【麻生首相vs鳩山代表詳報】(2)麻生氏「自民党は日本に責任を持つ」
2009/08/12 18:29更新
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記事本文
麻生太郎首相(自民党総裁)と民主党の鳩山由紀夫代表が党首討論を行った。党首討論の詳報は以下の通り。
--それでは早速2人のスピーチに入ります。麻生さんにはこれまでの政権実績と総選挙に向けた優先順位の高い政策または主張を3つお示しくださるようお願いします。鳩山さんには、民主との目指す日本の姿と総選挙に向けた政権公約の中で優先順位の高い政策または主張を3つお示しくださるようお願いします。それでは麻生さんからお願い致します。
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記事本文の続き 麻生氏「麻生太郎です。今日は21世紀臨調の方々のお世話で、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございました。3点訴えたいことを、というお話をいただきました。私は景気最優先、安心社会の実現、そして日本を守る。これらの政策について民主党との違い等々を明らかにさせていただければと考えております」
「一番の違いは責任力だと思います。公約には実現可能な裏付けと、一貫性というものが必要であります。自民党にはそれをきちんとお示しし、実現する力があると思っております。昨年9月24日に内閣総理大臣に拝命されて以来、経済対策、景気対策、この1点に全力をあげてきたと存じます。100年に一度ともいわれました世界同時不況というものから国民の暮らしをいかに守るかということを最優先としました。はなはだ異例なことでありましたけれど、半年間に4度の予算編成を行っております。中小企業の資金繰り対策、また地方公共団体・自治体への支援。定額給付金。また高速道路の休日一律1000円、エコポイントなどがなどあります。これらの取り組みの成果は少なくとも株価という先行き指標で、7050円まで下がっていたものが、今日は1万400円につけていると思いますが、回復してきております」
「しかしながら、中小企業の実態、雇用の実績という状況をみたときには、明らかに景気回復というものを肌に実感するまでには至っていない。私どもはそう思っております。従いまして、まだ道半ば。従って、引き続き景気対策最優先。私は日本の経済を必ず回復をさせたいと考えております。引き続き大胆かつ集中的な経済対策というものを講じます。民主党を見てみますと、経済の成長政策というのが見えないままお金を配られるとしか見えない。自民党は成長をして、経済を成長して、経済のパイを大きくした上で、分配を考えます。ここが大きな違いだと思っております」
「次に私が目指す社会は安心社会であります。一言で言えば、子供に夢を、青年に希望を、そして高齢者には安心を、であります。4度の経済対策におきましても、国民生活の安心に特に力を入れたと思っております。例えば、従業員を解雇しないで頑張っている企業に対して給付の一部を肩代わりする雇用調整助成金、また、失業者や母子家庭の方が職業訓練を受ける際にはその生活費の支援、また、妊婦健診の無料化などなどです。これらの実績の上に立って安心社会の実現というものをお約束致したいと存じます。全世代、全生涯を通じた安心保障をつくるということです。それを実現する政策を加速したいと思います」
「具体的には、子育て家庭への支援のため3歳から5歳での幼児教育を無料にします。高校生や大学生を支援するために新たに返済しなくてもよい奨学金をつくります。年長フリーターを正規雇用していただくための支援や非正規社員の方のために日雇い派遣を原則禁止するなどの待遇を改善します。女性の社会進出というものが必然でありますけれども、保育園に入れず待っている待機児童を解消しなければなりません。女性に優しい企業を支援し、働きたいお母さんを支援するマザーズハローワークを拡大します。年金につきましては、基礎年金の国庫負担の2分の1への引き上げを実現し、長期的には年金財政というものは安定をしております。無年金、低年金という問題があります。この対策として年金を受け取るのに必要な期間というものが現行25年でありますけれども、この短縮などについて検討致したいと思っております」
「しかし、安心できる社会保障のためには財源が必要です。私は景気が回復した後、社会保障と少子化対策のため、消費税率引き上げを含む抜本的な税制改革をお願いすると申し上げてきました。これに対し民主党は、消費税につきましては議論をしないというお立場のように見えます。これ以上、私たちの世代の借金を子や孫の代に先送りするわけにはいかないと思っております。必要なら国民に耳の痛いことも言う。それが政治の責任だと思っております。もちろん国民の皆さまに負担をお願いする以上、まずは大胆な行政改革が必要です。国会議員の削減や公務員の削減、天下り・渡りは全面禁止、公務員の特権というものは許しません。行政の無駄を根絶しなければなりません。今年度予算でも1兆円近い経費の見直しを行っているところであります」
「3点目は日本を守るということです。安全保障についてです。ご存じのように北朝鮮は度重なるミサイル発射を行っております。また、2度の核実験をやったという事態であります。明らかに日本にとって明白な脅威です。そこで国連において北朝鮮への制裁、これを日本の主導によって満場一致で採決。この国連決議に従って北朝鮮の貨物を検査する。そういう法案についても民主党は審議に応じず廃案にしてしまいました。その結果、一番喜んでいるのは北朝鮮ではありませんか。国際的なテロ対策や海賊対策。今、日本の自衛隊はアフガニスタンのテロ対策のために関係国の艦船に燃料を補給しております。またソマリア沖では各国と一緒に海賊から日本の船を守っております。これらの日本の貢献というものは国際社会で高い評価を受けていると存じます」
「民主党はいずれにも反対をしてこられました。それが最近は選挙が近付くと、政権を取れる前提のようになって、立場が突然不明確になっておられるように感じます。私は国の安全保障の根幹というものにふらふらしている政党に日本の安全というものはまとめることはなかなか難しい、お任せするのは難しいのではないかと思っております」
「投票日は8月30日です。私は皆さんにこの8月を日本を考える月にしていただきたいとお願いを申し上げます。私が皆さまにお示しを致しておりますものは、これまでの実績と責任ある政策です。経済の成長政策のない政党では景気回復は実現できないと思います。財源のないバラマキは同様に無責任だと思っております。安全保障政策に一貫性のない政党に日本の安全を任せることはできない。私と私の信じる自由民主党は日本というものに責任を持ちます。日本に責任を持つ。安心、活力、責任、国民の暮らしを守る自民党。日本を守る自由民主党。ありがとうございました」
【党首討論詳報】
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