浦和がアマに負けた…フィンケ監督続投白紙に
<松本山雅FC・浦和>試合後、ブーイングを受けながら、サポーターの前で頭を下げる浦和イレブン
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天皇杯2回戦の24試合が各地で行われ、浦和が北信越リーグ1部の松本山雅FC(長野)に0―2で敗れる波乱があった。J1のチームが地域リーグのクラブに敗れるのは史上初。試合後はサポーター約200人が会場に居座り、信藤健仁チーム・ダイレクター(49)に対してチームづくりを痛烈に批判した。橋本光夫社長(60)は10月の残りのリーグ戦2試合(17日新潟戦、25日大宮戦)を見て、フォルカー・フィンケ監督(61)を来季続投させるかどうかの判断を下す方針を示した。
【天皇杯試合結果
天皇杯トーナメント表】
真っ赤に染まったスタンドからペットボトルが投げ込まれ、選手目掛けて水もまき散らされた。3カテゴリー下の北信越1部クラブに完敗し、サポーターの怒りが爆発。今季初の大ブーイングの中、浦和イレブンが深々と頭を下げた。歴史的な屈辱の敗戦。それでもフィンケ監督は「大きな怒りを感じるが、この敗戦が来季以降のチームづくりのプランニングに良い資料を与えてくれる」と危機感を抱く様子はなかった。
サポーターが怒るのも無理はなかった。前半12分にロングパス1本で最終ラインの裏を取られて先制を許すと、後半27分にはクリアミスから失点。日本代表でチームを離れている闘莉王、阿部を除くベスト布陣で臨みながら完敗した。試合後はサポーター約200人が約1時間半も会場に居座り、信藤TDを呼び出してチームづくりを痛烈批判。「浦和は強くないといけないんですよ!」などと訴えた。就任1年目のフィンケ監督は今季を「改革の年」と位置付け、結果を度外視。サポーターはリーグ7連敗中もブーイングを控えるなど我慢を続けたが、ついに不満が爆発した。
橋本社長は長野から埼玉に帰る新幹線の中で信藤TDと会談を持った。「重い敗戦。今の方向性が本当に正しいのか、もう一度考える必要がある」と基本線だったフィンケ監督の来季続投を白紙に戻し「来季を考えると11月上旬までに結論を出す必要がある。直近の試合が非常に重要」と17日新潟戦、25日大宮戦の結果と内容を見て最終決断を下すことを示唆。続投の場合も来季契約には厳しいノルマを入れることも明言した。12日は予定していた“芋掘り行事”をキャンセルし、フィンケ監督、信藤TDと緊急3者会談を行う。低迷を続けるレッズに不穏な空気が漂ってきた。