さて、八ツ場ダム建設中止について、その意義を語る者はいない。もちろん、政官財癒着の象徴であり、費用対効果から見ても問題があり、民主党にとってみれば1.3兆円の財源を公共事業の中止で生み出さなければならないなどの理由はあるが、最大の理由は我が国の経済体質を転換させる事だ。我が国の経済体質は公共投資による経済回復なため、公共投資如何で景気が上下する。GDP速報値を見ても、公共投資の寄与率が高い事がわかる。
そもそもド田舎の中国と違いインフラ整備の進む日本で公共事業をしても波及効果は低く逆に、効率性の悪い企業を生き延ばすことになり成長を引き下げてきた。結局、我が国は政治が経済を支配する国であり、だから公共事業を中止すると景気が悪化するのである。これは自律的な成長ではない。自民党政権は公共投資で高い成長率を計ってきた。しかし、インフラ整備が進むと、橋本政権下での建設省出身議員のように『日本の海岸線3万5000キロメートルを少しずつ護岸すれば工事には欠かない』とする発言が出るのである。前原国交大臣もダムがさらなる公共事業を呼ぶと懸念したように、一度公共事業を進めると、負の連鎖に入り、我が国の経済体質がより政府の財政出動に頼ることになる。そうなると更なる財政赤字と国債発行が必要になり、悪循環になる。
民主党政権誕生の意義はこの悪循環を断ち切る事であり、新たな財政出動をするべきではない。
by libertarian0606
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