捨て猫ヨタの物語


 

                   始まってしまった子猫育て奮闘記

     まずは子猫達にミルクである。コンビニに走る!一番濃い牛乳を買ってきてそれを沸騰

    させる、脂肪分は全て分離してしまうがそんなことかまってられない!蜂蜜と人間用の

    抗生物質をほんの少し入れる。一匹一匹ミルクをガーゼに染み込ませ、口元をくすぐり

    ながら飲ませて行く、ほんの少しであるが4匹とも飲んでくれた・・・。そのほんの少しが

    この小さな命を左右するのである。

     11時になってタクシーで大久保のペットショップにすっ飛んで行く。子猫用の粉ミルク、

    哺乳瓶などをゴッソリ買ってきた、グズグズしていられない、これまた家へとすっ飛んで

    帰る。ミルクを飲ませて3時間、今度は排泄じゃ〜!、お湯を人肌にして一匹ずつガーゼ

    でお尻を拭いてやる、4匹の内一匹は排泄が無かったので印を付けて1時間ごとに試して

    みる。ついにもう3時間たっても出ないので、「ええい!」、と、自分の舌で何度も舐めて

    あげる、すると身をよじりながら苦しそうに排泄物が出てきた。この時の喜びは限定解除

    が取れたとき以上の喜びであった、思わず「よかった〜!」、彼女も思わずニコリ♪

     そんなこんなでやっと一服できるようになった、そこでふと、「明日から仕事やんかい!」

    ただでさえ3時間おきの2交代で、ミルク&排泄&消毒etc・・・なのに!

     こういう時に人間賛歌が問われるのであろうが、私の場合多少歪んでるので真っ先に

    思い浮かんだのは「悪知恵」である、「この技だけは使いたくなかった・・・がくっ!」、

    受話器を取り、会社の留守電に一発、「3ヶ月検診のレントゲンに気になる影が写って

    まして・・・、明日から神奈川の病院に行ってきますのでご迷惑かけますが休暇をいただき

    たいのですが・・・。もし忙しいのであれば出勤します。」

    自分がにかかったことがあるのを武器に、とくに下線のセリフは卑怯極まりない戦法である。

    断っておくが人の同情を利用したのはこの時が初めてである!←いい訳

     まあ、こんな感じで入院する方が、注射うたれる方が労働する方がマシな子猫育てが始まった。

    足元でアヒルのヒナが鳴いている、名前は「とら」、そうだ、こいつらにも名前を付けてあげよう!

    4匹につけた名前は「げん」、「よた」、「ふじ」、「あそ」。ふじだけがメスであった、さっそく記念撮影♪

    ところが4匹団子になって寝てるので紙に書いた、命名書だけだと寂しいのでとらでも横に置くべぇ〜。


               次へ進む