11日午前10時半ごろ、福岡県那珂川町市ノ瀬の山荘敷地内で、福岡市南区野多目4丁目の飲食店従業員高木隆二さん(30)の長男海地(かいち)ちゃん(4)が大型犬2匹に頭など全身をかまれ、病院に運ばれたが約1時間半後、多発性外傷のため死亡した。山荘は祖母の高木晶子さん(56)が住み込みで管理人をしており、孫の海地ちゃんは10日から一人で遊びに来ていたという。県警筑紫野署は重過失致死の疑いもあるとみて、犬の管理に問題がなかったか調べる。
同署などによると、晶子さんから「男の子が犬に頭をかまれた。呼吸がない」と119番通報があり、救急隊が駆けつけると、海地ちゃんが血を流して倒れていた。
犬は体長120-130センチほどの秋田犬と、同約100センチの洋犬ロットワイラーで、いずれも6歳ぐらいの雄。犬と山荘は敷地隆光弁護士(71)=福岡市=の所有で、晶子さんは5年ほど前から管理人として犬の世話もしていた。来客時はおりに入れていたが、普段は番犬として敷地内で放し飼いにしていたという。山荘ではほかに雌のシバイヌも飼っている。
晶子さんは、この日は農作業に出るため犬をおりに入れるつもりだったが、海地ちゃんが一人で庭に出て襲われたとみられる。晶子さんも2匹を追い払っておりに入れた際、頭や腕をかまれ、けがをしたという。
敷地弁護士は「山荘には家族と毎週末滞在しているが、犬たちは普段はおとなしいのでびっくりしている。ロットワイラーは過去に2回ほどタヌキを襲ったことがあるので、子どもを動物と間違えたのではないか。2回ほど逃げ出したこともあった。飼い主として責任を感じている」と話した。
現場は佐賀県境近くの山間部。山荘は企業などの研修施設としても利用されているという。犬2匹は保健所に収容された。
=2009/10/12付 西日本新聞朝刊=