農林水産省が各都道府県に管理を委託している国有農地と開拓財産の貸し付け状況などを会計検査院が調べたところ、使用料の滞納額が08年度末時点で約3億3千万円に上ることが分かった。無断転用などの契約違反者もみつかった。検査院は「使用実態を把握し、滞納者や違反者の契約は解除すべきだ」と同省に改善を求める。
農水省などによると、国有農地と開拓財産の管理は都道府県に委託され、農業以外に住宅、店舗、工場などの用地として個人事業者にも貸し付けている。転用して借り受けた人は年1回、使用料を支払い、納期に間に合わないと、年利8.5%を延滞金として支払う。都道府県の同意を得ずに用途変更や第三者への転貸、使用権を譲渡することができないなどの条件が付く。都道府県はこうした事実が明らかになった場合、調査した上で貸し付け契約を解除する手続きを取らないといけないことになっている。
検査院が国有農地と開拓財産を調べたところ、使用料の未払い額は22都道府県で計約1億9285万円あった。このうち、5都道県が08年度末までに貸し付けた国有地約65万平方メートルに対する未払い額が95%以上を占め、計約1億8497万円だった。
また、1年以上使用料を支払わない借受人は5都道県で27人おり、計約1億7492万円で延滞金を含む滞納額は計約3億3千万円に上った。10年以上滞納している借受人も15人いた。都内では10人が無断転貸したり、借地に建てた建物を第三者に売却したりしていた。都はこうした事実を把握していたが、契約解除していなかった。
最も多額の滞納者は、東京都江戸川区内で約740平方メートルの土地に駐車場付きの飲食店を無断で建てて営業していた。滞納額は約6300万円。94年に違反が発覚したため、都は事態解消のため違反していた84年までさかのぼり、10年分の使用料を徴収し、94〜96年度を貸付期間として契約したが、滞納者は94年度分を支払っただけという。