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強気の投球一直線 平泉豪祐(東京大2年)

2009年5月19日

写真平泉豪祐投手兼内野手(東京大2年)

 ◆平泉豪祐(19)=投手兼内野手、東京大2年

 ペドロ・マルチネスが目標だ。「ちょっと右ひじを下げる投げ方が、似ているかな」。大リーグ通算214勝投手と自身の共通点を語る右腕は、マウンドを任されて、まだ半年もたっていない。

 武蔵工大付(世田谷区=現・東京都市大付)高時代は主に三塁手。神宮で野球がしたい。東大に入れば、すぐレギュラーになれると考えていた。「甘かった。僕が体で止めていた打球でも、先輩はしっかりグラブで捕球できる」。1年時はリーグ戦出場なし。今春のキャンプ、練習で力強いボールを投げる姿が目にとまり、中西正樹監督(35)から転向の打診を受けた。出られる可能性が広がるのなら、迷いはなかった。

 最速136キロの直球や覚えたてのチェンジアップより、最大の武器は「強気」。4月18日の明大戦。6回無死一、三塁からの初登板でも、「あの応援の真ん中に自分がいるのが、気持ちいいんです」。1点は取られたが、3人を内野ゴロに打ちとり、投手としての第一歩を踏み出した。

 5月9日(法大戦)は初の先発も経験した。元甲子園球児や、プロ注目の選手が集う六大学。実力差は認める。「だから、投げるときは相手より自分。力を出し切ることだけを考える」。1日13時間も机に向かっていた集中力は、誰にも負けない。(山下弘展)

 ひらいずみ・ごうすけ 世田谷区出身。主に工、理学部に進む理科1類で学ぶ。「東大合格者は少ないので、高校の進路指導室には名前が掲示されてたみたい」

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