「ご説明」の電話をかけてきたほどだった。その際、ダムのせいで烏帽子岳や三俣蓮華岳といった北アルプスの名峰の斜面が崩れているのではないか、と質問したが「その因果関係は分からない」との返事だった。
今月は新潟にある百名山の一つ、巻機山に登った。入山地点である駐車場に到着するとげんなりしてしまった。山頂方面を見上げると、ダム、ダム、ダム・・・。登頂ルートを米子沢にとったが、ここは不必要な砂防ダムのオンパレード。ちなみに、そのときの記事はつるつる滑って、滝つぼにどぼん=連続するナメ滝がきれいな新潟・巻機山の米子沢。砂防ダムの下流には人家など無い。距離にして2-3キロの間に9個のダムがあるのだから驚きだ。こんなに狭い間隔で砂防ダムを造る必要などない。
単 に作業がしやすいために、こんな感じでたくさん造ったのだろう。造れるところに造れるだけ造るという方針なのがみえみえだった。この砂防ダムのおかげで百 名山・巻機山が台無しだ。次回は仰天するほどの「砂防ダム展示場」だ。山梨・釜無川上流域は自然破壊・税金の無駄遣いの秘密基地と化しているのだった。そ れを紹介しよう。【つづく】
これらにもまして、仰天したのが「釜無川の砂防ダム群」だ。南アルプス北部、山梨県と長野県の県境にある鋸岳を源頭とし、下流は富士川となるのが釜無川 だ。この川の源頭域から約5-6キロまでの流域がひどい。PJが日本中の山々を歩き回った中で、最悪といっていい。砂防ダムの展示場と化している。場所は と言うと、中央道の小淵沢インターから国道20号線に出て諏訪方面に少し走ると武智温泉の看板がある。左折してのどかな細い道を進むと車両通行止めのゲー トに突き当たる。ゲートをくぐって歩いて進むと、辺りの様子ががらりと変わる。過疎が進んだ冬景色が一転して、「砂防ダム銀座」といった様子のにぎやかな 光景に変わった。
まずは添付の写真を見て欲しい。真新しい砂防ダムがこれでもかというほど並んでいる。それらダムの一つ一つには地元の小 学生が描いた絵がはり付けられ、書いた本人の名前まで彫られている(写真右中)。5年もたっていない真新しい砂防ダムなのだが、すでに土砂で埋もれてし まっているものも多い(写真左中)。展示場といっても立ち入り禁止区域となっているので、一般通行人は入れないことになっている(写真左下)。だが、登山 地図には登山道として記されているし、鋸岳から下山してくるとおのずとこの道に出てしまう。しかも、不思議なことに、その立ち入り禁止区域に一般通行人に 富士川のことを説明する立て看板が立っている(写真右下)。一般通行人が通行禁止では、ダムに絵を添えた小学生も立ち入り禁止なのだろう。なんのための記 念碑なのか不明だ。
砂防ダム工事現場には数年で埋没してしまう砂防ダムのために、川を両側と川の中の計3本の作業道が付けられている。作 業道が3本も必要あるのだろうか。この辺りは砂防ダム建設だけではない。崩れそうな山肌はおろか、崩れそうもない山肌までも削って、コンクリート張りにし てしまった斜面が山ほどある。そして、いまでもあちこちで続いている。この工事をするために、また作業道を敷く。工事が終わったら要らなくなってしまう道 や橋だらけなのだ。このため、山容は姿を変えてしまい、時折谷間に響き渡るシカの甲高い鳴き声が、山の悲鳴に聞こえてきてしまった。
作業道の脇にあった立て看板にこう記されていた。「富士川は南アルプスを水源とする日本3大急流の一つです。約3キロ上流の釜無川本谷が流域の人々に恵みを与えてくれる清流の水源となっています。-富士川水源碑設置委員会」。
そう、ここは小学校の教科書にも出てくる日本三大急流の源流なのだ。急流なので周りは険しい山々なのは当然だ。そこにあえて砂防ダムをこれでもかというほど造る必要があるのだろうか。国土交通省は、教科書に出てくる急流を、急流でなくしてしまいたいのだろうか。
し かもこの「急流」、実は源頭域の5-6キロだけしか続かない。その下流は広々とした河川敷が拡がる緩やかな流れが甲府盆地までつづく。この川が国道20号 線までたどり着く間には、川から少し離れたところに細々とした温泉宿が1軒あるのみ。ほぼ無人地帯といっていいだろう。なので、人家への土砂災害など考え られない。
この工事現場に行ったのは今年1月半ばの連休だった。雪が1メートルほどつもり、寒波が押し寄せる中、休日だというのに工事が続いていた。3月末までの予算消化のためだろう。看板には工期が3月31日までと記されていた。
こ れらの疑問があって、工事を発注している国土交通省関東地方整備局の富士川砂防事務所釜無川出張所に取材した。まず、釜無川沿いの道の通行止めについては 「道はもともと私有地内にあって、作業をするために地権者から土地を借りて造った道路です。だから、一般の方の通行はお断りしています」との回答した。
そ こで、次ぎの質問に移った。立ち入り禁止区域内には登山者や観光客用の立て看板、砂防ダムの小学生の名前入りプレートや富士川水源碑などがある。また「ご 迷惑をおかけします。堰堤建設に必要な工事用道路を施行しています」という立て看板もある。立ち入り禁止区域内に、これら一般通行人を対象にした看板や記 念碑があることに疑問を抱いた。これらについて聞くと、「あっ、そんなのありましたっけ。そうですよね、変ですね・・・」といって黙りこくってしまった。
次 いでこれら工事の総工費や請負業者と地元政治家との関係などを質問したのだが、「報道担当はこの出張所にいないので、担当の者から折り返しご連絡いたしま す」と言って電話を切った。電話口からの印象だと、この担当者はこれらについてホントウに知らなかったのだろう。ただ、国交省の担当者からPJにはいまだ 返事はないのが残念だ。
日本の山の中はダムだらけだ。産業のない山間地では致し方ないのかも知れない。時折、山の中で林道やダム工事の方々と立ち話をするが、不景気で生活が苦しいということばかり。その表情を伺っているだけでも、日本の地方は疲弊していることがひしひしと伝わってくる。
た だ、国はダム建設をする理由やその税金の使われ方をもっと説明すべきだ。ダムの工事現場だけでなく、その周り一帯を一般人の立ち入り禁止にしてしまうと、 その地域一帯がダムの秘密基地のようになってしまう。こうすることによって、納税者が知らぬうちに自然破壊がまかり通り、税金のムダ使いがエスカレートし てしまう。釜無川源流域では、こんな印象を受けた。
この続編として、国内初の砂防ダム取り壊しによる渓流の再生プロジェクトを掲載する予定です。【了】
博士の独り言のように、ダム建設中止による環境問題を心配する阿呆保守がいるが、自民党政権が今までしてきた事は、美しい我が国の国土をダム、道路、空港、鉄道、護岸などでコンクリート漬けにし、破壊してきた。
まさに、毀日派である。
建 設を中 止すれば、完成すればダムになるはずであった半端な構造物のは、単に、剥(む)き出しになった鉄筋や、コンクリートの塊(かたまり)に過ぎなくなる。これ が風雨の中で次第に錆(さ)びつき、その錆による膨張にがコンクリートが崩落をもたらす。しかも、その塊は巨大である、とすれば、積年におよぼす環境リス クは計り知れないものになる。では、そのリスクを回避するために、解体する、としてもこれも相応のコストと労力を要する。当該の八ッ場ダムが山野の奥地に あればなおさらであろう。
博士の独り言は経済学の基礎であるサンクコストを知らないようだ。過去に投じた資金や作られた建造物は仕方が無いのであって、サンクコストを語りだすと、逆に最終的な計算でマイナスになる事は証明されている。この点は自民党議員である茂木氏も認めている。
さらに、2ちゃんねるにあったカキコを引用し、八ツ場ダムが台風対策用だと述べているが、2008年政府は答弁書で八ツ場ダムが台風対策に無意味な事を認めている。
yamba-net.org/modules/problem/index.php
さらに自民党利権と叩くのはおかしいというが、当方のこちらのエントリを見て欲しい。
iza0606.iza.ne.jp/blog/entry/1245517/
また、『個の圧殺行為』とメールが4000通も行った事を批判するが、前原国交大臣が住民意見交換会を行ったときにダム建設中止賛成派を警察と町側が排除し、賛成派に発言さえ認めないことこそ『個の圧殺行為』ではないか?
また、ダム建設中止を毀日行為とするが、歴史と自然のある山を水没させ、周辺住民の了解も無く勝手に神社を破壊し、自分の道を広げようとしたダム建設推進派こそ毀日行為ではないか?
美しい日本の国土をコンクリート漬けにした自民党は毀日政党だ!
by libertarian0606
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