業時、直線ルートが最大で初年度に416億人キロ。このうちの62%にあたる257億人キロが東海道新幹線からリニアに移る需要で、航空機からも7%の30億人キロが移るとみている。
大阪までの開業のめどとした45年は、JR東海の長期債務の水準と、新大阪駅でのリニア駅建設期間を約10年と見込むなどして決めた。金子慎常務は13日の記者会見で、名古屋―大阪も自己資金での建設を示唆。開業年度を含め、「詳細は詰めていないが、十分できるのではないかと感じている」と話した。(伊沢友之)