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進む究極の「エコ」 航空会社、皿まで軽量化

10月10日20時35分配信 産経新聞

進む究極の「エコ」 航空会社、皿まで軽量化
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全日空の成田−シンガポール線エコノミークラスでは今月中に限り、ワインを軽量のペットボトル容器で提供している=1日、東京都大田区の東京国際空港(写真:産経新聞)
 二酸化炭素(CO2)の排出を削減しようと、膨大な燃料を扱う航空業界がエコへの取り組みを加速させている。全日空は10月を強化月間に設定し、「e−flight」と題したエコ対策を実施。日本航空も11日に「究極のエコフライト」とする燃料節減実験を行う。タイヤやコンテナの軽量化から機内食の皿、機内誌の素材変更まで“グラム単位”の軽量化を追及し、燃料節約を図る。

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 全日空は昨年からエコの取り組みを強化。乗員訓練を実際の飛行からシュミレータに切り替え、東京−大阪間1万9千往復にあたる29万キロリットルの燃料削減を実現した。また、乗客数や荷物重量から必要最小限の燃料を積むことで「少しでも機体の重量を減らしている」とパイロットは話す。

 取り組みは車体や機内にも及ぶ。大型機のタイヤ素材を見直し、約80キロの減量に成功。また、機内誌の紙質を変えるなどし、1冊約20グラム減にした。担当者は「『たかがグラム単位』とあなどれませんよ」と語る。

 1機あたりに換算すると機内誌削減は8370グラムになり、飛行距離の長い欧州便では、5290リットルの燃料が減らせるという。年間にすると、3862キロリットル減で9515キロのCO2排出を抑えられる。

 機内食の皿も質感が落ちないように陶器を維持しながら中を空洞化にし、1枚170グラム軽くするなど「あらゆる策を講じている」(担当者)。全日空は軽量化策で平成24年までに約6万キロリットルの燃料節減を目指すとしている。

 一方、日本航空が国土交通省と協力し、11日にホノルル−関西空港便で行う「究極のエコフライト」実験ではアジア初となる18項目のエコ対策を実施する。

 機内軽量化のほか、従来の航路ではなく気象条件のよい飛行経路をパイロットらが独自に判断。離着陸時も走行距離が短いスポットを使用し、高温のホノルルでは日よけを下げエアコン使用を控える。担当者は「現在考えられるすべてのエコを一度に行う。文字通り“究極”」と話す。

 日本航空は「ドラム缶27本分の5362リットルの燃料削減につながる」と計算。CO2の削減量は1万3千キロになる。スギの木1本が年間に吸収するCO2量は14キロとされ、削減効果はスギ940本分に上る。

 ユナイテッド航空がシドニー−サンフランシスコ便で1万5千キロのCO2削減に成功した例があるが、日本航空は、これより距離が短いホノルル−関空便で1万3千キロの削減を目指しており、削減能力はユ社の1・6倍になるという。

 燃料節減はエコ面だけのメリットに止まらない。全日空が掲げる6万キロリットルの節減では、年23億円の燃費が浮く。一方、1日約1100便を飛ばす日本航空。実験は24万円の節減だが、担当者は「全便に拡大すれば年数百億円規模の節減効果になる」と話している。

 燃料高騰で両社は10月から燃油サーチャージの再徴収に踏み切ったが、エコが進めば運賃の値下げにもつながる。

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最終更新:10月10日21時57分

産経新聞

 

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