9日、ノーベル平和賞の受賞決定後、ホワイトハウスで笑顔を見せるオバマ米大統領=ワシントン(ロイター=共同) 反オバマ派が平和賞決定に批判 「足かせ」との指摘も【ワシントン共同】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与が決まった9日、大統領との対決姿勢を強めている共和党や保守派からは早くも「何も成し遂げていないのに」と批判が噴出。アフガニスタン情勢やイラン、北朝鮮の核問題に対峙する米国の指導者として、軍事行動などの厳しい対応を迫られる際の足かせとなる可能性を指摘する声も出ている。 スティール共和党全国委員長は声明で、オバマ氏の「スターとしての力」が、平和や人権の分野で地道に努力し、実績を積み上げている人の存在をかすませてしまったと非難。懸案の雇用対策など、自ら話したことを具体的な行動に移すことに対しては「どんな賞も授けられないだろう」と皮肉り、イメージ先行で中身が伴っていないと指摘した。 保守派論客のラッシュ・リンボー氏はノーベル賞委員会が「自らに自爆テロを仕掛けてしまった」と述べ、賞の権威が下がったと主張。ブッシュ前大統領の副報道官を務めたフラット氏も、実績のない段階での授賞は「ノーベル賞委員会の意図を疑わせる」と語り、ブッシュ氏への批判が背後にあると不快感を示した。 オバマ氏への授賞理由は国際協調や核兵器廃絶への努力など、将来の実績に向けた期待が込められたものだけに、ワシントン・ポスト紙はオバマ氏の今後の行動が常に「ノーベル平和賞受賞者」という物差しで測られることになると指摘。米国の国益追求という大統領に課された使命を全うする上で「重荷と感じるかもしれない」と分析した。 【共同通信】
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