京都市が同和地区出身者に貸与した奨学金のうち、約2800人が07年度に返還すべき約2億円を免除したのは市の財政運営を著しく損なう違法行為として、市民団体「市民ウォッチャー・京都」のメンバー7人が18日、門川大作市長らに対する同額の損害賠償などを求め市監査委員に住民監査請求した。
請求書によると、市は今年3月、2809人分の債務2億500万円を条例に基づいて免除した。いずれも債務者の資力や返還意思などを考慮せず無審査で免除を決めており、返還免除自体が新たな同和事業になっていると主張している。
市は貸与した奨学金を「自立促進援助金」で肩代わり返還していたが、07年度から援助金の支給をストップ。08年12月には、00年度以前から肩代わりしていた人の債務(約18億円)を免除する条例を施行させ、07年度分から各年度ごとに返還免除を決定している。
損害賠償の請求対象者には、免除を決定した市職員や条例案可決に賛成した市議も含んでいる。【木下武】
毎日新聞 2009年9月19日 地方版