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防災ヘリ墜落 離陸後も岐阜県警「戻せ」「認識甘く」 県、機長に伝えず岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で、登山者の救助活動をしていた県防災ヘリコプター「若鮎2」が墜落し、乗員3人が死亡した事故で、県防災課が、県警からの再三にわたる出動中止要請を同機の機長だった朝倉仁操縦士(当時57歳)に伝えていなかったことがわかった。県が25日、記者会見を開き、詳細な出動経緯を明らかにした。 武藤鉄弘・総務部長は会見で、同課職員らが現場となった北アルプスの急峻な岩場「ジャンダルム」や、「ロバの耳」付近の地形などについての知識が乏しかったことも認め、「山岳救助に対する認識が甘かった」と述べた。 県などによると、事故当日の今月11日午後1時34分、高山市消防本部から県防災航空センターに「奥穂高岳で登山者の男性が心肺停止状態」と通報があり、朝倉操縦士らは出動準備を開始。同センターから連絡を受けた県警航空隊が情報を収集した結果、「(現場の標高や地形から)山岳地帯の救助経験がない県防災ヘリでは無理」と判断し、同隊員が若鮎2に乗り込んだ朝倉操縦士に「離陸を待つように」と依頼した。 しかし、朝倉操縦士は「消防から正式な救助要請が来ているので待てない」として、午後2時9分頃、出動した。 県警はその後も同センターや県防災課に対し、「危険な現場なので県警に対応させてほしい」「県防災ヘリを戻せ」などと再三、連絡したが、同課は朝倉操縦士に県警の警告を伝えないまま、「すでに離陸しているので、朝倉操縦士が判断する」と回答していた。 また県は、ヘリの出動後、朝倉操縦士に救助が可能かどうかを問い合わせることもなかったという。 県警からの警告を操縦士に伝えていなかったことについて、武藤部長は「通常、県警との協議は事前に行っており、出動後に県警から中止要請を受けた今回のようなケースは珍しい。(防災課職員らは)現場の判断に任せっきりだったと思う」と説明した。県は、県警との協議が適切だったかどうか、引き続き調査する方針。 (2009年9月26日 読売新聞)
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