鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)を巡る偽装献金問題で、会計事務担当の元公設第1秘書が、政治資金収支報告書に寄付者名を記載する必要のない5万円以下の小口の匿名献金についても虚偽記載していたことが分かった。鳩山氏側から得た資金だったのに支持者らからの個人献金であるかのように装っていたという。会計帳簿の任意提出を受けた東京地検特捜部も同様の事実を把握し、鳩山氏側の内部調査を担当する弁護士らから任意で事情聴取した模様だ。
収支報告書への記載を義務づけられている5万円を超える個人献金について、鳩山氏は6月の記者会見で05~08年に約90人、総額2177万8000円分が虚偽記載だったと説明した。一方で小口の匿名献金については「調査が終わっておらず調査を続ける」と説明していた。
友政懇の収支報告書によると小口の匿名献金の総額を記す「その他の寄付」欄には▽05年3969万円余▽06年3682万円余▽07年2779万円余▽08年2668万円余--と総額1億3099万円余の記載があり、5万円超分を合わせた全体の個人献金額(約2億874万円)の62%超を占める。
関係者によると、この匿名献金の中に実際には鳩山氏側からの資金を充当したのに、支持者らから受領した個人献金であるかのように装ったものが含まれている。会計帳簿には寄付者名、住所、金額、受領年月日などが記入されており、特捜部は会計帳簿の記載が事実かどうか捜査を進めるとみられる。
毎日新聞 2009年10月9日 東京朝刊