秋の陽気とは一転、浦和のクラブハウスが風雲急を告げた。天皇杯の敗戦から一夜明け、橋本社長がフィンケ監督、信藤TDと個別会談。10月のリーグ戦2試合の内容を見て、同監督の去就を決める方針を伝えた。
「(17日の)新潟戦は大事だぞと、フィンケ監督に伝えた。結果よりも内容を見たい」
来季続投が既定路線だったが、アマチュアの松本山雅に完封負けを喫し白紙撤回。試合後、一部サポーターに糾弾された信藤TDは「声は真摯(しんし)に受け止める。(リーグ7連敗中も)我慢してくれたからね」。圧倒的な声援と年間の入場料収入28億円をもたらすサポーターの堪忍袋の尾が切れ、信藤TDも指揮官を擁護できなくなった。「前掛かりになるとDFの裏が空き、プレスの統一感もない」。今季から取り組むパスサッカーの問題点をズバリ指摘した。
橋本社長の決断のリミットは、フィンケ監督の契約交渉が予定される11月初旬。今月17日・新潟戦、25日・大宮戦は進退を左右するサバイバルマッチとなる。もちろん、強化担当トップの信藤TDも責任を痛感。「その時は、オレも(解任)されるよ」。悲壮な決意をにじませた。(浅井武)