2016年オリンピック決定で盛り上がるブラジル株への投資方法

　2016年夏季オリンピックがブラジルのリオデジャネイロに決まりましたね。

　東京は残念な結果となりましたが、オリンピックがブラジルに決まったことで改めてBRICs地域が注目されそうです。

　ブラジルは今回決まったオリンピックが2016年、そしてサッカーワールドカップが2014年とビッグイベントが相次いで開催されるのでこれから何年間かは世界中から注目される国となりそうです。

　世界中から注目されるということ、そして世界的なイベントが2回も相次いで開催されることからブラジル国内では各種経済対策やインフラ整備関連の投資が活発に行われるでしょう。

　経済対策・インフラ整備に巨額の資金が投入されるとなればブラジルのような新興国の株式市場にとってはポジティブな材料といえるのでブラジルの株式市場が世界中から注目され、資金が流入して株価の上昇が期待されます。

　さて現状私たち日本人がこのブラジルの株式市場に対して投資しようとする場合の手段としては

　1．投資信託を購入する
　2．ETFを購入する
　3．アメリカ市場に上場するADR（米国預託証券）を購入する

　の3つが挙げられます。

　1の投資信託はブラジル単独投資の物からBRICsへ分散したファンドなどある程度数があり、最低購入額も低いものがあるので気軽に投資することができます。

　2のETF（上場投資信託）は昨年7月に東証へ上場したNEXT　FUNDSブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信（1325）やアメリカ証券市場に上場しているiシェアーズMSCIブラジル・インデックス・ファンド（EWZ）などがあります。

　東証に上場しているブラジル株ETFはブラジルの代表的な株価指数であるボベスパ指数に連動することを目的としたETFで円換算した結果が反映されます。10月に入ってから大きく動いてるのでオリンピック開催決定前後の動きが強かったことが伺えます。

　対してEWZの方はMSCIブラジル・インデックスに連動することを目的としています。

　MSCIブラジル・インデックスではブラジルの主要企業で資源企業のリオドセ、ペトロブラスといった銘柄への投資比率が5割近くになっていて、こちらのETFの値動きは年初から上昇傾向にあり、先ほど紹介した東証のブラジル株ETFとはちょっと違った動きとなっています。

　ETFの年間手数料である管理報酬は東証のブラジル株ETFが年間約1％なのに対してEWZは約0．7％と低くなっています。もちろん東証のETFも通常の投資信託と比べれば年間の手数料は安い場合がほとんどです。

　3のADRに関しては、先ほど紹介した主要企業がアメリカ市場に本国の株を原資産とした有価証券を発行する形で取引されています。個別株なので配当も貰えますし、ダイナミックな値動きを捉えることでキャピタルゲインも狙えます。

　ただ日本の証券会社経由で購入できるブラジル企業のADRは数銘柄に限られるので、ブラジルの個別株でもうちょっと違う銘柄に投資したい場合は現状は難しい状態なんですが、ここでニュースが入ってきまして、とうとう日本で初めてのブラジル個別株取引を開始する証券会社が登場するようです！

　ベトナム株やタイ株、ロシア株など新興国の投資仲介を行っているニュース証券が10月末から日本で初となるブラジル個別株取引を開始するということを10月7日に発表しました。

　ADRでは米ドル決済でしたが、ニュース証券のブラジル株はサンパウロ証券取引所に上場する企業の株を直接取引出来ます。また、サンパウロ証券取引所に上場する30銘柄以上を扱うということでこれまでのADRでは投資できなかった企業へ個別で投資することが可能になります。

　手数料は若干高めの設定となるようですが、ブラジル個別企業へ投資したいと考えていた投資家には朗報です。

　サッカーワールドカップにオリンピックと中国のように世界的なビッグイベントを続けて開催するブラジルに今後注目が集まるのは必至。これを機会に世界中の人々から熱い視線を受けることになるブラジル株式市場へ投資を検討してみるのもいいかもしれませんね。（執筆者：しむしむ　編集担当：サーチナ・メディア事業部）

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