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貧困対策:揺らぐ足元 増える生活保護世帯、対応に限界 ケースワーカー不足、深刻化(3/5ページ)

 病院を出たのは午後5時ごろ。職場に戻れば、一日の記録をつける作業が待っている。

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 ケースワーカー不足は各地で深刻化している。

 「担当世帯が100を超えると、受給者の生活に寄り添うどころか、淡々と事務処理をこなすだけでも精いっぱい」

 「人員不足を現場のやりくりのみで埋めていていいのか。たくさんの矛盾を感じながら仕事をしている」

 今年7月、弁護士らでつくる「生活保護問題対策全国会議」が開いた集会では、現役のケースワーカーたちからの切実な報告が相次いだ。支援を必要とする人は増えているのに、人手不足で十分な対応ができない苦しさがにじんだ。過労や精神的なストレスから燃え尽き、心身を壊す人も珍しくない。

 国と地方自治体の財政状況の悪化も、ケースワーカーの立場を厳しくしている。生活保護制度に詳しい首都大学東京の岡部卓教授は「財政削減は受給者数を抑制する無言の圧力となる。まじめな職員ほど、行政内外からの圧力と相談者の間に挟まれ、精神的につらい状況に置かれることになる」と指摘する。

毎日新聞 2009年10月12日 東京朝刊

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