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ギョーザ事件「日中友好の障害」 10日の鳩山首相

2009年10月10日23時52分

 鳩山由紀夫首相が10日夜、北京市内で記者団に語った内容は次の通り。

 ――温家宝(ウェン・チアパオ)首相との会談、胡錦涛(フー・チンタオ)主席との夕食会でのやりとりについてうかがいたい。

 【友愛外交】

 「温家宝総理との首脳会談に関して、時間的な制約はありましたけれども、まず建国60周年をお祝いを申し上げながら、日中韓のサミットが大変成功に終わったと。強いリーダーシップに感謝を申し上げました。そして、そのことを前提としながら、私から友愛の話を申し上げて、私はこの友愛精神というものでこれからやっていきたいと。これは一人ひとりの命を大事にするということのほかに、価値観が必ずしも同じではない人々、あるいは国々との間で、むしろその違いを認め合いながら、お互いにそのことによってウィン・ウィンの関係を作り上げていくことなんだということを申し上げました。まさにそういった意味でのスタートラインとしては非常によい首脳会談ではなかったと思います」

 【東シナ海ガス田】

 「そこであえて申し上げたのは、東シナ海の海を、かつてドイツとフランスがいろいろといさかいもあった中で、むしろ石炭、鉄鋼共同体を作って、最後はEU(欧州連合)というところまで高めていった。それと同じような発想で、東シナ海の油・石油・天然ガスを、むしろお互いに協力をして採掘をすることによって、互いに日中、汗をかくことによって友好の海にしていこうではないかと。それが私が言っている友愛だという話を申し上げて、この問題に対して、合意に基づいてしっかり対処していこうじゃないですかということを申し上げてまいりました」

 「温家宝総理は『国民的な感情もあるんだ』という話をいろいろとされておられましたけれども、友愛の海にしたい、友好の海にするということに関しては基本的に賛成をされました」

 【食の安全】

 「それから私からあと2点申し上げたのは一つはギョーザの問題であります。ギョーザ事件というものに対して、せっかく日中の友好を高めようとしているときの障害になっているのではないかと。これは中国の国内で起きた可能性が高い、蓋然性(がいぜんせい)が高いから、この問題に対して解決を急いでほしい。少なくとも誠実、誠意ある答えを示していただきたいという話をいたしました。このことに関してはいまだに捜査、公安が捜査をしっかりやっている最中だと。まだ結論が出ていないと。しかし捜査をこれからも続けていくということはお約束したいということを申し上げました」

 「それから私が申し上げたのは、食品、日中の食品安全推進イニシアチブというのを提案致しました。それは欧米と中国の間では食品安全のためのよりハイレベルの協議が開始をされています。日中間にはそれがありません。それで、ギョーザで止まってしまっているというところもあります。こうなるとお互いに食の安全に対する不安というものを払拭(ふっしょく)しきれない。それではないけないということで、ギョーザの問題はしっかりやってもらいたい。しかし、食品安全の一般的なことに関してはより今まで以上のレベルでのイニシアチブを策定しようではないかということを提案して、基本的にそのことは了解をいただきました」

 【気候変動】

 「それからもう一つ。いわゆる気候変動の問題に関して、私はこれはやはり国際的なコミット。これをぜひしていただきたいということを申し上げました。すなわち、ある意味で国内的には大変いい仕組みを考えておられるけれども、それがなかなか国際的なコミットになっていない。しかし、(12月にコペンハーゲンで開かれる)COP15を成功させるためには中国が国際的にコミットすることが大事なんですよと。ぜひ成功させましょうよという話を申し上げたところ、この問題に大変関心を持っておられて、中国としてもCOP15を成功させるために全力を尽くしていきたいという話がありました。かなり詳しく述べすぎたかもしれませんが、温家宝総理との首脳会談のあらましであります」

 【胡主席、李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領との夕食会】

 「胡錦濤国家主席とは基本的に楽しい会話をお互いに3人で楽しんだということで、あまりそれぞれの懸案のことはお話はしませんでした。先方の方からは友愛に関して、1980年レベルからあなたのお父さんには大変にお世話になっているんですというお話を改めていただいて、むしろ大変、そのことに対しては感激をいたしたところでございますが、おいしい料理をゆっくり楽しみあいながら、歓談をしたということでありまして、難しい話を申し上げたわけではありません」

 「ただ、あえて申し上げれば全体を通じて、北朝鮮の問題に関して、温家宝総理から大変これは日中韓の首脳会議で細かいご説明をいただいて、我々として6者協議に向けていい方向に動き出していくのではないかという期待感を持った次第です」

 【アジア外交】

 ――一連のアジア外交のデビューの成果についてはどう思うか。

 「駆け足でソウルと北京を訪れました。そして李明博大統領、温家宝総理、また胡錦濤国家主席にお目にかからせていただいて、大変ある意味で、充実しながらお互いの信頼関係を確認をしあうことができたのではないかとそう思っています。非常にその意味では充実した外交のデビューだったなと自分なりにはそう思っています」

 「ある意味でこれからの指導者といいますか、大上段で大声で張り上げる。そういう政治家というよりも、むしろ淡々と話をしながら、実際に核心的なことを巧みに腹を割って議論できるような、そんな友人としてのおつきあいというものができるのではないかと。ケミストリーが合うという言葉がありますが、そういう関係を確認できたのではないかと思っています。その意味では大変私はよかったなと思っています」

 【北朝鮮問題】

 「ソウルでのことは皆さんご案内だと思います。特に温家宝総理から北朝鮮のことに関して詳しくお話がありました。ご案内の通り、米朝間でも近いうちに交渉がある可能性があるというふうに側聞はしております。まだ行われてないかもしれませんが、そのことはオバマ大統領にも申し上げたところでありますが、私は米朝の交渉が行われるとすれば、そのことを支持を申し上げたい。同じように中朝間でも温家宝総理が向こうに行かれて金正日(キム・ジョンイル)国防委員長と話をされた。そのことはそのことで評価を申し上げたい。その先にやはり2者の先には6者があるんだと。6者をやることによって北朝鮮が核を放棄し、あるいはミサイルも放棄をし、さらには拉致問題の解決に向けて努力をしていく。その方向をしっかりと見いだせるようにしたい。具体的な行動を北朝鮮が行うことによって、私どもも前向きに検討する思いがあるということをお伝えしてまいったところであります」

 「まだ具体的な行動というところにはいきませんが、その前の段階が少しずつ、明るさが見えてきたというか、方向性が見えてきたと思っておりまして、北朝鮮問題に対しても(日中韓)3国の間で協力関係を確認して、方向性をかなり協力の方向で、確認し合っていくことができたことは、大変なプラスだったのではないかと。あと気候変動の問題でもお互いに3国で協力しようよということも確認しあったことも何よりのことだったと思います」

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