リナレス「信じられない」サルガド「彼は未来を見過ぎていた」

　【ＷＢＡスーパーフェザー級タイトルマッチ】わずか７３秒のＴＫＯ劇に、場内は静まり返った。スピード、技術に優れ、２７連勝中だったリナレスは試合後「いまだに信じられない」と表情をこわばらせた。

　たった一発のパンチですべてが狂った。１回、右手でガードしたつもりの相手の左フックを、こめかみにまともに受け、腰から崩れ落ちた。「パンチは見えていた。ガードのすき間に思った以上に変則的に伸びてきて反応できなかった」。パニック状態に陥った王者は、再開後もさらに連打を浴び、２年８カ月ぶりの日本での試合で王座から陥落した。

　９月に米国のプロモーション会社と契約し、本場ラスベガスへの本格進出を目前にしていた。新王者サルガドは「彼は未来を見過ぎていたと思う」と指摘した。２４歳のリナレスは「今回に集中して臨んだつもり。ぜひ再戦したい」と、初黒星の苦い思いを胸に再起を誓った。

[ 2009年10月10日 19:09 ]