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【ロンドン=有田哲文】スウェーデン王立科学アカデミーは12日、09年のノーベル経済学賞を米インディアナ大のエリノア・オストロム教授と、米カリフォルニア大バークリー校のオリバー・ウィリアムソン教授の2人に贈ると発表した。
オストロム氏は、牧草地や森林、湖などの共有資源の保護・運営に焦点をあてた研究が評価された。かつては当局から規制されたり、持ち主がはっきりしていないと荒れてしまうと考えられたりしていたのに対し、オストロム氏は資源を使う人たちが自分たちで規則をつくって利害調整をすることを観察し、うまく運営されることが多いと結論づけた。女性初の経済学賞受賞者となった。
オストロム氏は電話会見で、地球温暖化抑制への取り組みについて「多くの人が国際交渉で問題が解決されるのを待っているが、これは政府高官が私たちより優秀だという仮定に基づいている。国際的な合意も大切だが、家族や地域でできることがある。積み重なれば大きな力になる」と語った。
ウィリアムソン氏は、利害対立を調整する仕組みとしての企業に焦点をあてた研究が評価された。市場には意見の対立を解消できないという欠点があり、企業には利害調整に上層部の権限が乱用されるという問題点を指摘した。
両氏とも、効率的な市場を前提に人間が経済的な計算に基づいて行動するとみなしてきた主流派経済学とは異なる立場から選ばれた。
賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億3千万円)で、2人で折半される。経済学賞はノーベル賞創設につながったアルフレッド・ノーベル氏の遺言にはなかったが、スウェーデン銀行が創立300年を記念して新設を働きかけ、69年に授与が始まった。