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【小沢氏秘書逮捕】胆沢ダム落札前後に“攻勢” 西松から小沢氏側への献金 着工日にも…「まるで謝礼」
「どうしても落とせない工事だった」(西松OB)−。小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、逮捕された陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)に、ゼネコン間の談合関与の疑いが浮上した岩手県の胆沢ダム工事。西松関係者によると、西松建設は、利益率の高いダム工事を「目玉」と位置づけ、胆沢ダム落札の前後、小沢氏側への違法な献金を続けていた。工事開始当日にも献金しており、関係者は「まるで謝礼のようだ」と話している。
事業計画資料によると、西松が受注したのは、胆沢ダムの「洪水吐き打設工事」と呼ばれる洪水時に流水を調節する施設の工事。平成18年3月に入札が行われ、西松の共同企業体(JV)など3JVが参加。予定価格を下回ったのは西松のJVだけで、約95億円で落札した。落札率は約93%で、このうち西松分の受注額は約47億円だった。
捜査関係者によると、小沢氏側への献金について、西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)は、東京地検特捜部の調べに対し、「ダム受注のためだった」という趣旨の供述をしたとされ、西松は胆沢ダム落札の前後、小沢氏側への献金を続けていた。
政治資金収支報告書などによると、西松は工事が公告された17年9月の3カ月後、ダミーの政治団体「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)から6回に分けて計1300万円を小沢氏側の陸山会、「民主党岩手県第4区総支部」(4区支部)、「民主党岩手県総支部連合会」(県連)の3つの政治団体に献金。翌18年3月に工事を落札したが、半年後の10、11月には5回に分け、計500万円を献金していた。このうち200万円は工事開始当日に献金されていた。
西松元幹部は「胆沢ダムは、東北支店の目玉だった。受注額はそれほど高くないが、建築工事と比べてダムなどの土木工事は利益率が高く、うまみがあった」と話す。
別の西松OBによると、西松は土木中心だったが、近年はうまみのある土木工事が受注できず、建築の収益が全体の7割近くを占めていたという。このOBは「利益率の高い胆沢ダムは、会社としても落とせない工事だった。本体工事は大手ゼネコンに取られてしまうので、関連工事の受注を狙った」と話した。
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