民主党の藤原良信参院議員(比例)の資金管理団体が建設資材会社から事務所を無償提供されていた問題で、政党支部と後援会が入る別の事務所についても別の建設会社から月1万円の格安家賃で提供されていることが分かった。事務所には18年前から入居しており、藤原氏は「契約当時の金額で妥当と考えるが、20年近く経過しているので、現在の水準を踏まえて(建設会社側と)協議したい」としている。【政治資金問題取材班】
この事務所はJR盛駅(岩手県大船渡市)近くの工業団地内にある鉄骨平屋の建物の中にあり、同建物162平方メートルのうち49・5平方メートルを使用。建物や土地は市内の建設会社が所有している。
同社の社長によると91年5月28日に「藤原良信後援会」と賃貸契約を結び、家賃は当時から月1万円。藤原氏は87年から県議を5期務め、07年の参院選で初当選しており、同年1月から「民主党参議院比例区第35総支部」も同じ事務所内に置かれている。
民間調査会社によると、同社は64年に設立され、官公庁施設やダム、道路など公共工事の元請けが売り上げ構成比で50%以上を占め、昨年12月期決算の売上高は約15億5400万円。藤原氏側に資金管理団体事務所を無償提供していた建設資材会社が主な仕入れ先の一つとなっている。
地元の複数の不動産業者によると、事務所周辺の家賃相場は50平方メートル前後で少なくとも月5、6万円程度という。
社長は「藤原氏とは高校の同級生だった関係で、使わなくなった倉庫を貸しただけ。(格安家賃が)問題になるのであれば家賃を上げる」と話す。
藤原氏は「月1万円は当初契約した金額を継続しており、妥当な金額と考える。ただ、20年近く経過しており、現在の水準を踏まえ、賃貸者(建設会社)と協議したい」と文書で回答した。
藤原議員の事務所費問題について、鳩山由紀夫首相は6日夕「個人からしっかり説明していただくのが一番だ」と述べ、説明責任を果たすべきだとの認識を示し、必要なら修正などの対応もとるよう促した。首相官邸で記者団に語った。
毎日新聞 2009年10月7日 東京朝刊