Print this Post Article Lists Back

MLB:アジア人初! 秋信守「20本塁打・20盗塁」達成

 クリーブランド・インディアンスの秋信守(チュ・シンス)=27=は、アジア人選手としては初めて米大リーグで1シーズン 20本塁打・20盗塁という記録を達成した。

 秋信守は4日(韓国時間)、ボストン・フェンウェイパークで行われたボストン・レッドソックスとのアウェーゲームに、3番・ライトで出場。4-10とリードされた7回表、無死1塁から2ランを放った。同球場のシンボルである「グリーンモンスター」(外野レフト側高さ11メートルの緑色の大型フェンス)を軽く超える飛距離119メートルのホームラン。すでに21盗塁をマークしていた秋信守は、これで1シーズン20本塁打も記録し、チーム史上8人目の「20本塁打・20盗塁」を達成した。

 スピードとパワーを兼ね備えていてこそ可能な「20本塁打・20盗塁」は「好打駿足」を象徴する記録だ。大リーグで今シーズン(4日現在)、この数字を達成しているのは12人に過ぎない。中でも、打率3割以上をマークしているのは秋信守を含め3人だけ。秋信守は正確な打撃と長打力、幅広い守備、送球能力、走塁センスを持ち、大リーグの代表的な「5ツールプレーヤー」と呼ばれている。9年連続200安打、1シーズン最多安打(2004年262安打)など、大リーグで多くの記録を残しているイチロー(35)=シアトル・マリナーズ=でも本塁打数が足りず、「20本塁打・20盗塁」が達成できずにいる。

 大リーグトップクラスのバッターにまで成長した秋信守だが、その野球人生は決して順調ではなかった。2000年の世界青少年大会で最優秀選手(MVP)に選ばれ、マリナーズに入団したが、イチローとのポジション争いでレギュラーにはなれなかった。6年間マイナー暮らしを続けたが、06年にインディアンスに移籍。ついにチャンスをつかむかと思われたものの、左ひじのけがでシーズンの半分を棒に振った。

 希望が見え始めたのは08年のシーズンからだった。後半に復帰した秋信守は、大リーグの「9月の選手」に選ばれるなど大活躍。レギュラー入りし、今シーズンにはスタメン外野として中心バッターになり、チームの攻撃面を引っ張っている。

 だが、秋信守にはもう一つの大きな壁が待ちかまえている。それは兵役問題だ。11年のシーズンが始まる前までには入隊しなければならない。米国の市民権を取得する方法もあるが、普段からバットに太極旗(韓国国旗)を付けるなど、愛国心も人一倍ある秋信守には容易でない選択肢だ。秋信守が大リーグと兵役問題という「二兎(にと)」を一度に得る唯一の方法は、来年11月に中国・広州で行われるアジア大会で金メダルを取ることだけだ。秋信守は韓国の野球史をどこまで塗り替えられるだろうか。

チャン・ミンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る