山口県柳井市と愛媛県松山市を結ぶフェリーを運航している防予汽船は、10月1日付けで民事再生手続き開始の申し立てを行ったと発表した。帝国データバンクによると負債額は2008年12月末時点で約69億5700万円だが流動的。輸送量の伸び悩みに加え、高速道路料金のETC割引の影響を受け、業績が急速に悪化していた。
防予汽船は1959年10月に設立。現在は旅客フェリー3隻を所有し、山口県柳井市の柳井港と愛媛県松山市の三津浜港を結ぶ定期フェリーを運航している。また子会社にホテル椿館(愛媛県松山市)、大観荘(山口県周防大島町)などを持つ。
2002年12月期には約26億6700万円の売上高を計上していたが、輸送量の伸び悩みで2007年12月期は約20億4400万円まで減少。フェリー建造資金やホテルへの投資が負担となり、原油価格高騰による燃料高もあって収益性が低下していた。
2009年4月に持ち株会社の防予ホールディングスを設立するなどグループ再編を進めたが、政府が導入した高速道路割引で陸路の利用が拡大した影響が大きく、財政の立て直しが困難になった。
■関連情報
・防予汽船のWebサイト http://www.boyo.co.jp/