広島、20年五輪招致を検討 「被爆都市に聖火を」広島市が2020年夏季五輪招致に向けての検討を始めたことが10日、分かった。複数の関係者によると、近く日本オリンピック委員会(JOC)と協議する予定。「核廃絶」を世界にアピールし続けている「被爆都市ヒロシマ」が五輪招致に正式に名乗りを上げれば、世界的な注目を集めそうだ。 広島市の秋葉忠利市長が会長を務める平和市長会議は、20年までの核兵器廃絶を目標に掲げる。同市長は、9月にメキシコで開催された軍縮に関する国際会議でも、将来の「夢」として「核のない世界を祝うための広島、長崎での五輪開催」に言及。今月2日に決まった16年夏季五輪招致で東京都がリオデジャネイロに敗れたことにより、核廃絶の目標年の20年大会招致を視野に入れたとみられる。 広島市は、一部競技の分散開催などを含め、同じ被爆都市の長崎市とも協力する意向を持っている。 16年五輪の東京招致失敗は「なぜ東京で」の明確な理念を示すことができず、08年北京五輪からわずか8年後のアジア開催が障害になったとの分析が有力だ。広島市での開催には「五輪を通じて平和を訴える」という強いメッセージがあり、ある国内スポーツ関係者は「広島が正式に立候補すれば、強力な候補になる」とみている。 1994年には広島市を中心にアジア地域の国際総合大会である第12回アジア大会を開催した実績があり、42カ国・地域から約7300人が参加した。20年夏季五輪開催地は13年の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まる。東京は20年大会招致への再挑戦を明確にしていない。 【共同通信】
|