トルコに行ってきました
いつも忙しくしているから、この夏休みは少しでもゆっくりできたらと思い、久しぶりにトルコに帰りました。真夏のトルコは日本と同じくらい暑いものの湿気がないせいかそれほど苦しくも感じません。夜になると海風が吹き涼しくて気持ちよく過ごせました。

これはいったいなんだろう?

出発前、トルコにいるある先生からメールが届きました。そこには、子供達が造った模型の写真が添付されていました。聞けばこれはATA宇宙エレベーターを想像した子供の作品だそうです。ただし、この子供達は、父親が戦争でなくなっ子供や両親に捨てられた子供で、みんな孤児院で生活しています。今回、彼らのためのチャリティイベントを依頼され、僕は喜んで出席することにしました。

みんなとの記念写真

イベントには、70人以上の小学生が来てくれました。トルコの小学生とは、久々に一緒に過ごしましたが、日本の小学生より自由でカジュアルな彼らは、なかなか黙って座っていられず、1時間の予定だった講演が3時間もかかり、質問もつきませんでした。ちょっと話してみると全員宇宙飛行士を目指しているそうです。(笑)セルカンおじさんも、彼らに負けては居られないと思いがんばりましたが、やはり子供の力にはかないません。子供達の持つ無限の力を、未来を描こうとする強い気持ちを生かす環境を、僕ら大人は作っていく責任があると感じました。

大人になったね。笑

このブログを最初から読んでくれている人はよく覚えていると思いますが、僕の従兄弟の子であるチェムちゃんがたまに紹介されています。今回のトルコでは彼と会えなかったけど、彼のお母さんから写真が届きました。プールが怖くて、入りたくないとごねているところだそうです。(笑)子供の成長はあっという間で、ずいぶん大きくなっているけれど、プールがコワイんだね、チェムちゃん。ぽっこりお腹が浮き袋になって沈まないから心配ないだろうと、セルカンおじさんは思うけどね。(笑)

トルコでの夏休みを終え日本に戻ったら大学もすぐ始まり、また忙しい毎日ですが、10月から進めたい研究で出会う新しい人との出会いや経験を楽しみにしています。
夏休みに突入します

7月31日にSoulSwitch in Morunouchiというイベントが行われ、私も参加しました。基調講演は安藤忠雄先生です。関西弁のノリの良さが、先生の鋭い視点を柔らかくし、ユーモアあふれる素敵な講演で幕を開けました。野中ともよさんがモデレータを務められ、第一部は「2050年の日本・東京・丸の内、そして社会」をテーマとし、養老孟司さん、出井伸之さん、野城智也先生と一緒にステージへあがり、それぞれの未来観を語り合う刺激的な場となりました。第二部のテーマは「2050年のライフスタイルの提案」です。ここでのメンバーは、ほとんどが顔見知りの仲間だったこともあり、話は時間軸を超えるところにまで及び、有る意味みんなで次元を超える旅をした楽しい一日となりました。

地球経済開発プロデューサー宮本さんと今記事ワークス木戸さん

翌8月1日、はPVJapan2008の特別ステージで講演を行いました。お台場のビッグサイトで行われたこのイベントは、日本の太陽光業者の技術をゆっくり見ることができる展示となっていて、現状を学ぶいい切っ掛けとなりました。現在、この分野ではドイツと日本が世界で1番の開発国ではありますが、今回日本の取り組みの真剣さ、頑張りをとても感じると同時に、数年前と比べると太陽光から得る電気量が増えていることをふまえ、ここから新たなアイディアが生まれ人類が次に進ことも可能なのではないかと感じました。

PVJapan2008の講演会

明日から夏休みでトルコに帰ります。
今度はイスタンブールから報告します。。
バードハウスの特別講演

先日、バードハウスプロジェクトの一部として、僕の「宇宙の視点から見た未来の地球環境」という講演会が行われました。

バードハウスは、ひとりでも多くの人に地球の未来を考えてもらいたい、というコンセプトで2年ごとにテーマを決めて世界で展示会を開催しています。地球は人類の大切な巣箱。確かにその通りですね。今回の展示は、宇宙デザイナーが考えたもので、先日韓国での展示が終わり、日本に戻ってきています。今度は中国に行くことになっているそうです。バードハウスプロジェクトの詳細は下記にご覧いただけますので、是非、お立ち寄りください。
http://www.birdhouse.gr.jp

講演後の懇親会

講演会当日は、平日にも関わらず300人近いお客さまに来ていただき、講演後には簡単なイタリアワインパーティーもあり、みなさんと挨拶したり、話しをさせていただきました。

正直に言いますと、僕は僕自身の個人的なご質問をいただくよりも、環境問題に関する質問をいただくことの方がうれしいので、今回そういった質問を多くいただいたことは、こうした活動をしている意味でもあり、大変うれしく思いました。できるだけ僕にできる範疇でお応えしていくつもりです。ただ、現在執筆を始めている次の本のネタに関わることもあるので(笑)、みなさんからいただいた質問なども反映させ、引き続き書いていきたいと思っています。

また、僕の著書「宇宙エレベーター」の重版も決まりました。何度目になったでしょう?これもみなさんが応援して下さったお陰です。ありがとうございました。
講演会のお知らせ
以下、一般の方もご参加いただける講演会がございますので、お知らせ致します。興味のある方は、ご参加下さい。イベントごとに、申し込み方法など異なりますので、詳細をご覧いただきますようお願い致します。(リンクにクリックできます。)

☆7月23日(水)18時〜20時30分
(20時30分以降ワインパーティー)
 「バードハウスプロジェクト 特別講演」

  場所:イタリア文化会館 東京 
  無料申し込み制

☆7月31日(木)13時〜19時30分
「SoulSwitch オープニングシンポジウム」
 
  場所:丸ビルホール(丸ビル7F)
  有料イベント

☆8月1日(金)12時〜14時30分
「PVJapan 太陽光に関する総合イベント 特別講演」

  場所:東京ビッグサイト展示ホール内スペシャルステージ
  無料登録制 
インフラフリーで考えるナポリ市の未来?
今週は、ナポリ大学の客員教授としてイタリア・ナポリにきてます。イタリアのローマは今年の3月に訪れましたが、ナポリは15年振りになります。

まずはイタリアらしいエピソードをお話ししましょう。僕は空港に到着し、荷物を待っていました。が、いっこうに僕の荷物は出てきそうもありません。心配になり聞いてみると「明後日までには絶対届けます。」とのこと。僕は、明日から授業なんですがどうすれば???「明後日までには絶対届けます。」。。。ナポリ出張はそんなショッキングな幕開けとなりました。気を取り直して、僕は空港からほど近い、ホテルまでタクシーを拾いました。タクシーを降りる時、メーターは12ユーロになっているのに、運転手は25ユーロと言っています。理由を聞くと、「空港税だよ。」と。(笑) 交渉の結果、17ユーロで決着。ところが、今度はホテルの前に誰もいません。ホテルのドアの前には、携帯の番号が書いてあるだけ。その番号に電話をしてみると、休憩中なんだと怒られ、あげく30分もドアの前で待たされ、ようやくチェックインできました。日本では、本当に考えられないことでしょうが、こうした感覚はトルコにもよく似ているところがあり、僕は怒り気にもなれずかえっておかしくなってしまいました。旅の醍醐味と言えるかもしれません。

ナポリの道

日本の方がイメージするイタリアは、大抵はミラノなどがある北イタリアではないかと思います。ここはファッションや技術など、イタリアの経済の要となっている地域です。一方、ここナポリは、南イタリアに位置し、よく言えばゆったりとしていて、悪く言えば適当な感覚で街が動いています。失業者も多いし、最近は「ゴミ問題」が取りざたされて、美しい港町のイメージも薄れてきています。夕方、市内を散歩したただけでも、いろいろなところにゴミの山が放置されていて、事態の深刻さが垣間見えました。

そんなわけで、今回の授業テーマは、インフラフリーアイデアを活用し、ゴミだけでなく、既存インフラから人々の生活をどこまで独立させることができるか、また南イタリアのコミュニティーでどれだけの応用が可能か、それを考えるという内容です。最初の2日間が授業で、残り3日間がワークショップとなっているので、かなりの充実度といえるでしょう。参加者は、博士課程の学生(約20人)で、このプロジェクトの評価次第では、5クレジットをもらえることになっています。(3年間で60クレジットを集めて卒業できるシステム。)学生は、インフラフリー建築を理解し、それを自分の論文にどうやって役に立てるか、一生懸命取り組んでいました。

大学での授業

2日間のワークショップでは、技術、歴史、計画専門の学生を、インフラフリーの設計を市内と郊外で考える二つのグループに分けて行ってもらいました。両方のプロジェクト共、3日間で出来上がって、建築学部長や他の先生にも大変よい評価を受けることができ、学生も今までと違った視点でアプローチする経験ができたことを喜んでくれていました。最後の夜は、みんなでEURO2008(サッカー)イタリアVトルコ戦を観戦しにいきました。もちろん、僕もかなりのサッカー好きです。みんなで白熱して応援しました。結果は、イタリアが負けてトルコが勝ちました。僕も含めた全員で、イタリアの負けを悲しみ、トルコの勝ちを喜びました。(笑)

みんなと記念写真

その翌日、僕は、フランクフルトに帰って、そのまま実家のケルンへ向かいました。なぜかと言うと、昨日、弟の娘が生まれたからです。名前は「アズラちゃん」月の光という意味です。月は女性のシンボルであり、夜を明るく照らすやさしい光です。アズラの誕生を知らせた日本からは、おめでとうというメッセージと共にこんな文章が届きました。日本の女性作家、清少納言の「枕草子」からだそうです。

病院で会った誕生二日目の「アズラちゃん」

夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。(夏は、夜がよい。満月の時期はなおさらだ。闇夜もなおよい。蛍が多く飛びかっているのがよい。一方、ただひとつふたつなどと、かすかに光ながら蛍が飛んでいくのも面白い。雨など降るのも趣がある。 )

日本は、ホタルの季節ですね。今、私たちは、混沌とした世界を生きています。明るい電飾の中では消されてしまうホタルの光も、自然の中では、私たちはその光に魅了され、救われます。ここに生まれたあたらしい生命であるアズラも、そんな風にやさしく輝く女性になってくれたら、とセルカンおじちゃんは願っています。笑
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