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2009-09-25 シートベルトは死亡を防がない? ニセ科学を見抜く練習問題シリーズ

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インフルエンザワクチンの効果に否定的な主張はよくあるが、これまでに見たことのないパターンのものを見つけた*1。要約すれば以下のようになる。

カナダの21の病院でのデータでは、インフルエンザの患者さん(成人)のうち、71%はインフルエンザのワクチンを接種していた。これではワクチンに予防効果があるとは言えない。

さて、問題。Q.上記のデータからインフルエンザワクチンの予防効果の有無について判断できるか?














カナダの21の病院でのデータの出所は、McGeer et.al, Antiviral therapy and outcomes of influenza requiring hospitalization in Ontario, Canada., Clin Infect Dis. 45(12):1568-75.だ。2007年の論文で、新型インフルエンザではなく、季節性インフルエンザの話であり、主題は「抗インフルエンザ薬はインフルエンザによる入院患者の死亡を減らす」というもの。原著にあたったが、インフルエンザによる成人入院患者327人中、ワクチン接種者は216人(71%)とある。 想像するに、上記要約引用した発言をした方は、「もしワクチンに予防効果があるのであれば、インフルエンザで入院する人の7割もの人にワクチン接種歴があるのはおかしい。ワクチンがインフルエンザを予防するのであれば、入院となった人の中のワクチン接種者の割合はもっと低くなるはずだ」とお考えになったのであろう*2。しかし、同様の論理を用いて、シートベルトに死亡を防がないとも主張できる。


平成20年の日本のデータでは、運転席に座っていて交通事故で死亡した人のうち、51%はシートベルトをしていた。これではシートベルトに死亡を予防する効果があるとは言えない。


警察庁のページにある座席位置別・シートベルト着用有無別死傷者数の表によると、運転席における死者数のうち、シートベルト着用が631人、非着用が605人であった*3。ワクチンの話はわかりにくくても、シートベルトに喩えるとわかりやすいと思ったが、どうか。普段から運転している人のシートベルト着用率が高かったら、死者数のうちのシートベルト着用者の割合も高くなる。仮に、運転者のすべてがシートベルトを着用していたとしたら、運転席に座っていて交通事故で死亡した人のうち100%がシートベルト着用者になる。シートベルトの効果を知りたいのであれば、少なくとも比較対照となる群でのシートベルト着用率が必要である。警察庁のページでは、対照群を死傷者、つまり死亡ではなく怪我で済んだ人も含めた集団とし、シートベルトをしないと運転席では死亡の確率が47.2倍になるとしている。厳密には、「シートベルトをしないような運転者は乱暴な運転をするため、事故を起こしたときに死亡しやすい」などといった交絡因子を考慮していないだろうが、それでもシートベルトに死亡を抑制する効果があることを疑問に思う人はそうはいないだろう*4

ひるがえって冒頭の問題の答え。A.入院患者におけるワクチン接種者の割合だけでは、インフルエンザワクチンの予防効果の有無について判断できない。対照群との比較が必要である。この場合は、大雑把には、対照となった病院の医療圏の成人集団が対照となる。原著には、

The proportion of patients in this cohort who had been vaccinated against influenza was substantial but is lower than vaccination rates among the general population of Ontario.

(訳)インフルエンザの予防接種を受けた患者の割合は相当なものだったが、オンタリオの一般集団のワクチン接種率よりは低かった。

とあり、インフルエンザワクチンが入院を減らすことを示唆している*5。もともとこの論文の主題は、抗インフルエンザ薬の効果であって、ワクチンはあくまでデータの一つに過ぎない。ワクチンの効果は既知のものとして扱っている。

Other research clearly demonstrates that influenza vaccination is effective in preventing influenza and cost-saving to the health care system.

(訳)他の研究は、インフルエンザワクチンがインフルエンザを予防することに効果的で、健康管理システムのコストを抑えることを明らかに示した。

インフルエンザワクチンの効果については、無作為二重盲検法でも証明されている。ただし、入院や死亡を完全に防ぐわけではない。シートベルトが交通事故死を完全に防ぐことができないのと同じだ。「私たちはインフルエンザワクチンを打っていたのに、毎年学級閉鎖になった。私は毎年罹った」という経験でもってワクチンの効果に懐疑的になる人もいるようだ。ワクチンの接種率が高ければ高いほど、そういう経験をした人は増える。比較対照試験より経験を重視する人は、身近な人間がシートベルトをしていたのにも関わらず交通事故で亡くなったら、シートベルトの効果にも懐疑的になり、「シートベルトに害がある可能性も考慮すべきじゃないのか」などと言いはじめるのだろうか。願わくば、対照群との比較という観点を持てる人が増えますように。



関連記事

■ニセ科学を見抜く練習問題(「バイオラバー」応援サイトから)

■ニセ科学を見抜く練習問題(世界医学気功学会の論文集から)

*1:URL:http://miyatak.iza.ne.jp/blog/entry/1192887/allcmt/#C1276850

*2:「エビデンスとして紹介された論文と何が関係しているのかさっぱり」とのブクマコメントがあった。かの発言者が「これではワクチンに予防効果があるとは言えない」と結論付けた理由を推測するほうが難しい問題かもしれない

*3:URL:http://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku89/zikotoukei-date.pdf

*4:無作為割付介入試験などしようがないので、交絡因子の影響を完全に取り除くのは困難だが、それでもある程度は取り除ける方法はあるだろう

*5:入院のリスクが高い人がワクチンを接種する傾向があったとしたら、たとえ集団中の接種率と入院患者の接種率が変わらなくても、ワクチンに効果がないとは言えない

pikapika 2009/09/26 15:12 A.判断できる! ブー、不正解。 

>これではワクチンに予防効果があるとは言えない。

ニセ科学はほとんどのケースで、「○○は△△に効果があった」と肯定的にその有効性が謳われているので、「予防効果があるとは言えない。」との有効性に対する否定的な表現にコロッと騙されて、「判断できる!」と思ってしまいました。
まだまだ「対照群との比較」の修行が足りませんね。(笑)

とおりすがりとおりすがり 2009/09/27 13:54 「シートベルトは死亡を防がない」、ベルトをすると運転者が安全性が高まったと認識して無謀運転をしやすくなり、結果として事故が増えるという説があります。
がしかし、これはこの記事の内容とは別の話ですね。

pikapika 2009/09/27 18:23 あっ、いけない! 私、うっかりしてコメント欄に答えを書いてしまいましたね。
これでは、折角NATROMさんが「続きを読む」とした工夫も台無しですね。
すみません、配慮が足りなくて。
お手を煩わして申し訳ありませんが、このコメントも含めて、先のコメント↑を削除していただければと思います。ごめんなさいね。

NATROMNATROM 2009/09/28 08:50 コメント欄は目立たないので、答えが書いてあってもそれほど問題にならないと思います。気になさらないでください。

浅見真規浅見真規 2009/10/04 07:55 ワクチンの効果に関する練習問題ですが、全く別のブログの発言者(桜子さん)の御発言を非科学的と批判されてますが、桜子

さんに連絡されたのでしょうか?
もし仮に、万が一、桜子さんに連絡されてないとすれば、御本人に反論のできない場所で非科学的と批判されるのはフェアでな

いと思われます。

そこで、下記の日本の事例の場合で、昨シーズンの季節性インフルエンザ・ワクチン接種の効果について、いかが御考えか管理

人・NATROMさんに御回答を希望します。(職員のワクチン接種率に御注目願います。)

(MSN産経ニュース記事↓参照)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/090117/dst0901171908017-n1.htm
>病院で101人インフルエンザ感染 3人死亡、国内最大規模
>・・・・・(中略)・・・・・
>感染した患者77人のうち67人、職員24人のうち21人が
>インフルエンザのワクチンを接種していた。

浅見真規浅見真規 2009/10/04 14:16 上のコメントで紹介したMSN産経ニュース・1月17日付記事の「鶴川サナトリウム病院」の季節性インフルエンザ感染とワクチン接種の件ですが、あのニュースだけでは昨シーズンのワクチンの効果に言及するためのデータが不足してますので、鶴川サナトリウム病院HP
http://www.ims.gr.jp/turukawa/
があのニュース記事と同日付で発表しているPDFファイル「当院におけるインフルエンザ集団発生に関する件」↓も参考にしてください。
http://www.ims.gr.jp/turukawa/090117.pdf
>当院におけるインフルエンザ集団発生に関する件
>・・・・・(中略)・・・・・
>集団発生の状況については、1 月17 日までに入院患者様75 名が
>罹患致しました。インフルエンザワクチン未接種例は75 名中9 名でした。
>・・・・・(中略)・・・・・
>尚、病院職員につきましては1 月3 日の発生から連日数名ずつの発生が見られ、
>合計24 名罹患しましたが、現在終息していない者は4 名です。
>24 名中3 名がインフルエンザワクチン未接種でした。
>・・・・・(中略)・・・・・
>職員は335 人中307 人(91.6% )が接種しております。
>患者様は471 人中418 人(88.7% )が接種しております。

浅見真規浅見真規 2009/10/04 16:33 NATROM氏がブログ記事で非科学的と批判している桜子さんのカナダの病院での従来型インフルエンザ入院患者(多くは高齢者)でのワクチン接種比率のデータから「とても予防効果があると大きい声では言えません。」との結論を導いたのが非科学的で不当だとされてます。
たしかに、カナダでの同年齢のワクチン非接種者及び接種者の罹患率のデータがなければ比較できないのに結論を導いた事が非科学的なのはNATROM氏の御指摘のとおりです。
その点でNATROM氏が論理的に正しいのは認めます。

問題は、NATROM氏の記事の書き出しの「インフルエンザワクチンの効果に否定的な主張はよくあるが、これまでに見たことのないパターンのものを見つけた。」との表現から読者が「インフルエンザワクチンの効果を否定する全ての主張には誤りがある」と錯覚する危険がある事です。
この錯覚の危険性を説明するため、以下の「オレオレ詐欺」の仮想事例を引き合いに出します。(オレオレ詐欺のような低レベルの詐欺師の心理テクニックも、最高レベルの詐欺師がウソをつかずに心理的テクニックで相手にニセ科学の錯覚に陥れる高等技術に通じる点があるので、ニセ科学を見抜く練習問題として、御一読いただければ幸いです。)
*****
Yは暴力団組長が経営するヤミ金融から一年前に100万円借金したため、取立ての暴力団組員から明日までに元利合計300万円を払えと言われ、金が無いので払えないと答えたところ、「殺されたくなかったら300万円払え」と言われ、オレオレ詐欺を計画したと仮定します。そして、母親ほどの年齢の赤の他人の女性に電話して「オレだよ、オレ、ヤミ金で借金したので明日までに300万円払わないとヤクザに殺される。今から言う銀行口座に今すぐ300万円振り込んで。」と一方的に早口でまくし立て、息子からの電話と勘違いした赤の他人の女性から300万円振り込ませたと仮定します。その後逮捕されたYはウソをついていないので詐欺じゃないと主張したと仮定します。
まあ、この仮想事例のような場合に裁判でどういう結果になるか私は知りません。

この仮想事例で言いたいのは、嘘をつかなくても相手を錯覚させる事が可能だと言う事です。
尚、私は、NATROM氏にインフルエンザ・ワクチンの効果について読者を錯覚させる意図があったと決め付けてるわけではありません。たまたま、「鶴川サナトリウム病院」の事例を御存知なかったのかもしれませんから。しかし、「鶴川サナトリウム病院」の事例を御存知なくて読者を錯覚させる意図が無かったとしても、内科の医師のインフルエンザ・ワクチンの効果に関するコメントとしては御粗末のような気がします。(もし万が一、「鶴川サナトリウム病院」の事例を御存知で、サンプル数が少なすぎると開き直られるなら、なぜインフルエンザ・ワクチンの効果に関する重要な事例を隠してたのかと問いただしたくなります。)

NATROMNATROM 2009/10/05 10:15 >御本人に反論のできない場所で非科学的と批判されるのはフェアでない

コメント欄で容易に反論できますので、「本人に反論のできない場所」という指摘は的外れです。批判目的の引用に際して、批判対象者に連絡するかどうかはケースバイケースです。公開された場所で発言するならば、引用されることを許容すべきで、「本人に連絡なしで批判するな」という指摘も的外れです。

今回のエントリーに桜子さんの発言に言及したのは、桜子さんを批判することが目的ではなく、練習問題の題材です。別に連絡してもしなくてもどちらでもよかったのですが、桜子さん自身のブログや、URL先の桜子さんがコメントしたブログのコメント欄に書き込もうとすると、「コメントを書く場合はログインしてください」とあります。ちなみに私のブログは、はてなIDがなくても書き込める設定にしています(反論が容易にできるようにするためにノイズが入るというコストを許容しているのです)。さて、より容易に反論できるのはどちらでしょうか。


>昨シーズンの季節性インフルエンザ・ワクチン接種の効果について、いかが御考えか管理人・NATROMさんに御回答を希望します。

職員におけるワクチン接種者と非接種者での罹患率は、わずかに非接種者で多いですが、有意差はないでしょう。高率にワクチンを接種していても、施設内でのアウトブレイクを100%防ぐことはできない事例だと考えます。これほど大規模なものではないものならば、ときに見られるもので、別にインフルエンザワクチンの有効性についてのこれまでの知見と矛盾しないと考えます。なぜ、「インフルエンザ・ワクチンの効果に関する重要な事例」と浅見真規さんがお考えなのか、教えてください。シートベルトの有用性を考えるときに、シートベルトをしていた死亡事故の事例(バスが大事故に巻き込まれてシートベルトをしていた乗客も多数死んだ、という事例が喩えとして近いでしょう)を挙げて、「重要な事例を隠してたのかと問いただす」ようなものでしょうか。

インフルエンザワクチンの効果は"firmly established"とされています。もちろん、十分な研究によって覆されたり、特定の集団ではコストに見合うベネフィットがなかったりする可能性を否定するものではありませんが、一つや二つの事例でワクチンの効果についての知見が覆されることはありません。


>問題は、NATROM氏の記事の書き出しの「インフルエンザワクチンの効果に否定的な主張はよくあるが、これまでに見たことのないパターンのものを見つけた。」との表現から読者が「インフルエンザワクチンの効果を否定する全ての主張には誤りがある」と錯覚する危険がある事です。

「錯覚する危険がない」文章を書くことは不可能ですが、文章の解釈は文脈に依存します。このブログの主な読者は、かような錯覚はしないでしょう。標準的な日本語の能力を持っている人も錯覚しないと思います。仮に、インフルエンザワクチンの効果を全否定している人が集う掲示板があったとして、そのような掲示板に注釈なしに書き込んだとしたら、浅見真規さんの懸念も正当なものと言えるでしょう。「母親ほどの年齢の赤の他人の女性に電話」したY氏に相当するようなものだからです。しかし、ここの読者層から考えれば、浅見真規さんの懸念は杞憂ですし、「オレオレ詐欺に加担したY氏」の喩えも的外れです。

桜子桜子 2009/10/05 11:32 NATROMさま

おはようございます。桜子です。
桜子のイザ!ブログへのmasanori-asami(浅見真規)氏のコメントから、貴プログで取り上げていらっしゃることを知りました。

NATROMさまは宮田氏のイザ!ブログでの桜子のコメント誤解しておられます。
桜子の文章も悪いことは認めますが、コメントというのは、エントリーと違いまして、やりとりの一コマですから、その一部を取りだして、それを桜子の主張のように取り上げられても困ります。


> 上記要約引用した発言をした方は、「もしワクチンに予防効果があるのであれば、・・・(引用者 略)
−−−−−−−−−−−−−−−−−
桜子がコメントで申しましたことは、skyteam氏への反論です。
宮田氏のイザ!ブログで、新型インフルエンザワクチンの輸入は必要ないというエントリーに、skyteam氏は輸入ワクチンは必要だとコメントをしたのです。
skyteam氏は自称元勤務医ですから、桜子はそのコメントに不審を感じまして、季節性インフルエンザワクチンを有効だと考えているのかどうかを質問しました。
そうしましたら、skyteam氏は、自分がワクチン接種を受けていて、インフルエンザに罹らないので有効だと答えたのです。
小学生みたいな答でしたので、でも元勤務医と言っていますから、このときは恥を書かせるのも悪いと思いまして、それならばワクチン接種をしていても罹る人がいるのをどう説明なさるのですかと、ちょうど都合の良い論文(ここで取り上げておられるものす)がありましたので、それをつけました。

つまり、こういう論理ではワクチンの効果を判定することは出来ないでしょう、ということでコメント致しました。

つまり、ワクチンの有効性を論じることかは出来ないという例で申しましたことが、正反対に、ここでは、桜子がこの論理で有効性を否定したとうことになっているのです。

桜子桜子 2009/10/05 12:01 言い忘れです。
「とても予防効果があると大きい声では言えません」と申しましたのは、以下のビケンのインフルエンザHAワクチンの添付文書の成績からです。
http://di.mt-pharma.co.jp/file/dc/bif_a.pdf

通りすがり通りすがり 2009/10/05 12:58  桜子さまは上のリンクからは予防効果があると言えないんですね。
私にはどう見ても「予防効果がある」ように見えました。
おそらく、予防効果のある、なしの基準が私とは違うんでしょう。

 いっそのこと言い忘れてくれたままの方がよかったのに。
上のコメントで止めていれば、私はnatrom氏よりも桜子さんを支持したのに。

NATROMNATROM 2009/10/05 15:01 桜子さんへ

skyteamさんが、季節性インフルエンザワクチンの有効性の根拠について自分の経験だけしか出してなかったとしたら、桜子さんのご指摘は正しいです。しかし、skyteamさんは、自験例のほか、CDCや厚生労働省や国立感染症研究所の見解をも述べていまいた。季節性インフルエンザワクチンの有効性のような十分に確立された知見に関しては、元論文ではなく、レビューや公的機関の見解でも十分であろうと考えます。

そもそも、『桜子はskyteam氏がご存じないと思いましたものは、「エビデンス」として紹介しております』として、桜子さんはMcGeer(2007)を紹介していますが、まったく意味がわかりません。桜子さんは、いったいskyteamさんが何をご存じなかったとお考えなのでしょう?skyteamさんは臨床医ですから、ワクチン接種者もインフルエンザに罹ることもあることなど、わざわざ論文を挙げなくても知っていると思いますよ。

インフルエンザHAワクチンの添付文書については、私には、「とても予防効果があると大きい声では言えません」とする根拠が書かれているようには読めません。なので、桜子さんが根拠としたのは、きっとMcGeer(2007)なのだろうと勘違いしていました。申し訳ありませんでした。改めて、インフルエンザHAワクチンの添付文書のいったいどの部分から、「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論したのか、ご教示ください。健常男性については「ワクチンの有効率は80%」、施設・病院入所中の高齢者に対しては、「発病阻止効果は34〜55%、インフルエンザを契機とした死亡阻止効果は82%」とありますが?

インフルエンザ患者における高いワクチン接種割合からワクチンの有効性に疑問を持つのは、気をつけていないと陥りやすい誤りであろうと思います。そういうこともあって、このエントリーには「科学」タグをつけて、「トンデモ」タグはつけていません。しかし、ワクチンの添付文書から「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論するのは、どうでしょうか。

桜子桜子 2009/10/05 19:18 NATROM さま
こんばんは、桜子です。


> 季節性インフルエンザワクチンの有効性のような十分に確立された知見に関しては、元論文ではなく、レビューや公的機関の見解でも十分であろうと考えます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
確率された見解であることは誰でもが知っていることでしょう。
桜子はskyteam氏に、そういうことを踏まえながらの、ご自分の意見をお伺い致しました。出来る人だと思っておりましたから。
それを、彼は、自分だけの体験で効果があると答えましたが、これは茶化したのかも知れません。


> 桜子さんは、いったいskyteamさんが何をご存じなかったとお考えなのでしょう?skyteamさんは臨床医ですから、ワクチン接種者もインフルエンザに罹ることもあることなど、わざわざ論文を挙げなくても知っていると思いますよ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
もちろん、小学生でも知っていますよ。
以前は小学校で全員に強制としてインフルエンザワクチンの予防接種をしていましたから。

インフルエンザワクチン接種をしていた人がこんなにインフルエンザに罹っていたという、そういう話が書かれている論文ということで、添付しておいたと、それだけの話です。
伝聞では話になりませんでしょう。
コメント欄の応酬ですから、さっささっさと書いておりますので、言葉が足りなかったかも知れません。
私の周りでは、インフルエンザの予防注射をする人がいませんので、わからないのです。


「とても予防効果があると大きい声では言えません」と申しましたのは、NATROMさまご指摘のとおりのところです。


> ワクチンの添付文書から「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論するのは、どうでしょうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それは、ひとつの論文を読んでどう考えるかと、そういう話でしょう。
桜子はインフルエンザの予防接種をうけるつもりがありませんので、この論文の原文には当たっていません。
約40年前の論文を根拠にして、80%と書いているのですよ。
40年前に、誰かが、そういうデーターを出したと、その程度のことです。

1986年頃に、インフルエンザの予防接種を考える会でしたか、そういう団体がありまして、自発的に学校での接種を保護者がボイコットするようになったのです。
とうとう1994年に、法律を変更せざるを得なくなったのです。
発病阻止効果がほんとうに80%もあるのでしたら、それまでに良いデーターを出せるものでしたら出したでしょう。
1800万本の生産が30万本になってしまったのですから。
経済的な面でもたいへんなことです。
そして、ほとぼりがさめたころ、今度は老人を対象にしようと、そして、なんとか重症化を阻止するデーターは出すことが出来たと、そういう話でしょう。

小中学生はどうだったのでしょう、良い結果が得られれば、ものすごい稼ぎになるのですからね。やったのかもしれません。結果が都合良くなかっただけのことで。まあ、そんな感じに思っております。

なお、添付文書にかかれていることから、「とても予防効果があると大きい声では言えません」と申しましたが、「予防効果」とは俗にいう「感染予防効果」のつもりで書きました。
添付文書では「発病阻止効果」という言葉になっています。

桜子は「死亡阻止効果」(俗に「重症化阻止」)については言及しておりません。
ただし、国立予防研究所のどなたかが、インフルエンザ脳炎に関してのデーターがワクチン接種の有無で差がみられないと書いておられましたから、重症化の予防も怪しいかもしれないと、その程度に思っております。


なお、skyteam氏は、もしかしますと桜子の考えに近いかも知れません。
何回も訊ねましたが、自分の考えは言いませんから。
skyteam氏が報道記事から引用していた識者もそうです。
自分の考えとしては言いません。
1人だけが、インフルエンザワクチンのことは、CDCでしたかWHOでしたか、そこも認めていることで、国際的にも認められていることなんだから、とそういう言い方でした。記憶では。

だいたい、効果があるかどうかという話が出るということ自体がおかしいのではないでしょうか。(o ̄∇ ̄)o

■インフルエンザに関しましては、桜子は、運動・睡眠・休養・栄養・ストレスの解消に気をっけまして、自然感染しまして、質の良い免疫を獲得したいと思います。
今回の2009H1N1に対しましては、53歳以降の人には過去のH1N1罹患のため、何らかの免疫があるのですから。

berobero 2009/10/05 19:18 この手の話だと、「交通事故は赤信号より青信号での横断中が多い」てのがあります。

NATROMNATROM 2009/10/05 20:29 >桜子はskyteam氏に、そういうことを踏まえながらの、ご自分の意見をお伺い致しました。出来る人だと思っておりましたから。
>それを、彼は、自分だけの体験で効果があると答えましたが、これは茶化したのかも知れません。

skyteamさんは、コメント欄の応酬ですから、さっささっさと書いちゃったんでしょう。私もよく経験することではありますが、気軽に疑問を発することは楽チンでも、きちんと答えるのはたいへんなのです。だから、「レビューや公的機関の見解でも十分」なのです。


>それは、ひとつの論文を読んでどう考えるかと、そういう話でしょう。

そういう話ではありません。予防効果がないとするひとつの論文から、「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論するのは、まだ理解できます。私が理解できないのは、予防効果があるとする添付文書から、「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論することです。


>約40年前の論文を根拠にして、80%と書いているのですよ。
>40年前に、誰かが、そういうデーターを出したと、その程度のことです。

他にも、いっぱいいいっぱいデータがあるとはお考えにならなかったのでしょうか。桜子さん自身が持ち出したMcGeer(2007)にも書いてありますよ。McGeer(2007)も読んでいないでしょ?


>発病阻止効果がほんとうに80%もあるのでしたら、それまでに良いデーターを出せるものでしたら出したでしょう。

80%はできすぎですが、一定の発病阻止効果はあるでしょう。私は、法律を変更せざるを得なくなったのは、マスコミ報道を中心とした不適切なキャンペーンが原因ではないかと考えています。桜子さんが、「データがあったのにも関わらず法律が変更された」と考えず、「良いデータを出せなかった」と考えた理由はなんですか?(「気軽に疑問を発することは楽チンでも、きちんと答えるのはたいへんなのです」。それとも、桜子さんは疑問に思うだけで、私が「データ」を探してこなきゃならないのでしょうか。探せばあるはずですが)


>そして、ほとぼりがさめたころ、今度は老人を対象にしようと、そして、なんとか重症化を阻止するデーターは出すことが出来たと、そういう話でしょう。

それは根拠のある話ですか?それとも桜子さんの主観的な考えに過ぎないものですか?


>小中学生はどうだったのでしょう、良い結果が得られれば、ものすごい稼ぎになるのですからね。やったのかもしれません。結果が都合良くなかっただけのことで。まあ、そんな感じに思っております。
>ただし、国立予防研究所のどなたかが、インフルエンザ脳炎に関してのデーターがワクチン接種の有無で差がみられないと書いておられましたから、重症化の予防も怪しいかもしれないと、その程度に思っております。

ソースをお願いします。これも、そちらがきちんとソースを出さないといけない話なのですが、たまたま調査済みだったので、この件に関してはきちんと答えましょう。日本におけるインフルエンザワクチン接種中止は、いわば大規模な疫学実験となっています。ワクチン接種率が低下していた期間は、小児のインフルエンザによる死亡は多かったのです。Ono S et.al. Effect of mass immunization against influenza encephalopathy on mortality rates in children., Pediatr Int. 2003 Dec;45(6):680-7.(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14651541)には、

>CONCLUSION: The results of the present study suggest that mass immunization of school-aged children reduced the mortality rate from influenza-associated acute encephalopathy/encephalitis in children less than 9 years of age.

とあります。これはこれで解釈の幅ある結果なのですが、少なくともこうした研究結果も踏まえた上で、桜子さんは「重症化の予防も怪しいかもしれない」とお考えなのでしょうか?それとも、調べる努力を怠って疑問を発しているだけなのでしょうか。


>だいたい、効果があるかどうかという話が出るということ自体がおかしいのではないでしょうか。(o ̄∇ ̄)o

まったくその通りです。「進化論は間違っていて創造論が正しい」という話がでるということ自体がおかしいのと同様です。創造論者も、反論につまると、「そもそも進化論が間違っているかもという話が出ること自体がおかしい」と言い始めます。まともな科学リテラシーを持った人は、インフルエンザワクチンの効果自体はを疑わないでしょう。桜子さんが持ち出した論文にも、"Other research clearly demonstrates that influenza vaccination is effective in preventing influenza and cost-saving to the health care system."とあるように。"clearly demonstrates"ですよ。問題は、ワクチンに効果があるかどうかではなく、どのような集団に打つのがいいかなのです。

逆に桜子さんに質問です。桜子さんは、「ひとくちにワクチンと言いましても、インフルエンザワクチンのように有効性がはっきりしていないものから、麻疹のワクチンのようにかなり効果のあるものまで、いろいろです」とおっしゃっておられますが、

1. インフルエンザワクチンの有効性がはっきりしていないのなら、CDCやWHOをはじめとした公的機関がワクチン接種を勧めるのはなぜですか?
2. 麻疹ワクチンについても「効果があるかどうか」という話もいくらでもありますが、なぜ桜子さんは、麻疹のワクチンは「かなり効果のある」とお考えなのでしょうか?

ちなみに、私は、1.「ワクチンの有効性は確立されているから」、2.「科学リテラシーのない人がそういっているだけ」と考えます。

桜子桜子 2009/10/05 23:37 NATROMさま

こんばんは、桜子です。


> 私が理解できないのは、予防効果があるとする添付文書から、「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論することです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
添付文書は効果があるということを書くものですから、その分を割り引いて考えているということでしょうか。
もともとインフルエンザの予防注射は受けないという考えでおりますので、添付文書はそのときに流し読みを致しました。


> 他にも、いっぱいいいっぱいデータがあるとはお考えにならなかったのでしょうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
データーはたくさんあるとは思いますが、良いものでしたら添付文書に掲載すると思っています。


> 桜子さん自身が持ち出したMcGeer(2007)にも書いてありますよ。McGeer(2007)も読んでいないでしょ?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
読んでないと思います。
英語は基本的には出来ませんし、そのころにあちらこちらのものを飛ばし飛ばし読みましたので、覚えておりません。
でも、添付文書に掲載していないもので、感染予防効果のデーターとして、まともとされるものが、存在していることは、みておりませんが、知っております。


> マスコミ報道を中心とした不適切なキャンペーンが原因ではないかと考えています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
それは存じません。


> 桜子さんが、「データがあったのにも関わらず法律が変更された」と考えず、「良いデータを出せなかった」と考えた理由はなんですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ものすごいお金の絡むことですから良いデーターがあれば、製薬会社側も医師会側も、法律を変えたくないと考えるだろうと思うからです。


> それは根拠のある話ですか?それとも桜子さんの主観的な考えに過ぎないものですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
主観的な考えです。
日本では健康な子どもに強制的に接種をしていて、心臓病の持病のある子どもは飛ばされていて、高齢者も殆ど受けていなかったようです。
アメリカではインフルエンザに罹って死亡するリスクの高い人に接種していたそうなので、日本もその真似をしたのかも知れません。


> Ono S et.al. Effect of mass immunization against influenza encephalopathy on mortality rates in children., Pediatr Int. 2003 Dec;45(6):680-7.(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14651541)には、
とあります。これはこれで解釈の幅ある結果なのですが、少なくともこうした研究結果も踏まえた上で、桜子さんは「重症化の予防も怪しいかもしれない」とお考えなのでしょうか?それとも、調べる努力を怠って疑問を発しているだけなのでしょうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この論文は読んでおりませんでした。
飛ばし読みを致しましたが、よく理解できません。
インフルエンザ死亡数のグラフ
http://img07.pics.livedoor.com/010/a/4/a4ce1db9954557360052-L.gif
をみますと、子どもたちが接種を拒否していたころの10年間くらいが、死亡数が少ないのです。
インフルエンザ脳炎の話は以下です。やっと見つけなおしました。(o ̄∇ ̄)o
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAdoc04.html#q34


> 「進化論は間違っていて創造論が正しい」という話がでるということ自体がおかしいのと同様です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
同じとは思いません。
薬の場合、たとえば鎮痛剤とかピルとか、あるときに効かなくても、その薬の有効性が問題にはなりませんでしょう。


> 問題は、ワクチンに効果があるかどうかではなく、どのような集団に打つのがいいかなのです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
おっしゃる通りだと思います。
桜子はワクチン接種よりも自然感染して免疫を得ることを選択したいということです。


> 1. インフルエンザワクチンの有効性がはっきりしていないのなら、CDCやWHOをはじめとした公的機関がワクチン接種を勧めるのはなぜですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
一応の客観的なデーターが揃っているからではないでしょうか。
ですから、公的機関はインフルエンザワクチンを勧めないわけにはいきませんでしょう。
最近、VHOが熱心な感じがしますので、ワクチンが余ってしまうと考えていて、途上国に恩着せがましく廻そうと・・・どうしてなのかわかりません。
軽症で自然治癒するというのに、どうしてこれほど熱心に接種を勧めるのか、わかりません。


> 2. 麻疹ワクチンについても「効果があるかどうか」という話もいくらでもありますが、なぜ桜子さんは、麻疹のワクチンは「かなり効果のある」とお考えなのでしょうか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実際に受けた子どもの多くが、10年か20年間位は麻疹にはかかっていないからです。効果があるというだけことで、母乳でしっかりと育てた子どもには、打たないという選択肢もあると思います。


> 1.「ワクチンの有効性は確立されているから」、
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
現時点での話です。
将来は違うデーターが出るかも知れません。


> 2.「科学リテラシーのない人がそういっているだけ」と考えます
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この意味はわかりません。

通りすがり通りすがり 2009/10/05 23:50 >桜子様

>ワクチン接種よりも自然感染して免疫を得ることを選択

 ごくまれに(少なくとも、ワクチンの副作用よりは高い確率で)
亡くなってしまうことがあるんですけど、そこんとこ大丈夫でしょうか?
もし、私の友人がこんなこと言い出したら、絶対に止めますね。

luckdragon2009luckdragon2009 2009/10/05 23:54 うーむ。
既に内容を追えなくなってるので、一言だけ。
一見、医者に見えないコメントでも、明らかに医者なことはよくあります。
というか、本人(医者)が書いたコメントを、医者とは思えません、と書かれてめげている風景を隣でみたことがあるので、一言。(人間はかくも認知に疎いのだ...。現役の内科医さんでした....)

att460att460 2009/10/06 00:20 厚生労働省のサイトで、1994年の法改正について、少し触れられています。

http://www.nih.go.jp/niid/topics/influenza01.html

学童への集団接種により社会へのインフルエンザの蔓延を防ぐという集団主義から、感染防止は自己責任という個人主義への変更が主な理由のようですね。

#お役人様も、マスコミに叩かれながらも正義を貫こうとする
#強い意志は無いでしょうから...

NATROMNATROM 2009/10/06 01:15 >添付文書は効果があるということを書くものですから、その分を割り引いて考えているということでしょうか。

「ワクチンの有効率は80%」を割り引いて、何%ぐらいが事実だとお考えですか?「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」というからには、0%が事実だとお考えですか?割り引くとしても、添付文書から「とても予防効果があると大きい声では言えません」という結論を導くのは、かなり無理があると思いますが。


>もともとインフルエンザの予防注射は受けないという考えでおりますので、添付文書はそのときに流し読みを致しました。

つまり情報を収集して予防注射を受けるかどうかを判断したわけではなく、はじめから考えは固まっていたのですね。結論ありきだったのですね。


>データーはたくさんあるとは思いますが、良いものでしたら添付文書に掲載すると思っています。

私は基本的に添付文書のアップデートは必要なときにしかしない(新しい副作用が報告された、効果効能が追加になったときなど)と思っておりました。効果効能は変わらないのに、単に良いデータが出たからという理由だけで添付文書が改定になった例を私は知りません。桜子さんは、そういう例をご存じなのしょうか?それとも、添付文書の改定についてよく知らないのに、「40年前に、誰かが、そういうデーターを出したと、その程度のこと」と思いこまれたのでしょうか?


>でも、添付文書に掲載していないもので、感染予防効果のデーターとして、まともとされるものが、存在していることは、みておりませんが、知っております。

まともな感染予防データが存在していることを知っているのに、「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」とされた理由は何ですか?


>ものすごいお金の絡むことですから良いデーターがあれば、製薬会社側も医師会側も、法律を変えたくないと考えるだろうと思うからです。

「ものすごいお金の絡む」とした根拠は何ですか?反対を無理に押し切ってワクチン接種を続けたところで、因果関係が不明であっても副作用でも起こしたときには責任を追及されます。インフルエンザワクチンがさほど儲からない事業であれば、そういうリスクを冒さずに撤退することだってあるでしょうに。


>日本では健康な子どもに強制的に接種をしていて、心臓病の持病のある子どもは飛ばされていて、高齢者も殆ど受けていなかったようです。

集団防衛が目的でしたからね。医学的な効果は別にしても、強制的な集団接種の是非を問うのは意味があることでしょう。いずれにしろ、「ほとぼりがさめたころ」「なんとか重症化を阻止するデーターは出すことが出来た」というのが桜子さんの主観に過ぎないことを確認できて何よりです。


>飛ばし読みを致しましたが、よく理解できません。

結論を言いますと、学童集団接種は9歳以下のインフルエンザによる脳症による死亡を減らすという話です。


>インフルエンザ死亡数のグラフ
>http://img07.pics.livedoor.com/010/a/4/a4ce1db9954557360052-L.gif

グラフの出典はどこですか?死亡者の推移とありますが、対象は日本人全体ですか?学童ですか?(人数から言えば日本人全体か?)「子どもたちが接種を拒否していたころの10年間くらい」って、具体的に何年から何年までのことを指していますか?

「学童へのインフルエンザワクチン接種は,高齢者をインフルエンザから守り,インフルエンザによる死亡を減少させる」というデータはあります。Reichert TA et.al, The Japanese experience with vaccinating schoolchildren against influenza., N Engl J Med. 2001 Mar 22;344(12):889-96. 日本語訳があるのでリンクしておきます。

日本におけるインフルエンザワクチン学童接種の経験
http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/344/344mar/xf3440889.htm


>インフルエンザ脳炎の話は以下です

nが小さいから現時点で明確な結論を出すことはできない、理論的にはインフルエンザ脳症の発症リスクは回避あるいは軽減される、とちゃんと書いてありますね。「重症化の予防も怪しいかもしれない」などと誤解されないような配慮を、桜子さんは無駄にしてしまいましたね。


>同じとは思いません。
>薬の場合、たとえば鎮痛剤とかピルとか、あるときに効かなくても、その薬の有効性が問題にはなりませんでしょう。

薬についても、ほとんどあらゆる薬に対して疑問を呈している団体はありますが。あらゆるワクチンを否定している主張もあります。まともな科学リテラシーを持った人ならば、そのような主張には耳を傾けないでしょう。インフルエンザワクチンの有効性があやしいとしたら、そのことを指摘しない公的機関が無いのはなぜですか?


>桜子はワクチン接種よりも自然感染して免疫を得ることを選択したいということです。

それは桜子さんのどうぞ自由にされてください。それはそれとして、添付文書から「とても予防効果があると大きい声では言えません」と結論づけるのは誤りだし、「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」というのも誤りです。


>一応の客観的なデーターが揃っているからではないでしょうか。

一応の客観的なデーターが揃っているのに、なぜ桜子さんは、「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」と判断されたのですか。そもそも、その客観的なデータには目を通されたのでしょうか。目を通されていないのに、「一応の」なんて評価はできないでしょう。


>軽症で自然治癒するというのに、どうしてこれほど熱心に接種を勧めるのか、わかりません。

ああ、もうこの一文だけで、いかに桜子さんがインフルエンザに関して無知であるのかわかります。軽症で自然治癒するのなら、ご自分が持ち出した「インフルエンザ死亡数のグラフ」はなんなんでしょうか。ご自分で矛盾しているのがお分かりになりませんか。麻疹だって、たいていの場合は自然治癒しますよ。麻疹ワクチンも不要ですか(母乳なら不要とか言いだしそうで怖い。ていうか言っている)。


>実際に受けた子どもの多くが、10年か20年間位は麻疹にはかかっていないからです。

インフルエンザワクチンについても、実際に受けた人の方が感染や死亡が少ないですよ。なのに、麻疹ワクチンは効果はあるとするのに、インフルエンザワクチンは有効性がはっきりしていないとするのは矛盾しています。


>現時点での話です。
>将来は違うデーターが出るかも知れません。

つまり、現時点ではインフルエンザワクチンの有効性は確立されているとお認めになるわけですか?「将来は違うデータが出るかも知れません」というのは、あらゆる科学的知見について言えることです。麻疹ワクチンの効果についても、「将来は違うデータが出るかも知れません」よ。


> この意味はわかりません。

「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」などという人は科学のことを理解していないという意味です。

桜子桜子 2009/10/06 20:23 通りすがり さま

こんばんは、桜子です。
ご心配下さいまして、ありがとうございます。

感染症に対しまして、ワクチンや抗生物質はありがたいものだとは思っております。
睡眠・栄養・適度な運動・ストレス少なく、検査はしていませんが持病もなさそうな桜子にとって、インフルエンザにかかって死ぬ確率は、どれくらいなのか、ということを考えたいと思います。
病気は他にもたくさんありますし、病気以外の危険もありましょう。
桜子はインフルエンザ程度の病気は、自分の免疫を信じたいのです。
何がほんとうの敵なのか、それを自分の免疫系に教えてトレーニングさせることが大切ではないでしょうか。敵と戦って勝ち取ったものはワクチンで得たものよりもすぐれていると思います。
もちろん、こちらが負けそうに場合は、抗生物質に頼らざるを得ないでしょう。

e10goe10go 2009/10/06 22:25 >桜子はインフルエンザ程度の病気は、自分の免疫を信じたいのです。
>何がほんとうの敵なのか、それを自分の免疫系に教えてトレーニングさせることが大切ではないでしょうか。敵と戦って勝ち取ったものはワクチンで得たものよりもすぐれていると思います。

インフルエンザを発症して治っても、次の年に罹患したのと型の違うインフルエンザが流行れば獲得した免疫では発症を防げないでしょう。
同じ型でもA型インフルエンザは今回の新型が発生した様に変異を起こし易く、変異して数年後に流行れば以前に獲得した免疫では役に立たないでしょうね。
何せ、ウイルスは変異を起こし易いですから。
http://www2.starcat.ne.jp/~kanocl/adult/influenza.htm#7

luckdragon2009luckdragon2009 2009/10/06 22:50 なぜ検査をしないで持病もなさそう、という結論になるのかよく分かりませんね。
心理学の問題とかでよく出てくる例として「交通事故を起こす人は大部分が今まで事故を起こさなかった人です」というのがあります。この意味をじっくり考えてみると、自らの心理の問題点がみえてくると思うのですが。(ギロビッチのあの本は一般の人が読むには難しすぎるのかも、私は面白かったが...。)

浅見真規浅見真規 2009/10/06 23:25 NATROMさん、

いくら真実を述べた言論でも公共性・公益性がなければ名誉毀損になる場合があるというのは御存知でしょうか?
もし、御存知でなければ刑法・第二百三十条、第二百三十条の二を御覧下さい。ただし、この件の場合はブログ記事に桜子さんの名前が表面に出ていないので、たとえ告訴されても起訴される可能性は低いと思います。
しかし、桜子さんは政治家でも有名芸能人でも医学の専門家でも評論家でもインフルエンザ・ワクチン反対運動の代表的人物でもなく、また、練習問題の題材にされたコメントも第三者のブログでのコメントのやりとりでのものです。このブログで「ニセ科学を見抜く練習問題シリーズ」の練習問題にすべき公共性があったとは思えません。
また、桜子さんのカナダの病院でのデータのコメントは非科学的ではあっても「ニセ科学」ではないので不当な批判行為で、NATROMさんのこのブログ記事の「ニセ科学」とした部分は真実とは言い難いものです。さらに、NATROMさんは医師としてはアルファ・ブロガー的な存在みたいで読者も多いので桜子さんにとってはダメージが大きいと思います。しかも、正面きって批判されるよりも自分のコメントが知らないうちに「ニセ科学を見抜く練習問題」の題材にされてしまうというのは気付いたときには心理的ダメージが大きいと思います。

さて、今度は著作権法の観点から考察しましょう。NATROMさんは「引用」なので問題がないとお考えのようですが、実は、著者の承諾なしに認められる「引用」は著作権法・第三十二条で「公正な慣行に合致する」必要がある事が規定されてるので無条件に引用できるわけではありません。
つまり、いくら起訴されない程度の軽微な名誉毀損でも引用行為自体が名誉毀損になる場合は「公正な慣行に合致する」とは言えません。
また、引用の必然性がある場合しか「引用」は認められません。桜子さんのワクチンに関するコメントを「ニセ科学を見抜く練習問題」の題材にすべき必然性についてNATROMさんに立証責任がありますが、ワクチンを題材にせずとも、シートベルトの問題をわかりやすく解説すれば、桜子さんのワクチンに関するコメントまで練習問題にする必要性は低いでしょう。なぜなら、NATROMさんの弁によれば、「このブログの主な読者」は高い知的能力・批判力を持っておられるはずだからです。
どうしてもインフルエンザ・ワクチンについて「ニセ科学を見抜く練習問題」を造りたければワクチン研究者の学術的発表や製薬会社の発表を批判されれば良いでしょう。探せば、反対派にしろ賛成派にしろ研究者や製薬会社による怪しげな発表があると思います。ちなみに、このブログ記事の書かれた後ですが、つい先日もニュース記事を見る限りでは、研究者による怪しげな実験の発表があったようです。どこが非科学的か考えてください。

Medical News Today記事↓参照
http://www.medicalnewstoday.com/articles/166102.php

また、日本のインフルエンザの予防接種は不活性化ワクチンの皮下接種のため、血中抗体の上昇しか期待できず粘膜免疫が期待できないので、交差免疫獲得されにくく、予想からわずかに変異しても効果が低くなり、ワクチン製造時の予想がはずれた年は効果が低いのは御存知の事と思います。
年度によって効果が違うワクチンの有効性に関して2009年改訂の添付文書に「鶴川サナトリウム病院」でワクチン接種者の大量院内感染があった昨シーズンのデータでなく前世紀のデータが添付されてる事こそ「ニセ科学を見抜く練習問題」の題材にふさわしいと思われます。
(田辺三菱製薬HP・インフルエンザHAワクチン「ビケンHA」添付文書↓参照)
http://di.mt-pharma.co.jp/file/dc/bif_a.pdf
尚、[タケダHP・インフルエンザHAワクチン「生研」添付文書]、[北里薬品産業株式会社・インフルエンザHA ワ クチン「S 北研」添付文書]、[アステラス製薬HP・インフルエンザHAワクチン“化血研”TF添付文書]も同じデータ使用。
****
日本の場合はこのようなささいな事は訴訟にならずに被害者が泣き寝入りするケースがほとんどです。しかし、NATROMさんに良識があれば自発的に善処されるべきです。
そこで、私は、仕切りなおしに「ニセ科学を見抜く練習問題」としてでなく医学問題の新規記事として(今シーズン用のワクチンの添付文書の問題も含めて)「鶴川サナトリウム病院」の件と季節性ワクチンの効果の記事を造られる事を提案します。
なぜなら、このブログは練習問題の題材にされた桜子さんのコメントのあった宮田記者のブログと違ってIDの登録なしにコメントできますが、「コメント欄は目立たない」からです。
尚、桜子さんのコメントのカナダの病院の場合は、おそらくインフルエンザ発症してインフルエンザの治療のために入院したケースであって、カナダの接種率(特に病院周辺地域の高齢者の接種率)がわからねば統計的考察ができないのはNATROMさんの「この場合は、大雑把には、対照となった病院の医療圏の成人集団が対照となる」との御指摘のとおりだと私も推測します。そして、この場合は対照群が病院の医療圏というあいまいな範囲であってカナダ人医師でも正確な接種率の把握は困難かもしれません。

しかし、逆に「鶴川サナトリウム病院の季節性インフルエンザ感染とワクチン接種の件」は認知症関連の患者を主体とする病院での「院内感染」によるものです。インフルエンザ発症者の新規入院は受け入れないはずだからです。この場合は入院患者についての対照群はすでに示した鶴川サナトリウム病院HPの「当院におけるインフルエンザ集団発生に関する件」に示されたデータからわかります。職員の対照群もわかります。(もちろん、より詳細な学術発表用の考察のためには病棟ごとのデータが必要ですが、上記のデータだけでも「病院の医療圏」などというあいまいな対照群の範囲ではありません。なぜ、鶴川サナトリウム病院のデータが今シーズン用の季節性ワクチンの添付文書に記載されないのか不思議です。)

桜子桜子 2009/10/06 23:29 att460 さま

こんばんは、桜子です。
ご紹介ありがとうございます。

> 学童への集団接種により社会へのインフルエンザの蔓延を防ぐという集団主義から、感染防止は自己責任という個人主義への変更が主な理由のようですね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
いかにもお役所的ですね。
聞いた話ですなどを思い出して申しますと、中野区だったかも知れませんが、どこかの区で、保健所が医師に出動をしてもらって接種をやっていましたようで、接種者がとどんどん少なくなって、インフルエンザの予防接種による収入では出動手当が支払えなくなり、どこかから補ったのです。そうしましたら、不当な支出だと訴えられたのか、とにかく新聞沙汰になっていました。
強制で、罰則(罰金ではなく過料)もありますのに、みんなが受けないのですから、予防接種法を変えないわけにはいきませんでしょう。

桜子桜子 2009/10/07 00:48 NATROM さま

こんばんは、桜子です。


> 「ワクチンの有効率は80%」を割り引いて、何%ぐらいが事実だとお考えですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この論文は40年前と古いので無視しました。


> 「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」というからには、0%が事実だとお考えですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
確かに、この文章は誇張がありますので、どういう文言が桜子の言いたいことにふさわしいのか、考えております。後日、訂正するつもりでおります。


> 添付文書から「とても予防効果があると大きい声では言えません」という結論を導くのは、かなり無理があると思いますが。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
先にも申しましたが、そこで申しました「予防効果」とは「発病阻止効果」の意味です。感染予防といわれているものです。
添付文書の「発病阻止効果は34〜55%」で34%をとりました。
適当に計算しまして、その時は30% で致しました。
未接種者100人が感染して、発病する人を50人としますと、接種者100人では35人が発病する話になりますよね。違っているかも知れませんが、そのように計算しました。
つまり、100人感染して、接種していると、15人がワクチン接種の恩恵をうけたと、そういう話になりますね。
それで「大きい声では言えません」と申しました。


> つまり情報を収集して予防注射を受けるかどうかを判断したわけではなく、はじめから考えは固まっていたのですね。結論ありきだったのですね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
skyteam氏とのやりとりで、情報を多少は集めましたが、その前から知っていたことは以下のことです。
インフルエンザの予防接種では、死ぬことがあること。
高貴な方の主治医の先生に高貴な方はなさるのかどうかを聞きましたところ、とんでもないというような雰囲気だったこと(最近の話ではありません)。
インフルエンザ脳炎に罹った保育園児が予防接種を受けていたこと(数年前のこと)。


> 私は基本的に添付文書のアップデートは必要なときにしかしない(新しい副作用が報告された、効果効能が追加になったときなど)と思っておりました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私もそう思っております。


> 効果効能は変わらないのに、単に良いデータが出たからという理由だけで添付文書が改定になった例を私は知りません。桜子さんは、そういう例をご存じなのしょうか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
桜子も存じません。


> それとも、添付文書の改定についてよく知らないのに、「40年前に、誰かが、そういうデーターを出したと、その程度のこと」と思いこまれたのでしょうか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
小学生や中学性に対するインフルエンザの予防接種が定期予防接種からはずされたのですから、これはかなりの損失になりますから、新しい良いデーターは欲しいのではないでしょうか。
それを40年前のものにしていますから、「その程度のこと」としました。


> 「ものすごいお金の絡む」とした根拠は何ですか?反対を無理に押し切ってワクチン接種を続けたところで、因果関係が不明であっても副作用でも起こしたときには責任を追及されます。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
定期予防接種でしたから、国の責任ではないでしょうか。



>>http://img07.pics.livedoor.com/010/a/4/a4ce1db9954557360052-L.gif

> グラフの出典はどこですか?死亡者の推移とありますが、対象は日本人全体ですか?学童ですか?(人数から言えば日本人全体か?)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
skyteam氏が紹介していたものですが、元は
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1955.html
です。


> 「子どもたちが接種を拒否していたころの10年間くらい」って、具体的に何年から何年までのことを指していますか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少なくとも1986年か1987年頃から1994年の予防接種法が改正されるまでです。


> 「学童へのインフルエンザワクチン接種は,高齢者をインフルエンザから守り,インフルエンザによる死亡を減少させる」というデータはあります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ご紹介ありがとうございます。
そういうことがあるかもしれませんし、他の要素があるのかもしれませんし、とうことでしょうか。桜子には判断できません。

桜子桜子 2009/10/07 02:10 承前

> nが小さいから現時点で明確な結論を出すことはできない、理論的にはインフルエンザ脳症の発症リスクは回避あるいは軽減される、とちゃんと書いてありますね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
◆「これまでの調査では、インフルエンザ脳症を発症した事例の間で、ワクチン接種の有無について有意な差は無く、インフルエンザワクチンの接種によるインフルエンザ脳症の予防、インフルエンザ脳症の重症化の予防について、明らかな証拠は見いだされていません」
の部分を重視しました。

◆「インフルエンザワクチンの接種により、インフルエンザの発症が防げるのであれば、理論的には・・・」
条件付きのところを重視しました。

◆「ワクチン接種が発症者の症状の軽減に寄与するならば、インフルエンザ脳症発生の・・・・の意見もあります。」
条件付きのところと「意見もあります」を重視しました。



> インフルエンザワクチンの有効性があやしいとしたら、そのことを指摘しない公的機関が無いのはなぜですか?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
インフルエンザワクチンが必要だからだと思います。
生物テロなどに備えて、ワクチン産業がある程度の分量をいつも生産できるようにしておくということは、自国を護るために重要なことだと思います。
インフルエンザワクチンは同じ人が毎年毎年受けるわけですから、麻疹のように1回きりとはちがいます。
インフルエンザワクチンの副作用は、他のいろいろなことから比較しますとたいしたリスクではありません。
今のインフルエンザワクチンは,型があってないときは効かないみたいな言い方をしますが、型が合ってたときと合ってなかったときとか、どうなっているのか、桜子にはわかりませんが、インフルエンザを予防するためとして、つくっているものが、適切ではないのではないかと思います。
そういうことを研究するにも、必要でしょう。


> 一応の客観的なデーターが揃っているのに、なぜ桜子さんは、「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」と判断されたのですか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
先にも申しましたが、「はっきりしていない」の文言は後日訂正するつもりです。


> そもそも、その客観的なデータには目を通されたのでしょうか。目を通されていないのに、「一応の」なんて評価はできないでしょう。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
WHOやCDCが勧めているからです。
きちんとしたデーターが揃っていませんと、そういうことはいわないでしょうから。


> 軽症で自然治癒するのなら、ご自分が持ち出した「インフルエンザ死亡数のグラフ」はなんなんでしょうか。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
これは、新型インフルエンザについて申しました。
「殆どの場合、軽症で自然治癒する」というのはWHOと厚労省の言い方をあわせたものです。


> 麻疹だって、たいていの場合は自然治癒しますよ。麻疹ワクチンも不要ですか(母乳なら不要とか言いだしそうで怖い。ていうか言っている)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
不要とまでは申しませんが、接種しない選択肢も考えます。
予防接種ですと出産したときに、赤ちゃんに十分な抗体が届いていませんでしょう。
そうしますと、新生児がもし麻疹に罹りますと危険です。
それを防ぐ爲に赤ちゃんに予防接種をすると、そんなふうに免疫系をいじって、将来、だいじょうぶなのかと、そういう不安があります。

桜子桜子 2009/10/07 02:29 e10go さま

こんばんは、桜子です。


> インフルエンザを発症して治っても、次の年に罹患したのと型の違うインフルエンザが流行れば獲得した免疫では発症を防げないでしょう。
> 同じ型でもA型インフルエンザは今回の新型が発生した様に変異を起こし易く、変異して数年後に流行れば以前に獲得した免疫では役に立たないでしょうね。
何せ、ウイルスは変異を起こし易いですから。
----------------------------------------------------------
今回の新型インフルエンザに高齢者が罹りませんでしょう。
こういう免疫が得られればということです。


> http://www2.starcat.ne.jp/~kanocl/adult/influenza.htm#7
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ちらっとしかみていませんが、とても素敵なホームページをご紹介下さいましてありがとうございます。
インフルエンザにつきましてはとても分かりやすく思います。

桜子桜子 2009/10/07 02:35 luckdragon2009 さま

こんばんは、桜子です。

> なぜ検査をしないで持病もなさそう、という結論になるのかよく分かりませんね。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
そういえば、そうですね。(o ̄∇ ̄)o
見たところ、健康そう、というくらいの意味です。

NATROMNATROM 2009/10/07 18:50 浅見真規さんは、当初、「桜子さんに連絡せずに批判的に言及するのはアンフェアだ」とは指摘されていましたが、名誉毀損という指摘はありませんでした。連絡していたら名誉毀損に該当しなかったんですか?それとも「本人に連絡なしで批判するなという指摘は的外れ」という主張に浅見真規さんが反論できなかったせいでしょうか。

さて、公共性・公益性についてですが、対照群との比較の重要性を知らしめるという点において、当エントリーは公共性があると思います。「シートベルトの問題をわかりやすく解説すれば、桜子さんのワクチンに関するコメントまで練習問題にする必要性は低い」という浅見真規さんの指摘は的外れです。ワクチン問題では誤謬に気づかなくても、シートベルト問題ならば気づくという人もいるであろうからです。ワクチン問題の引用で、桜子さんの名誉が毀損されたかのように浅見さんはおっしゃいますが、私は発言の内容のみを問題にして、桜子さんの人格には言及しておりません。桜子さんが訂正するなり、反論するなりすればいいだけです。

政治家の発言であろうが、インフルエンザ・ワクチン反対運動の代表的人物の発言であろうが、一ブロガーの発言であろうが、その発言を批判するのは自由ですよ。浅見真規さんは、言論の自由についてどのようにお考えなのでしょうか。「有名ブロガーが一ブロガーを批判するとダメージが大きいのでだめだ」などとは言えません。また、私の発言が「軽微ではあるが名誉毀損だ」というのは、信頼できる法律の知識を持った方の見解ですか?浅見さんは、法律について何か資格をお持ちでしょうか。医学の知識が不十分なのに知ったかぶりをする人がいるのと同じように、法律の知識が不十分なのに知ったかぶりをする人もいますので。私は法律の知識が不十分なので、信頼できない人が法律について何か言ったところで、安易に信用しないようにしています。


>つい先日もニュース記事を見る限りでは、研究者による怪しげな実験の発表があったようです。どこが非科学的か考えてください。

「どこが非科学か考えてください」などと問題を出せるほど十分な科学リテラシーを持っていることを浅見真規さん示してからにしてください。「鶴川サナトリウム病院」のことをやたらと過大に評価しているところからみて、浅見真規さんがこうした問題について信頼できそうにないと考えはじめています。とりあえず、「施設内でのアウトブレイクを100%防ぐことはできないことは既知であり、インフルエンザワクチンの有効性についてのこれまでの知見と矛盾しない」という指摘にきちんと反論してください。それに、査読の通った論文について、非専門家が決定的な誤りを指摘できることなんてめったにありません。「非科学的で不完全な対照実験だ」などと思いついても、たいていは非専門家の誤解に過ぎません。「専門家よりも自分の方が正しい判断ができる」という強い思い込みを持った人でなければ、疑問は呈しても、断定的には発言しないでしょうが。


>鶴川サナトリウム病院のデータが今シーズン用の季節性ワクチンの添付文書に記載されないのか不思議です。

浅見真規さんが医学について素人だから不思議に思うだけでしょう。創造論者が、「進化論を否定する証拠が教科書に記載されないのは不思議だ」などというのと同じように見えます。素人ではない、創造論者とは違うというのなら、きちんと論文にして、しかるべき雑誌に発表されればいかがでしょうか。

NATROMNATROM 2009/10/07 18:50 「インフルエンザワクチンの有効性ははっきりしていない」という主張は訂正されるとのことですから、このコメント欄でのやりとりも無駄ではなかったようです。


>この論文は40年前と古いので無視しました。

古いという理由だけで無視はできませんよ。古い論文の結論を上書きするような新しい論文があるというのならともかく。実際には、有効率には幅があれど、インフルエンザワクチンの効果を示す新しい論文もありますし。


>つまり、100人感染して、接種していると、15人がワクチン接種の恩恵をうけたと、そういう話になりますね。
>それで「大きい声では言えません」と申しました。

1人が恩恵を受けるために何人に治療が必要なのかを示す指標として、NNT(Number Needed To Treat)というものがあります。少なければ少ないほどいいわけですね。桜子さんの仮定で、NNT(この場合は一人のインフルエンザ発症を阻止するのに必要なワクチン接種者数)を計算しますと、6.7人くらいになりますね(計算間違いしていませんように)。思ったよりもよい数字ですねえ。これを「とても予防効果があると大きい声では言えません」というならば、医師が使用している薬の多くも「とても効果があると大きい声では言えません」ということになりそうです。あるいは、たとえば麻疹ワクチンは有効率は高いのですが、罹患率が少ないのでNNTは大きくなり、やはり「とても効果があると大きい声では言えません」ということになります。わかりやすく言えば、ワクチンの有効率が少々低くても、インフルエンザは罹患率が高いので、「何人が恩恵を受けたか」という計算では、かなり効果があるということになります。加えて言うなら、個人だけではなく、集団防衛を考えますと、効果はもっと大きくなります。100人のうち、ワクチン接種の恩恵をうけたのは15人だけではなく、その15人が罹患していたら感染させたであろう周囲の人たちも恩恵を受けたのです。


>インフルエンザの予防接種では、死ぬことがあること。

自分はハイリスク者でないから受けないという判断は(インフルエンザワクチンについては)十分に妥当ですが、死ぬこともあるからワクチン接種を受けないというのは、理由としては不適切でしょう。インフルエンザで死ぬリスクと比較するべきですよ。現在のワクチンは安全ですので、高リスク者であれば、高貴な方だろうとワクチンを接種するでしょう。


>インフルエンザ脳炎に罹った保育園児が予防接種を受けていたこと(数年前のこと)。

これは、「交通事故で亡くなった人がシートベルトをしていた」というのと同形の誤謬ですね。


>小学生や中学性に対するインフルエンザの予防接種が定期予防接種からはずされたのですから、これはかなりの損失になりますから、新しい良いデーターは欲しいのではないでしょうか。

「これはかなりの損失になる」というのは前提ではなく、桜子さんが根拠を示さなければならないところですよ。桜子さんが、「ものすごいお金の絡む」「これはかなりの損失になる」と思い込んでいるだけではないのか、と言っているのです。


>少なくとも1986年か1987年頃から1994年の予防接種法が改正されるまでです。

ということはつまり、1994年の予防接種法の改正以降は、死亡数が多いことに同意されるのですか?


>…の部分を重視しました。

恣意的にご自分の都合のよいところのみを重視しているだけですね。母乳によって細菌性髄膜炎が予防されるという考え方も、理論上のものなのに、そちらはご自分に都合がよいから信じるのでしょう。まあ、脳症予防については、限定的な疫学調査があるのみですが、一方、高齢者の重症化予防については、きちんとしたエビデンスがあります。にも関わらず、「重症化の予防も怪しいかもしれない」とお考えの理由は何ですか?


>インフルエンザワクチンが必要だからだと思います。
>生物テロなどに備えて、ワクチン産業がある程度の分量をいつも生産できるようにしておくということは、自国を護るために重要なことだと思います。

インフルエンザワクチンの製造ラインが転用できるような生物テロ対策って、私はぱっとは思いつかないのですが、たとえばどのような生物テロを想定しておられますか?思いつきで言っていません?


>これは、新型インフルエンザについて申しました。

新型インフルエンザについても、たいていは自然治癒しますが、たまには死にます。桜子さんは、「たまには死ぬこともあるとは言え、基本的には自然治癒する疾患に対して、公的機関が対策を勧める理由がわからない」と言いたいのでしょうか。


>予防接種ですと出産したときに、赤ちゃんに十分な抗体が届いていませんでしょう。

理論的にはあってもおかしくはなさそうですが、断言できるほどのエビデンスがあるのでしょうか。それに、抗体価が下がったころに二回目の接種をすればいいと思いますが。また、仮に桜子さんの主張が正しいと仮定しても、将来の子の麻疹リスクを減らすというメリットと比較して、ワクチン接種を回避して麻疹による死亡や後遺症を残したり、周囲にウイルスを振りまいたりというデメリットは大きすぎやしませんか。麻疹ワクチンについては、以下を参照してください。

我が子を殺人者にしない
http://childdoc.exblog.jp/1620637

浅見真規浅見真規 2009/10/07 23:40 NATROMさん、

私の「桜子さんに連絡せずに批判的に言及するのはアンフェアだ」に対して、NATROMさん、あなたは、二つの理由を示されました。桜子さんに連絡するには「iza」にID登録の必要があった事、そして、「引用」に該当するから了承も連絡も不要だという事ですね。たしかに桜子さんへ連絡した私も「iza」にID登録の手間が要りました。それだけなら、手際の良い人なら3分もかからないでしょう。それから、「引用」は著作権法上の法律問題です。私は良識とかセンスの感覚で述べたのですが、あなたが法的な「引用」の可否として議論されたのですよ。まあ、良識とかセンスの問題を「引用」だからと(いくらやんわりとでも)突っぱねる方にいくら力説しても無駄なので、それ以上述べなかっただけです。そして、法的に「引用」の前提条件である「公正な慣行に合致」しない事の理由として、「名誉毀損」になる事を示しました。公共性がない事を承服できないなら、それは置いておきましょう。しかし、桜子さんのカナダの病院のコメントは非科学的であっても「ニセ科学」では無い事は認められますよね?つまり、「ニセ科学を見抜く練習問題」の題材にしたのは不当であり、あなたの表現には真実でない部分があったので軽微とはいえ、名誉毀損です。(私もNATROMさんも法律家ではありませんが、一般人でも重犯罪に関する裁判の裁判員に選ばれれば法律家でなくとも判断してるので、聡明なNATROMさんならこの程度の事は御理解可能でしょう。)、第三者のブログで別の第三者(医師)の非科学的発言に対して、おそらく単にカナダ(特にオンタリオ州南部)の接種率が日本と異なる可能性に気付かなかっただけで、「ニセ科学」呼ばわりするのは桜子さんの人格を傷つける行為です。カナダ(特にオンタリオ州南部)の接種率が日本と同程度なら桜子さんのコメントは非科学的ではなかったはずです。
また、「引用」に必要な「必然性」について、NATROMさんは、「ワクチン問題では誤謬に気づかなくても、シートベルト問題ならば気づくという人もいるであろうからです。」と弁明されてますが、それはこのブログの主な読者が錯覚などしないと述べたのと矛盾しています。シートベルト問題説明してもワクチン問題に気付かない人は少し違ったケースには通用しないでしょう。

(Medical News Today記事↓)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/166102.php
>Thirteen newborn rhesus macaques were given a Hepatitis B vaccine
>containing a standardized dose of thimerosal adjusted for their weight,
>four received a saline placebo, and three were not given any shots.

記事及び無料で読めるアブストラクト(後述)を読む限り、実験は、「13匹のアカゲザルに体重に見合ったチメロサールが添加されたB型肝炎ワクチン」を投与し、「4匹のアカゲザルに生理的食塩水」を投与し、3匹には何も投与しないという実験をし、それでチメロサール添加B型肝炎ワクチン投与されたサルに副作用が出たという事です。
これでは副作用の原因がチメロサールなのかB型肝炎ワクチン本体によるのか不明です。チメロサールの副作用の有無を調べるには、対照実験は生理的食塩水でなくチメロサール無添加のB型肝炎ワクチンですべきだったはずです。

(ScienceDirect にあるアブストラクト)
http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6W81-4XC57CT-1&_user=10&_rdoc=1&_fmt=&_orig=search&_sort=d&_docanchor=&view=c&_acct=C000050221&_version=1&_urlVersion=0&_userid=10&md5=163a9340a2cb2e9c65b170e058dc21b1

浅見真規浅見真規 2009/10/07 23:52 NATROMさんの「施設内でのアウトブレイクを100%防ぐことはできないことは既知であり、インフルエンザワクチンの有効性についてのこれまでの知見と矛盾しない」ですけど、施設内でのアウトブレイクは不幸な事ですが、それによってデータが得られたのです。ワクチンの添付文書でも有効性を示す臨床成績のデータとして、1997 〜 2000 年において老人福祉施設・病院のアウトブレイクのデータが利用されています。どうして、今シーズン用のワクチン添付文書に昨シーズンの「鶴川サナトリウム病院」の事例が載ってないのかという事を問題にしたのです。予想がはずれて効果の低かった不都合な年度を除外したのでは、年度によって当たりはずれのある季節性ワクチンの効果の評価として不完全です。
ちなみに老人福祉施設・病院のアウトブレイクでは、すでに述べたように対照群のデータも明確であり、インフルエンザ感染の判定も同一基準でなされるので、あなたが批判されたトロントを含むオンタリオ州南部の一般病院へインフルエンザに感染して入院したであろうと思われるケースとは違います。wikipediaで「トロント」を調べればわかりますが、合法住民でも30%以上の非ヨーロッパ系住民がおり多くのエスニックタウンを形成し、言語も多様で「救急サービスの911番では、150以上の言語に対応」してるそうです。さらに、問題なのは不法滞在外国人労働者の存在です。日系人以外は所得の低い非ヨーロッパ系住民や不法滞在外国人労働者や先住民やアーミッシュは、よほど重症にならないと病院に行きません。インフルエンザでの入院の基準がエスニック集団によって異なるのです。(実際、カナダではSARSの流行が主として中華街で起き、今回の新型インフルエンザでは先住民が重症化するなどエスニックグループによって感染症発生に差異があります。)

尚、「鶴川サナトリウム病院」の件だけでなく昨シーズンのインフルエンザ・ワクチンの効果が低かった事は医師の間で有名だそうですけど。NATROMさん、内科の医師として気付かなかったのですか?
NATROMさんは権威主義者みたいなので権威的データ示しておきます。

(東京新聞HP記事↓参照)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2009020502000057.html
>なぜ効かない、インフルエンザワクチン? 「変異」追跡に遅れ
>
>2009年2月5日
>
>インフルエンザがこの五年間では最も厳しい流行を迎えている。
>現場の医師たちからは「今シーズンのワクチンは効きが悪い」との声も。
>ウイルスが変異し、効果が低下している可能性も浮上したが、その動向は
>十分につかみ切れていないようだ。


ちなみに、昨シーズンだけでなく、日本臨床内科医会の調査によれば、2004年1月から4月のシーズンもワクチンの効果が低かったそうです。

(人民網日文版記事↓参照)
http://j.people.com.cn/2004/10/11/jp20041011_44157.html
> 昨冬に使われたインフルエンザワクチンの効きめは、
>前の2シーズンに比べてかなり悪かった――。
>全国の内科医でつくる日本臨床内科医会(事務局・東京)が
>01年から実施しているワクチン接種者の追跡調査でこんな結果が出た。
>流行の中心が新しいタイプの変異株ウイルスだったため、
>予防接種をしても効果が薄かったらしい。
>・・・・・(中略)・・・・・
> インフルエンザの診断キットで陽性と判定された290人のうち、
>ワクチン接種者は213人、非接種者は77人。この結果をもとに、
>ワクチンがどれだけ効いたかを示す有効率を計算すると、
>大人(15〜64歳)で40.3%、子ども(15歳未満)で44.2%だった。
>
> 有効率は、3年前の冬が大人73.9%、子ども74.6%、
>2年前の冬は大人75.0%、子ども58.8%だったので、
>昨冬は大きく下がっていた。


上記の記事と同時期に出された日本小児科学会の有効率はさらに低く算定されていた。

(季節性インフルにタミフル耐性株が少なかった頃の日本小児科学会の見解↓参照)
http://www.jpeds.or.jp/saisin.html#75
>乳幼児(6歳未満)に対するインフルエンザワクチン接種について
>−日本小児科学会見解−
>わが国では、1歳以上6歳未満の乳児については、インフルエンザによる
>合併症のリスクを鑑み、有効率20-30%であることを説明したうえで任意接種
>としてワクチン接種を推奨することが現段階で適切な方向であると考える。

zukunashizukunashi 2009/10/08 00:22 「桜子さんのカナダの病院のコメントは非科学的であっても「ニセ科学」では無い事は認められますよね?」
意味不明である。浅見氏は非科学についてもニセ科学についても、それがどういう事を指すのか知らないのではないだろうか?桜子氏の該当ブログでのコメントはニセ科学の要件を満たしている。
「ニセ科学」という言葉をどういった定義で使ってらっしゃるのでしょうか。

桜子桜子 2009/10/08 01:51 zukunashi さま

こんばんは、桜子です。
> 桜子氏の該当ブログでのコメントはニセ科学の要件を満たしている。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どこが「ニセ科学」なのですか。

浅見真規浅見真規 2009/10/08 02:31 zukunashiさん、

桜子さんがどのように考えたか断定はできませんが、おそらく、桜子さんはカナダのオンタリオ州南部の接種率が日本と大差ないと思い込んでいたのでしょう。また、彼女が元のコメントで言いたかったのは効果があまりないという大雑把な事だったみたいで、精密な議論をする意思はなかったと思われます。
仮にカナダ(特にオンタリオ州南部)の接種率が日本と同程度なら桜子さんのコメントは非科学的ではなかったはずです。つまり、「その事例ではワクチンの効果が認められなかった」との「定性的」な結論を導くためだけの議論なら、もし仮に、オンタリオ州南部の接種率が71%以下なら桜子さんのコメントは正しかったはずです。zukunashiさん、ここまで、わかりますか?

問題は桜子さんが自明と思った事が自明でなかったというだけです。たまたま、オンタリオ州南部の接種率が71%を超えていたから批判されてるだけです。

しかし、桜子さんが非常識だったかというと、そうではありません。

社会実情データ図録 Honkawa Data Tribuneのインフルエンザ・ワクチン接種率(先進国比較)
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1960.html
に掲載されてるOECD Health Data 2005によれば、2003年の高齢者のインフルエンザ・ワクチン接種率は日本が43%で、カナダが62%です。2005年・2006年のトロント周辺のオンタリオ州南部の接種率が、たまたまカナダ全体より高く71%を超えていたから桜子さんが非科学的と批判されてるだけなのです。桜子さんは、ちょっと不注意なだけだったと思われます。一般人の他所のブログで第三者とのやりとりで、たまたまトロント周辺のオンタリオ州南部の接種率が予想外に高かったから結論を間違えた事をもって「ニセ科学」呼ばわりする方が非常識です。

zukunashizukunashi 2009/10/08 07:39 桜子氏へ
貴方の疑問はもっともですが、その疑問の答えは既にNATROM氏が本文中で言ってらっしゃいます。コメントを書く前に再度熟読されるようにお願いします。また、私のコメントのみに反応せず、NATROM氏のコメントにもお返事なさるようお願いします。返答し易いものだけ相手をされないように。

浅見氏へ
貴方も桜子氏同様、[ニセ科学]という言葉の定義をご存知ではない。[ニセ科学]はあやふやな定義に基づいた言葉ではない。
[ニセ科学]で検索をしてみるとお分かりいただけると思いますが、この用語は大阪大学の菊池誠教授が発表し使用している定義を、NATROM氏も使用してらっしゃいます。疑似科学と重なる所が多いですが、その定義は下記のようなものです。
1. 科学を装う
2. 科学ではない
オンタリオ州南部の接種率が高いか低いかを知る知らないという話ではありません。都合の良い所だけ論文のデータをツマミ食いする事がある意味問題なのです。

NATROMNATROM 2009/10/08 09:23 >私は良識とかセンスの感覚で述べたのです

「良識とかセンス」という感覚でも、引用・批判は別に問題ないと思いますが。単に、浅見真規さんの「個人的な」良識・センスに違反していただけでしょう。私の「感覚」では、他人のブログに思い込み・言いがかりで長文を書き込むほうが、よほど「良識とかセンス」に違反しているのですが、浅見真規さんは私に謝罪していただけますか?(念のために言いますが、これは皮肉で、本気で謝罪を要求しているわけではありません。良識やセンスは個人や文脈で変わり得ます。浅見さんの個人的や良識やセンスが通用しない場所もあることを認識してください。浅間さんは、他の場所(http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2006/06/post_3e37.html#comments)で、「かなり礼を失した書き方」「議論をする者の態度ではない」と言われていますよね。その場所では、「良識とかセンス」に違反していたのは浅間さんのほうなのです)。


>桜子さんのカナダの病院のコメントは非科学的であっても「ニセ科学」では無い事は認められますよね?

「科学的ではない」だけでは単なる非科学であってニセ科学とは言えません。ニセ科学の要件は、非科学であり、なおかつ、科学を装っていることです。「非科学的」であることには同意できておられるようなので、浅見真規さんは、「桜子さんは科学を装っていない」と主張されておられるのでしょうか。しかし、桜子さんは、カナダの病院の論文を『桜子はskyteam氏がご存じないと思いましたものは、「エビデンス」として紹介しております』として紹介していますので、科学を装っていると言えます。付け加えて言えば、桜子さんの発言がニセ科学であると私は批判してはいません。誰でも陥りやすい誤りですから。


>カナダ(特にオンタリオ州南部)の接種率が日本と同程度なら桜子さんのコメントは非科学的ではなかったはずです。

いいえ。科学とは過程を重視します。対照群との比較という意識の欠如、および恣意的な引用(論文をよく読めばワクチンの有効性について書いてある)は、やはり問題です。


>それはこのブログの主な読者が錯覚などしないと述べたのと矛盾しています。

ワクチン問題の誤謬は陥りやすいのに対し、このエントリーを「インフルエンザワクチンの効果を否定する全ての主張には誤りがある」と錯覚するのは、よほどの馬鹿だけでしょう。よって、矛盾していません。


>チメロサールの副作用の有無を調べるには、対照実験は生理的食塩水でなくチメロサール無添加のB型肝炎ワクチンですべきだったはずです。

おおむねその通りですが、何か?もしかして、実験者も、査読者も、そのような基本的なことに気付かなかったとでもお考えなのでしょうか?浅見真規さんは、専門家が間違っていると思い込む前に、ご自分の理解が足りないから専門家が間違っているように見えるという可能性を考慮したほうがよろしいと思います。医学分野だけでなく、他の分野でも、「(浅見さんの主張は)理解不足と思いこみで構成されている」と評価されています。たぶん、その評価は正しいのでしょう。なぜなら、医学の分野においても、やはり、浅見さんの主張は理解不足と思いこみで構成されているからです。


>どうして、今シーズン用のワクチン添付文書に昨シーズンの「鶴川サナトリウム病院」の事例が載ってないのかという事を問題にしたのです。予想がはずれて効果の低かった不都合な年度を除外したのでは、年度によって当たりはずれのある季節性ワクチンの効果の評価として不完全です。

シートベルトをしている乗客が多数死んだバスの大事故によって、シートベルトの有効性について文句をつけているようなものですね。長々と引用をされていますが、インフルエンザワクチンの効果が年度によって異なるのも既知です。浅見さんの主張のとおり、「鶴川サナトリウム病院」の事例を添付文書に載せるとしたら、他の年度は入れなくてもいいんですか?さぞや膨大な添付文書になるでしょうね。

日本語で書かれた包括的なレビューであれば、「鶴川サナトリウム病院」の事例を載せるべきだという指摘は妥当でしょう。しかし、添付文書はレビューではありません。ひとつ尋ねますが、浅見さんは、添付文書に何を載せるべきかという問題について、専門的な知識をお持ちなのですか?それとも、素人だけど意見を述べているにすぎないのですか?専門的な知識を持っているというのなら、ぜひとも然るべき場所でやってください(「しかるべき雑誌に発表されればいかがか」という指摘にはスルーでしたね。ご自覚はおありのようで)。

通りすがり通りすがり 2009/10/08 11:07 浅見氏は、年度によって季節性ワクチンに当たり外れがあることはご存知だったんですね。
ひょっとしたら、知らないのかと思ってました。

去年の「はずれ」一例をもって、あたかもワクチン全体を否定するかのような発言は、
ちょっと理解できません。
「去年のはハズレだったね」「今年は当たるといいね」
単に、そういう話じゃないかと思うんですが。

 私でも、(特に新型の)ワクチンの効果は過大評価されすぎ、というのは思います。
正しく評価されるべきと思いますが、逆に貶めればいいってもんじゃないでしょう。

pikapika 2009/10/08 12:51 浅見真規さん、

横レス失礼します。
私は、著作権法について知る者です。
著作権法第32条「引用」の「公正な敢行」について、誤解されていらっしゃるようなのでご説明させていただきます。

>今度は著作権法の観点から考察しましょう。NATROMさんは「引用」なので問題がないとお考えのようですが、実は、著者の承諾なしに認められる「引用」は著作権法・第三十二条で「公正な慣行に合致する」必要がある事が規定されてるので無条件に引用できるわけではありません。
つまり、いくら起訴されない程度の軽微な名誉毀損でも引用行為自体が名誉毀損になる場合は「公正な慣行に合致する」とは言えません。

>そして、法的に「引用」の前提条件である「公正な慣行に合致」しない事の理由として、「名誉毀損」になる事を示しました。公共性がない事を承服できないなら、それは置いておきましょう。

結論から申しますと、NATROMさんがこのような形で桜子さんのエントリーを引用した件について、著作権法に違反しておらず、「名誉毀損」にはあたりません。

著作権法第32条「引用」に定められている「公正な敢行」について、一般の方々は、「一般良識・公に正しい敢行」と誤解しがちですが、著作権法で定められている「公正な慣行」とは、「引用する側とされる側の双方は、質的量的に主従の関係であること」「両者が明確に区分されていること」「引用を行う必然性」「出所元の明示」が該当します。

著作権法第32条「引用」の要件にある「公正な慣行」に合致すること、報道・批評・研究などの「引用の目的上正当な範囲内」であることについては、既に最高裁判判決で実務的な判断基準が示され、多数の判例でもって広く受け入れられているところです。
例えば、引用者が自分の伝えたい主張の目的のために、著作者の写真をパロディーなどに使用して風刺したとしても、「名誉毀損」や「著作権法の侵害」には当らず、上記要件を満たしていれば「公正な慣行」に合致している、ということになります。

エントリーを読んでも、また、NATROMさんが、「今回のエントリーに桜子さんの発言に言及したのは、桜子さんを批判することが目的ではなく、練習問題の題材です。」と仰っていることからもお解りのとおり、自説の補強のために桜子さんの文章を引用しているに過ぎず、NATROMさんが桜子さんのエントリーを「『ニセ科学』の練習問題を見抜く練習問題シリーズ」に引用したとしても、「公正な敢行」を満たしていることから「引用」にあたり、著作権法上は、著作権者の桜子さんの許諾なしに(「引用」したことを桜子さんに知らせずに)、「引用」することができます。
「文化庁」のHPでも上記のことを確認できますので、どうぞ参考になさってください。
http://bushclover.nime.ac.jp/c-edu/answer.asp?Q_ID=0000304#top

ちなみに私はこのエントリーを読んで、浅見真規懸念されていらっしゃるような、「NATROM氏の記事の書き出しの『インフルエンザワクチンの効果に否定的な主張はよくあるが、これまでに見たことのないパターンのものを見つけた。』との表現から読者が『インフルエンザワクチンの効果を否定する全ての主張には誤りがある』と錯覚する危険がある事です。」のような錯覚はしませんでした。

「対照群との比較」の思考がなかなか身に付かない私にとっては、「Q.上記のデータからインフルエンザワクチンの予防効果の有無について判断できるか?」との問いが、まさか「対照群の比較」について問われている問題だとは全く思いもよりませんでしたので解答を間違えてしましたが、最初から「対照群の比較」について問われているのだということを知っていれば、きっと間違わずに解答していたと思います。

そういった意味においては、シートベルトとの例えは解りやすかったですし、「対照群との比較」について陥りやすい間違いに気付くことができました。と同時に、「インフルエンザワクチンの予防効果の有無」についても正しく理解することができました。

pikapika 2009/10/08 13:06 >浅見真規懸念されていらっしゃるような、

申し訳ありません。敬称が抜けていました。コピーして貼った際、抜けてしまったようです。
「浅見真規さんが懸念されていらっしゃるような、」に訂正し、お詫びいたします。

アマデウス龍彦アマデウス龍彦 2009/10/09 00:37 シートベルトの例えは確かにわかりやすいんですが、
インフルエンザワクチンの有効性や必要性、または危険性を論じるのに、適切な例えなんでしょうか?
鶴川サナトリウムの件は厳然たる事実であって、それをシートベルトの例えを出すことで、軽く扱おうとはしてないのでしょうか?

zororizorori 2009/10/09 07:09 「わかりやすいけど、適切な例えではない」とはどういうことですかね?
ワクチンの例は誤りに気付かない人が多いが、シートベルトの例は大抵の人はすんなりと理解できる。そして、両者が同じ構造であることも大抵の人はすんなり理解できる。これが「分かりかすい」ということだと私は思います。

両者が同じ構造でないと考えるなら、「適切な例えなんでしょうか?」とほのめかすだけでなく、その理由を述べてもらわないことには話になりません。

なお、交通事故死も軽い問題ではありません。

NATROMNATROM 2009/10/09 08:29 シートベルトの例えは、「インフルエンザワクチンの有効性や必要性、または危険性を論じるのに、適切な例え」ではありません。「対照群なしに、ある要因(シートベルトやワクチン)の効果を評価するのは誤りであることを示すのに、適切な例え」、あるいは、「うまくいかなかった例の存在(シートベルトをしていても事故死した、ワクチンを打ってもアウトブレイクした)のみで、効果を評価するのは誤りであることを示すのに、適切な例え」です。

インフルエンザワクチンの有効性や必要性、または危険性を論じたいのであれば、公的機関の発表している情報や文献にあたるべきですが、アマデウス龍彦さんをはじめとしたワクチンに懐疑的な人たちは、なぜかそういう努力をしようとしないようですが。

桜子桜子 2009/10/09 18:47 NATROM さま

こんにちは、桜子です。
NATROMさまのお考えはよく理解できました。
桜子は申し上げたいことがありますが、文章が苦手なことと今は時間がとれません。


このエントリーで、「対照群なしに、ある要因(シートベルトやワクチン)の効果を評価するのは誤りであることを示すのに、適切な例え」として桜子の文言が取り上げられたわけです。
先にも申しましたが、これは新型インフルエンザワクチンの輸入に関する宮田氏のイザ!ブログのコメント欄でのことで、skyteam氏(元勤務医)のコメントに対する反論として申しました内容です。

桜子の意図するところは、NATROMさまがここで意図されていることと同じです。

skyteam氏のコメント(季節性のインフルエンザワクチンに効果があると思う理由は、自分はワクチンを接種していて罹らないから)は、対照を考えていないので根拠になりません。
それを直接に言わないで、桜子も、わざと対照群のない話(季節性のインフルエンザワクチンを接種していても罹る人が居る)を持ち出して、skyteam氏の論法を真似てみたのです。
このときにどうして見つけたのか忘れましたが、事実関係(季節性のインフルエンザワクチンを接種していても罹る人が居るということ)をしめすのに適当な論文がありましたので、それを示しましただけです。

だいぶたちましてから、skyteam氏のところで、常連らしいコメント者(現役の医師らしい)が、EBMのことを話したので、skyteam氏がこの一連のやりとりで桜子に示したものは、つまらないものばかりでしたので、あらためて調べてみまして、それらを列挙してみました。
そのときに対比として桜子がこの学術論文を挙げていることを申しました。
ここで桜子の手落ちがありました。
「エビデンス」という言葉を使用したことです。
そのために、桜子が季節性のインフルエンザに関する何らかの効能を主張し、この学術論文は、その「エビデンス」だと、誤解されてしまったことです。
相手が「エビデンス」というので、つい、桜子もその言葉を使ってしまったのです。

実は「エビデンス」という言葉について、よく知っているわけではなく、その定義も知りません。
ここでの、NATROMさまのやりとりを通じまして、この言葉の使い方が不適切だったと気がつきました。

季節性のインフルエンザのワクチンを受けた人で、インフルエンザに罹ったという例としては、保育園児1名がインフルエンザ脳炎に罹ったという話を聞いたことくらいで、そもそも桜子の周りでは季節性のインフルエンザワクチンを受けた人は見かけないのです。
そして、桜子自身が過去にブログにすでに書いていますが、インフルエンザに罹ったことがあります。

そういう事情で、例の学術論文を、論文の主旨には関係がないのに、接種者が罹ったという事実関係だけを示すこととして、利用致しました。
こういう場合は、おそらく「エビデンス」という言い方をしてはいけないのでしょう。


桜子は、常々、対照が必要であるという考えを持っております。
その主張をしたつもりの文言を、ここではそれを正反対に「想像」されてしまったのです。
桜子の書き方が悪かったことは認めますが、これは桜子の名誉に関わることですし、困ることです。正反対なのですから。

masanori-asami(浅見真規)氏が知らせて下さって、本当に良かったと思っております。

桜子はイザ!ブログを更新しておりませんのに、ある日、アクセス数が1000位(更新していないときは300位なのです)に増えまして、1日だけですが、何故なのか不思議に思っておりましたが、ここに取り上げられたことが影響しているのでしょう。

ただ、このブログをコメント者も含めまして、桜子は気に入っています。

こういうことがなければ巡り会うことがないわけですから、正反対のことを言われましても、感情的な桜子ですが、さほど、腹がたたないのです。
masanori-asami(浅見真規)氏がいろいろと言ってくれていますが。
浅見真規氏のコメントを読みまして、なるほどと思うことはあります。


「効果がはっきりしない」と申しましたことは、訂正致しますが、どういう意味でそのように桜子が申しましたのか、その線で考えております。

なお、桜子は公衆衛生行政を考える立場では申しておりません。

アマデウス龍彦アマデウス龍彦 2009/10/09 19:05 zororiさん、お久しぶりです。確かに理由も述べず、漠然としたコメントです。
自分でも投稿しながら、その辺つっこむ人がいるだろうなと思ってました。
NATROMさんのところは、コメント欄が狭いので、つい短めにしてしまうのです。

NATROMさん、漠としたコメントに律儀にレスをくださって、ありがとうございます。

説明を聞いても、ワクチンとシートベルトって次元違いすぎるし、なんだか
問題を単純化してごまかそうとしていないか、と思ってしまいます。

また、私を、ワクチン懐疑派とラベリングした上で、私以外の人も含めて
公的文書を参考にしないと指摘されていますが、それも単純化しすぎです。
私と一緒にされて困る人がたくさんいると思いますし、私もそれは心外です。

細かいですが、私はワクチン懐疑派というより、ワクチン個人的拒否派という立場です。
インフォームドチョイスを大切にしてもらいたいのです。社会的に悪影響がない限り、
ワクチンを拒否する権利があると思っているだけです。

次元の違う例え話を、私もさせてもらいます。いくら政府が「景気が回復した」と
いろんな公的文書や論文、データを基に発表しても、一般人が納得できないように、
インフルエンザワクチンも、「なんか効かないよね」という認識を持っている人は
多いようです。もちろんその後の行動は、「打たない」派と、
「とりあえず打っとく」派など、いろいろ分かれます。

一般人の個人的体験も事実であって、簡単に無視できるものではないと、
私は思っています。

tmtm 2009/10/09 19:53 >一般人の個人的体験も事実であって、簡単に無視できるものではないと、
確かにそうだと思いますが、少なくとも不特定多数の他者と語り合う場においては
個人的な体験に基づいた主観と、客観的な事実とは、同じ次元で
比較したり評価したりするべきではないのでは無かろうかと思います。

zororizorori 2009/10/09 22:38 >説明を聞いても、ワクチンとシートベルトって次元違いすぎるし、なんだか
問題を単純化してごまかそうとしていないか、と思ってしまいます。

ワクチンとシートベルトの話の共通点は、比べる相手のことも分からずに、比較しているというだけの単純なことですよ。「次元が違う」というのも相変わらず漠とした言い方ですが、私には、ワクチンもシートベルトも命にかかわる点では同じだと思えます。でも、そんなことはどうでもいいんですよ。命の問題とは違う次元の例えをしましょうか。

「Aさんは身長160センチしかない。これではとてもBさんより高いとはいえない。」

これとワクチン話の誤謬も同じことです。

浅見真規浅見真規 2009/10/09 22:39 pikaさん、

>私は、著作権法について知る者です。
>・・・・・(中略)・・・・・
>著作権法第32条「引用」に定められている「公正な敢行」について、
>一般の方々は、「一般良識・公に正しい敢行」と誤解しがちですが、

高飛車に出られましたね。しかし、pikaさんの↓と

>著作権法で定められている「公正な慣行」とは、「引用する側とされる
>側の双方は、質的量的に主従の関係であること」「両者が明確に区分
>されていること」「引用を行う必然性」「出所元の明示」が該当します。


文化庁の「著作権テキスト」↓の見解は異なります。(PDF・p.69)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/pdf/chosaku_text.pdf
>ア 既に公表されている著作物であること
>イ「公正な慣行」に合致すること
>ウ 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
>エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
>オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
>カ 引用を行う「必然性」があること
>キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)


あなたの示された要件以外に(イ)の「公正な慣行」が残存しているでしょ。
これは、著作権法の「公正な慣行」という漠然とした概念の大部分は、パロディー事件(昭和55年03月28日 最高裁)判決により上記の(エ)、(オ)の要件が示され、また、学説の一致して認める(カ)、(キ)の要件で具体化されてますが、特殊な場合や今後の不測の事態に備えて「文化庁」は著作権法の「公正な慣行」がまだ完全に列挙され尽していないとの見解を示しているのです。(上記の最高裁判決の示した要件(エ)、(オ)は妥当な要件ですが、画像比較すれば、その場しのぎの「泥縄」の基準であるのがわかります。上記最高裁判決は要件を完全に列挙し尽してはいません。それどころか「引用」では著作者人格権も守らねばならないと判示しています。)
ちなみに、パロディー事件(昭和55年03月28日 最高裁判決)は上記の(エ)の要件が満たされていないとしてパロディー事件(昭和55年03月28日 最高裁)判決では「引用」不成立としています。(三枝国際特許事務所HP記事↓)の画像を比較してください。
http://www.saegusa-pat.jp/copyright/cr_02_5_1.htm

(裁判所ウェブサイト・昭和51年(オ)第923号事件・昭和55年03月28日 最高裁判所第三小法廷 判決)↓
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/A457F8DF34085BF449256A850031201B.pdf
>引用にあたるというためには、引用を含む著作物の表現形式上、引用して
>利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して
>認識することができ、かつ、右両著作物の間に前者が主、後者が従の関係があると
>認められる場合でなければならないというべきであり、更に、法一八条三項の
>規定によれば、引用される側の著作物の著作者人格権を侵害するような態様で
>する引用は許されないことが明らかである。


尚、神戸大学・法律編集者懇話会は、文献の出典表示等の基準作りによって著作権法保護を図る日本医学会と日本医書出版協会の取り組みを評価しています。
その、日本医書出版協会は、引用に際して著作権法上遵守しなければならない点を示していますが、これも、pikaさんの列挙された要件以外に「名誉」保護を要件としています。
http://www.medbooks.or.jp/forauthor/QUOT-2.html
>(6)原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。


ただし、正当な批判で著作者批判して著作者の名誉を傷つける場合は除外されると考えるべきで、真実性・公共性・公益性の有無で判断されるべきです。
しかし、桜子さんの元のコメントに若干の不注意があっても「ニセ科学」でないのに、NATROMさんによって「ニセ科学を見抜く練習問題」の題材にされたのは、NATROMさんの批判において真実性が欠落している不当な名誉侵害であって、「日本医書出版協会」の示す引用の要件を満たしていません。

NATROMNATROM 2009/10/09 23:03 浅見さんは、法律について何か資格をお持ちでしょうか、という質問に答えていただければ幸いです。なぜなら、浅見さんは「法律の知識が不十分なのに知ったかぶり」をしている可能性がきわめて高いと私は考えているからです。

浅見真規浅見真規 2009/10/10 01:11 しつこいですね。私は、すでに、(2009/10/07 23:40)投稿で

>(私もNATROMさんも法律家ではありませんが、一般人でも重犯罪に関する裁判の
>裁判員に選ばれれば法律家でなくとも判断してるので、聡明なNATROMさんなら
>この程度の事は御理解可能でしょう。)


と法律家でないと述べてます。
それに、「引用」という著作権法の用語を持ち出されたのはNATROMさん、あなたですよ。
もちろん、先ほどの(2009/10/09 22:39)投稿はNATROMさんが理解できなくても結構です。著作権法の知識があると主張したpikaさんに向けた回答ですから。

ともかく、私は法律関係の資格があるとは一度も述べてません。他人に資格の有無を重ねて質問される前に、NATROMさんこそ内科医だと自称されるなら医師の資格を証明する書類でも提示されたらどうですか?(別に提示を強要するつもりはないですけどね。)
だいたい、自称・内科医なのに、昨シーズンや(2003/2004)シーズンにインフルエンザワクチンの効果が低かった事に気付かなかったとは驚きです。

(日本臨床内科医会HP「インフルエンザQ&A」・p.13のワクチン有効率グラフ参照)
http://japha.umin.jp/booklet/series/pdf/series033n.pdf
(2003/2004)シーズンはA型で有効率が(2001/2002)シーズンの半分以下になってます。
(2004/2005)シーズンはA型・B型とも(2001/2002)シーズンの半分以下になってます。

また、昨シーズンの季節性インフルエンザワクチンについては、(東京新聞HP記事↓参照)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2009020502000057.html
>なぜ効かない、インフルエンザワクチン? 「変異」追跡に遅れ
>
>2009年2月5日
>
>インフルエンザがこの五年間では最も厳しい流行を迎えている。
>現場の医師たちからは「今シーズンのワクチンは効きが悪い」との声も。
>ウイルスが変異し、効果が低下している可能性も浮上したが、その動向は
>十分につかみ切れていないようだ。

桜子桜子 2009/10/10 01:34 NATROM さま

こんばんは、桜子です。

訂正 通じると思いますが、間違っていたと思います。
接種者 → 被接種者


インフルエンザワクチンの添付文書を読む前の桜子について、
「はじめから考えは固まっていたのですね。結論ありきだったのですね。」
とおっしゃったので、桜子の考えに影響を及ぼしていることをいくつか列挙致しました。「結論ありき」ではありません。そのうちのひとつである「インフルエンザの予防接種では、死ぬことがあること。」を「理由としては不適切でしょう。」とおっしゃいますが、それひとつで考えたわけではありません。
桜子が知っているたくさんのことを総合しての結果であり、要点は「結論ありき」ではないことを申し上げたのです。
桜子がいくつか申しましたことで比較的大きなことは、高貴な方が受けておられないらしかったことです。
これはその時代、専門家がそういう選択をしたという話ですから。


国立感染予防研究所のホームページでインフルエンザ脳炎に関するワクチンの効果の話を申しましたが、桜子は、「恣意的にご自分の都合のよいところのみを重視している」つもりはありません。

ふつうには、桜子は「万世一系」に関係のある話をするときは、「万世一系だとすれば云々」と言うことにしています。
ですから、専門家がインフルエンザの効果に何らかの疑問を抱いているようなときには、ああいう言い方になるのではないかと、自分がそうなので、それだけではありませんが、そのような解釈を致しました。
恣意的に決め付けて、解釈したわけではありません。
「あなた、大嫌い」といわれても、その逆の場合もあるではありませんか。
桜子は本を全然読みませんし読んだこともありませんので、そのあたりも考慮して下さい。
別に決め付けたわけではありません。
疑いを持って今後をみていく、とそういうことです。


> 医師が使用している薬の多くも「とても効果があると大きい声では言えません」ということになりそうです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
桜子はそう思っております。

NATROMNATROM 2009/10/10 08:33 裁判員に選ばれれたなら、法律家がアドバイスもしてくれるでしょう。けれども、ネットで知ったかぶりの法律知識を垂れ流す人が、必ずしも専門家のアドバイスを受けられるとは限りません。私の資格については、このブログをはじめとしたネット上での評価を見てください。よしんば私がニセ医師だとして、それでも10年以上にわたり医学についての話題を書き込んでボロをださないくらいの知識はあることは証明されています。

浅間さんが、ネット上であっても、法律について十分詳しいという評判を獲得しているのなら、いちいち資格の有無を聞かなくてもよかったのですが。というか、医学分野で的外れなことを言っているから、法律分野でも的外れなことを言っていると疑われたわけで。いわば、負の評判です。そういや、浅間さんは、他の分野でも、「(浅見さんの主張は)理解不足と思いこみで構成されている」と評価さていましたよねえ。

「昨シーズンや(2003/2004)シーズンにインフルエンザワクチンの効果が低かった事に気付かなかったとは驚き」とありますが、インフルエンザの効果が低いことがあることは既知です。浅見真規さんは医学の知識に乏しく、なおかつ専門家より自分のほうが頭がいいと勘違いしておられるので、他人がインフルエンザの効果が低いことがあることを知っていることに気付かなかったのでしょう。


・「良識とかセンス」という感覚でも、私の行った引用・批判は別に問題ない。「個人的な」良識・センスの違反を言うなら、浅間さんだって違反しているのではないか。
・ニセ科学の要件は、非科学であり、なおかつ、科学を装っているである。非科学的であることには同意がとれている。エビデンスとして紹介している以上、科学を装っていると言える。
・チメロサール添加B型肝炎ワクチンをアカゲザルに投与する実験について、「怪しげな実験」「非科学的で不完全な対照実験だ」と指摘しておられるが、浅間さんは、実験者も査読者よりも科学に詳しいと思っているのか?自分の理解が足りないから専門家が間違っているように見えるという可能性を考慮したのか?
・浅見さんは、添付文書に何を載せるべきかという問題について、専門的な知識を持っているのか?素人が的外れな主張をしているだけではないのか?

以上の点については、特に反論はないようですが、ご納得されたので?

NATROMNATROM 2009/10/10 09:03 >桜子は、常々、対照が必要であるという考えを持っております。

完全母乳栄養での髄膜炎の予防や、乳がん検診より母乳栄養のほうがよいとする主張についても、比較対照試験があったのでしょうか。ワクチンの効果についてはきわめて強い懐疑を抱いておられるのに対し、母乳の効果についてはまったく疑わないどころか過大評価をしておられるのが気になるのです。


>桜子がいくつか申しましたことで比較的大きなことは、高貴な方が受けておられないらしかったことです。

これは、事実かどうかについて十分に吟味すべきことですし、事実であっても行動指針として重視するのはどうかと思います。


>> 医師が使用している薬の多くも「とても効果があると大きい声では言えません」ということになりそうです。
>桜子はそう思っております。

NNTが大きい(治療・介入した人数に対して恩恵を受けた人が少ない)から「とても効果があると大きい声では言えません」とされるのなら、授乳による乳がん予防についても、「とても効果があると大きい声では言えません」となります。それとも、桜子さんが、医師が使用している薬の多くも「とても効果があると大きい声では言えません」とする一方で、母乳を高く評価する、別の理由があるのでしょうか?科学的、医学的理由ではなく、思想や個人的な好みが理由であるなら、それを明示しておいたほうがいいと思います。

pikapika 2009/10/10 14:56 浅見真規さん、

先のコメントで、「私は、著作権法について知る者です。」と謙虚に書きましたが、私は著作権法を扱う仕事をしてきており、著作権法に深く関わって仕事をしてきました。日本著作権協会や著作者(作家)などから、著作権の許諾を取ったりすることも仕事のうちです。NATROMさんが医師としてのプロであるように、私も一応著作権を扱うプロです。少なくとも素人のあなたよりかは、著作権法に通じています。「高飛車」などと、他人の人格を否定し貶めるようなことは、仰らないほうが良いかと思います。

>しかし、pikaさんの↓と

>>著作権法で定められている「公正な慣行」とは、「引用する側とされる
>>側の双方は、質的量的に主従の関係であること」「両者が明確に区分
>>されていること」「引用を行う必然性」「出所元の明示」が該当します。

>文化庁の「著作権テキスト」↓の見解は異なります。(PDF・p.69)

>ア 既に公表されている著作物であること
>イ「公正な慣行」に合致すること
>ウ 報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること
>エ 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係」が明確であること
>オ カギ括弧などにより「引用部分」が明確になっていること
>カ 引用を行う「必然性」があること
>キ 「出所の明示」が必要(コピー以外はその慣行があるとき)

いえ、見解は同じです。
先のコメントでご覧いただいた文化庁のHP「著作権Q&A」に記載されていることは、文化庁が発行している「著作権テキスト」に書かれていることをを簡素化したもので、見解が違っているものではありません。私が皆さんに文化庁のHPをご紹介するときに、読者である皆さんに混乱が生じないよう、HPの内容に沿わせて書いただけのことです。

>あなたの示された要件以外に(イ)の「公正な慣行」が残存しているでしょ。

ですから、この(イ)の「公正な敢行」という曖昧な定義の判断基準が示されたのが、例のパロディーの最高裁判決です。

浅見さんは、著作権法で使用されている「著作者人格権」という言葉を、刑法で言うところの「著作者の人格」と誤解されているようですが、「著作者人格権」とは、「公表権」「氏名表示件」「同一性保持権」のことです。

例のパロディーの最高裁判決では、上記に示された、「エ 引用部分とそれ以外の部分の『主従関係』が明確であること」において、主(原作の写真)よりも従(パロディー写真)の比重が大きいと判断され、また、写真という特質上、「オ カギ括弧などにより『引用部分』が明確になっていること」においても遵守されていない、と判断されました。
さらに「著作権人格権」の「同一性保持権(無断で改変(変更・切除)」においても、遵守されていません。
こういったことが、「公正な敢行」に合致していない、と判断され、最高裁判決は例のパロディーを引用として認めませんでした。

ですから、先のコメント↓で、私の書き方が反対になって説明の仕方が悪かったですが、

>例えば、引用者が自分の伝えたい主張の目的のために、著作者の写真をパロディーなどに使用して風刺したとしても、「名誉毀損」や「著作権法の侵害」には当らず、上記要件を満たしていれば「公正な慣行」に合致している、ということになります。

「引用」の要件をきちんと満たしていれば、「公正な慣行」に合致している、と判断され、視覚的な芸術作品である写真や美術品などにおいてでさえも、著作者の写真をパロディーなどに使用して風刺したとしても、「名誉毀損」や「著作権法の侵害」には当らないのです。ましてやNATROMさんのこのケースは、「文章」の引用ですよ。

ですから、NATROMさんが桜子さんのエントリーを「『ニセ科学』の練習問題を見抜く練習問題シリーズ」に引用したとしても、引用の要件を満たしており、「公正な敢行」に合致している、と判断されるため、「引用」と認められます。

>尚、神戸大学・法律編集者懇話会は、文献の出典表示等の基準作りによって著作権法保護を図る日本医学会と日本医書出版協会の取り組みを評価しています。
その、日本医書出版協会は、引用に際して著作権法上遵守しなければならない点を示していますが、これも、pikaさんの列挙された要件以外に「名誉」保護を要件としています。

>(6)原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。

いいえ、違います。
上記のことは、著作権法の「権利の侵害」第113条の1の6の条項に基づくもので、「引用」の要件ではありません。

日本医書出版協会の「1.引用について」の中で、「(1)引用に際して著作権法上遵守しなければならない点―トラブルにならないために」にと書かれているように、日本医学会と日本医書出版協会は、参考文献を引用しながら論文を書かれる機会が多い医師の方々が、著作権侵害等のトラブルに巻き込まれないよう、また、ややこしい著作権法を、より解り易くする説明することで、著作権法を遵守しトラブルを未然に防ぐ手段として、著作権法の「引用」に加えてさらに著作権法の「著作権侵害」の条項を、日本医学会と日本医書出版協会の「1.引用について」に書き加えたというだけのことです。日本医書出版協会は浅見さんと違って、著作権法の「引用」の「要件」などと、ご自分等の都合の良いように著作権法を曲解していません。
そして、そのことについて、神戸大学・法律編集者懇話会が、日本医学会と日本医書出版協会の取り組みを高く評価された、という意味であります。

浅見さんは、「名誉」という言葉を、一般的に使用される「名誉」と誤解されていらっしゃるようですが、「著作権法」で使用される「名誉」とは、日本医書出版協会の「(1)引用に際して著作権法上遵守しなければならない点―トラブルにならないために」の中で、以下に示されているとおり、
「(6)原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。原著者が既に訂正・補足した著作物があるにもかかわらず、訂正前のまま引用したり、あるいは引用して批評すると、原著者の名誉や声望を害した利用となる可能性があります。」、改変(変更・切除)なども含めて、原著者の意図に反する引用をした場合、「原著者の名誉や声望を害した」となります。
「原著者の意図」とは、「私の著作物をニセ科学のエントリーに使用して欲しくない」といった類の「意図」ではなく、「原作者の著作物」そのものが、「原著者の意図」ということです。これらも、著作権法に基づいているものです。

>ただし、正当な批判で著作者批判して著作者の名誉を傷つける場合は除外されると考えるべきで、真実性・公共性・公益性の有無で判断されるべきです。
しかし、桜子さんの元のコメントに若干の不注意があっても「ニセ科学」でないのに、NATROMさんによって「ニセ科学を見抜く練習問題」の題材にされたのは、NATROMさんの批判において真実性が欠落している不当な名誉侵害であって、「日本医書出版協会」の示す引用の要件を満たしていません。

NATROMさんは、桜子さんの人格を貶めるようなことは一切書いておらず、「引用」の要件を満たしており、「公正な敢行」に合致しています。
「『「日本医書出版協会』の示す引用の要件を満たしていません。」については、前述したとおり浅見さんの誤解で、著作権法上何ら問題ありません。

また、私自身、科学とニセ科学の哲学について勉強したので解りますが、「ニセ科学」とは、「科学を装った科学」のことを表現するときの正当な用語で、「トンデモ」といった俗称とも違い、一般に使用される「人格」や「名誉」を貶めるものとも思えず、NATROMさんの「引用」は、著作権法や憲法の「表現の自由」の範囲内で認められる、正当な引用だと思います。

こういった形でNATROMさんに「引用」されて、浅見さんや桜子さんが不愉快に思われている心情は理解できます。ただ、それと、著作権法の「引用」の法律的な解釈とは、また違う問題です。

NATROMさんの言葉を借りますが、
「浅見真規さんは、専門家が間違っていると思い込む前に、ご自分の理解が足りないから専門家が間違っているように見えるという可能性を考慮したほうがよろしいと思います。医学分野だけでなく、他の分野でも、「(浅見さんの主張は)理解不足と思いこみで構成されている」と評価されています。たぶん、その評価は正しいのでしょう。なぜなら、医学の分野においても、『著作権法の分野においても』、やはり、浅見さんの主張は理解不足と思いこみで構成されているからです。」

尚、ここは著作権法の解釈を巡って論じる場ではありませんので、私の主張は、「NATROMさんの引用は、公正な敢行に合致しており、適正な引用と判断される」という見解を示して終わりにします。

NATROMさん、長文失礼しました。

pikapika 2009/10/10 16:15 補足です。
日本医書出版協会の「1.引用について」は、医師らが著作権ほうのトラブルに巻き込まれないようにするために、「(1)引用に際して著作権法上遵守しなければならない点」を記したもので、「法律」ではありません。トラブルに巻き込まれないための「マニュアル」です。

>「(6)原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。原著者が既に訂正・補足した著作物があるにもかかわらず、訂正前のまま引用したり、あるいは引用して批評すると、原著者の名誉や声望を害した利用となる可能性があります。」

上記は、著作権法の「引用」の要件ではなく、「著作権の侵害」の要件です。

NATROMさんは引用に際し、桜子さんの文章を、既に訂正・補足した著作物があるにもかかわらず訂正前のまま引用したり、あるいは加筆したり、改変(変更・切除)をして引用したりして批評しておらず、原著者の名誉や声望を害した利用をした、原著者の意図に反した使用をした、とは判断されません。
よって、「著作権の侵害」もしておりません。

しかし、何度も説明していますが、これは著作権法の「引用」の要件ではなく、上記のような引用の仕方をすると、「著作権の侵害」として訴えられる可能性があるので、気を付けましょう、といった主旨で、日本医書出版協会の「1.引用について」に記されているのです。

浅見真規浅見真規 2009/10/10 20:29 >「昨シーズンや(2003/2004)シーズンにインフルエンザワクチンの効果が
>低かった事に気付かなかったとは驚き」とありますが、インフルエンザの
>効果が低いことがあることは既知です。


NATROMさんは、今まで、そのような事は述べられてなかったはずですけど。
私が資料を示して初めて認められただけでしょ。

浅見真規浅見真規 2009/10/10 21:10 pika さん、

>私は著作権法を扱う仕事をしてきており、著作権法に深く関わって仕事をしてきました。


では、実名を出して資格を証明する書類を表示してください。
ただ、このように述べても資格が無いと断定してるわけではありません。御発言内容からある程度の著作権法の知識があるのは認めます。
しかし、もし仮に、資格があったとすれば、実名でそのような事を述べれるのかなという事です。とりわけ、あなたが、(2009/10/08 12:51)コメントで

>「名誉毀損」にはあたりません

と述べられた事に責任が持てるとは思えません。発言に責任を持つために、実名出して資格の証明できねば、仮に資格があっても戯言と同じです。資格があると権威を傘に来て主張するなら実名出して資格を証明してください。