ついにエコナの販売が停止された。新聞は花王の発表をまに受けて「販売自粛」と書いたが、実際は「食品安全委員会」の一部委員の意見が作用し、主婦連などの販売停止要求に渋々従ったのが実態だ。だが、食安委の委員はこの9月末の改選で、反対派の委員が官僚の手によって一挙にやめさせられる可能性が高く、花王は問題の一部である「グリシドール脂肪酸エステル」だけを低減して販売を再開させたい意向だ。主成分「ジアシルグリセロール」の発がん促進作用の疑いが残る限り、販売を再開させてはいけない。
【Digest】
◇販売自粛発表前に電話をしたら・・・
◇食品安全委員会で販売禁止の意見
◇厚生労働省はしぶしぶ指導
◇主婦連など消費者団体が販売停止を要求
◇エコナの問題はグリシドールだけではない
3年以上前から、本サイトで5回にわたって危険性を指摘してきた花王のエコナ。
発ガン促進の疑いも、売り続ける花王(2006年7月)
エコナ、自社研究でもガン促進を示唆(2006年8月)
3年経っても発がん疑い消えず 食安委で反論・訂正続出(2009年7月)
「エコナで痩せる」信憑性揺らぐ実験データ(2009年8月)
エコナに新たな有害物質の混入発覚(2009年9月)
今回の販売停止は、食品安全委員会の一部の委員の意見が強く作用し、花王も渋々ながら従ったものだ。「消費者の不安に対応して」という建前になっているが、それが建前にすぎないことは、実際に消費者への対応措置がお粗末であることからも分かる。返品しようにもHPには手続きの情報は一切無く、電話もつながらない。
◇販売自粛発表前に電話をしたら・・・
花王がエコナの販売自粛・出荷停止を発表した9月16日。発表前の午前中11時7分に、私は花王に電話をしていた。
「はい、花王お客様相談室、@@でございます」
――エコナについて問い合わせなんですが、食品安全委員会で不純物グリシドール脂肪酸エステルが問題になっていて、花王でも低減努力をするとなっているんですが、現在店舗で販売されているものに、既に低減されているものはあるのでしょうか?
「いえ、あの-、当初発売されていたものと同じでございます」
――低減というのは、どれくらい、いつ頃までにできるものなんでしょうか?
「私の方ではその資料を持っていませんので、詳しいものから電話をさせますけれども」
――ぜひ、そうしてください。
「どれくらい、いつ頃までにということですか、それは何かお読みになったんですか」
――食品安全委員会の資料を読んだり、傍聴したりしているもので。
「かしこまりました。では一度切らせて頂いて、詳しいものからお電話させていただきます」
この段階では、少なくともお客様相談室では販売自粛などの話は伝わっていないようだった。
しかし、待てど暮らせど一向に返事がない。そうしているうちに、花王がエコナの販売自粛・出荷停止を発表したとの報道が入ってきた。
朝日新聞の記事では、返品には応じると書いてあるが、具体的な方法は書いていない。肝心の花王のHPにも返品に関しては全く説明が書いてない。
当然ながら、マスコミ発表後は問い合わせが殺到し、花王の電話回線はつながらなくなる。何度こちらから電話をしても、「回線が混雑しております」というテープが流れるだけでつながらない。
もし、花王が消費者の安心を最優先に考えて、このような措置をとったというのならば、その情報を知った消費者が適切に対応できるように、返品の具体的なやり方を詳細に説明するべきだと思う。また、販売自粛前から問い合わせをしていた私に、まず連絡をしてくれても良さそうなものだと思うのだが。
マスコミの記事では、花王の発表を間に受けて、花王が自主的に販売自粛に踏み切ったという論調だ。しかし、これまでの経緯を見続けている者としては、とても鵜呑みにできない。
実際は、食品安全委員会での批判的意見、厚生労働省からの指導、消費者からの問い合わせ、消費者団体からの要望などなど外部からの圧力に押されて、花王がしぶしぶ決定したことは明らかだ。以下、順を追って考察してみよう。
◇食品安全委員会で販売禁止の意見
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7月8日付け花王から食品安全委員会に出された資料の一部。販売自粛などの検討は一切無し |
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前回の記事にも資料として掲載している、7月8日付けの花王が食品安全委員会に提出した自社検査の資料を見る限り、
「K社(花王のこと)食用油およびその主成分であるDAGについては世界的に標準とされる試験法を含む多くの試験で安全が確認されており、安全性については問題無いと考えております。グリシドールエステルについては現時点までの情報からは安全性への懸念を明確に示す報告はありませんが、K社食用油の成分としては意図するものではないことから、その低減に取り組んでまいります」
とあるだけだ。
低減処理ができるまでの間どうするかなどについての自主的措置については、全く言及されていない。
8月24日の食品安全委員会新開発食品・添加物合同専門調査会では、山崎・菅野委員による提出資料で、花王のエコナにはグリシドール脂肪酸エステルが、通常の植物精製油の100倍も多く含まれていることが指摘された。
その後9月2日の会議では、グリシドール脂肪酸エステルの安全性評価を行うための試験データを厚生労働省に求めることと同時に、リスク評価ができない間の措置をどうするかということが話し合われた。
以下のやりとりは、9月2日の会議の中でのグリシドール脂肪酸エステルに関する低減措置を検討した部分の議事を、私が書き取ったものだ。
福島昭治座長「いつまでこの問題を放置しておくかという点については、このグリシドール脂肪酸エステルはあくまで不純物です。いずれにしても、今回相当量入っているので、できるだけ低減して、現状の他の油のレベルにまで低減に努めてもらうということを求めたいと思いますが、皆さんの意見はいかがですか?」
管野純委員 「私の意見は、前回提出した資料にだしています。危険性が疑われた段階で、証明されるまでは危険ではないという立場を取るのか、積極的に対応するのかと言うことだと思います.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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主婦連が9月11日に関係省庁に対して出した要望書
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主婦連が9月11日に花王に対して出した要望書
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