【47コラム】 仮想空間。その歴史は遡ること20余年。世界中の技術者が研究・開発を重ねる中、チャットや掲示板が生まれ、そこに集う「住人」と呼ばれる”同士”のコミュニティは、結合、分断を繰り返し、様々な趣味嗜好が織りなす果てない議論を、昼夜繰り広げ現在に至る。一夜のうちにいくつもの部屋をはしごするといった強者がいるとも聞いた。そういった仮想空間の背景は時代と共にテキストから画像、ポリゴンによる3D立体空間へと進化し現在もなお進化を遂げている。
昨今ではGoogleストリートビューなる「実世界の実写」といった想像を絶する労力と最新の技術を駆使した究極の仮想空間が登場した。
背景を考えれば、今後その中でのコミュニケーションが可能となるのは時間の問題であるようだ。
最近では実写によるプライバシーの影響問題に話題は集中している。
が、しかし問題はさらなる内側にあると考える。
このツールでのコミュニケーションが可能となった場合、果たしてリアル実写空間の中でのコミュニケーションは実社会のモラルを維持できるのであろうか。
訪れたことのない場所をストリートビューで見て「行った気になった」と言う若者は今の時代およそありえないであろう。がしかし背景のリアリティに心眼をすくわれ、実世界と仮想空間のコミュニケーションモラルを若者たちがしっかりと分別できるであろうか。
新しい技術が生まれるたびに心配のタネが増える。そう、まさに我々は良き時代に生まれたのかもしれない(2009年1月20日 I )
【写真】グーグルマップのストリートビューで閲覧できる神戸・南京町。スーツの男性ら歩行者も写っており、プライバシー侵害を指摘する声もある(神戸新聞、2008年12月23日)
◆ストリートビュー事前通知の考え 新地域では都道府県に、グーグル社
住宅などの画像がインターネットで公開され、プライバシーの侵害が指摘されている米グーグル社の「ストリートビュー」について、有識者でつくる東京都の情報公開・個人情報保護審議会は3日、グーグル社の担当者を呼び、説明を求めた。担当者は次回から新たな地域のサービスを提供する際、当該の都道府県に事前に通知する考えを示した。
グーグル社が国内の自治体に公開の場でサービス内容を説明するのは初めてという。
ストリートビューは道路上から撮影した風景をパノラマ写真で表示する地図検索サービス。国内では昨年8月から東京や京都、大阪など12都市の画像を公開している。
審議会でグーグル社は「市場調査などビジネスに活用できる」と説明。画面上に問い合わせ先を用意し、申し入れがあれば、画像にぼかしを入れたり、削除したりしているとした。…(2009/02/03 20:25、共同通信)記事全文はこちら
◆「ストリートビュー」事前通知を検討 グーグル社が都に説明(産経新聞)
個人住宅の外観写真などが事前通知もなく無断でインターネット上で公開されてしまうことから、プライバシーの侵害や犯罪への悪用が懸念されている米グーグル社の「ストリートビュー」について、東京都情報公開・個人情報保護審議会は3日、グーグル社日本法人の担当者を招き、委員との意見交換を行った。
担当者は今後、新たな地域でサービスを開始する場合には該当する都道府県への事前通知を検討していく意向を示した。
審議会では、グ社側が「障害者が行き先のバリアフリー状況を調べられる」「市場調査などのビジネスに活用できる」といったサービスの利点について説明。プライバシーに留意し、住民からの画像削除依頼にも応じていることも報告した。(2009/2/3 21:58)記事全文はこちら
◆パノラマ京観光 ネットで手軽 中京のソフト会社、16日開設(京都新聞)
ソフトウエア開発のパワーシフト(京都市中京区)は、京都の代表的な観光名所のパノラマ画像をインターネットで手軽に閲覧できるサイトを16日に開設する。地図情報と連動することで実際にその場所を訪れているような感覚が味わえるため、京都観光の下調べなどに利用を見込む。…同社は「グーグルの路上パノラマ画像サイト『ストリートビュー』よりも当社の方が丁寧に作り込んだと自負している。…(2008年9月9日)
◆インターネットで道路沿いの風景写真を閲覧できる新サービス「ストリートビュー」をめぐり、世界的に論議が起きている。外出の計画に利用できるなど便利さの一方で、自宅が勝手に世界中に公開される「プライバシーなき社会」が加速するためだ。日本でも東京都町田市議会が国や都に規制を求めて意見書を提出、問題を提起した。…全文を読む(産経新聞2008年10月29日)
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