鹿児島県阿久根市が課長職1人を公募したところ、全国から45人もの応募があったことが10日、分かった。ブログ(日記風サイト)を使った政治手法や、市職労との激しい対立で物議を醸し「ブログ市長」としてテレビの全国放送でも取り上げられた竹原信一市長。その話題性を反映したのか、それとも公務員の安定した身分に魅力を感じての応募か。評価は難しいが、45倍の難関を突破する人物に関心が集まりそうだ。
市によると、8月末で総務課長などが退職し、水産商工観光課長のポストが空席になったための補充人事で、9月4日から同月末まで公募した。
応募者は30-55歳の男性44人、女性1人で、職業は会社員や自営業などさまざま。公務員も県内と県外の各1人がいた。採用者は阿久根市への居住が条件だが、現住所は東京や栃木、愛知、兵庫、福岡など、市外在住者の方が多い。
応募者は「阿久根市の行政のあり方」と題した作文と自己PRのエントリーシートを提出済みだが、その内容は竹原市長の改革姿勢に共感する記述が大半という。最終的には、書類選考で数人に絞り込んだ上で今月20日、竹原市長も同席する最終選考の面接で決める。
7月には市役所内に掲示した市職員の人件費の張り紙をはがしたのは「命令違反」として、係長を懲戒免職処分にした竹原市長。
「厳しい雇用情勢の裏返しだろうが、あの市長と一緒に働きたいと思う人がたくさんいるんですね」と、驚いている市職員は少なくない。
=2009/10/11付 西日本新聞朝刊=