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仔豚の皮を被った狼・・・・・或いは仔豚たちの沈黙
作者:神冥璽和魂
Once Upon a Time

或る所に「ジミー・ミンツ・小梅」という三匹の豚さんが住んでいました。
豚さんたちは、他所からやって来た「売婦」と名乗る恐ろしい狼に脅され、
怖いので毎年作物を沢山貢いで、貧しいながらも幸せに暮らしてきました。

でも今年はアメが降らなくて、作物の収穫が少なかったので売婦は怒り狂い、
豚さんたちの内の一匹を食料として寄越せと、牙をむいてきたのです。

売婦「期限は今月いっぱいなノダ、それ以上は待てないノダ」

豚さんたちは会議を開いて話し合いました。

ミンツ「付き合うんじゃなかったよ。何処か遠くに逃げようよ。」
小梅「みんなで足を一本ずつ切って出せば良いんじゃない」

ジミー「君たちは木とワラの家に住んでいるから、放火されて食われちゃうよ。
僕はレンガの家に住んでいるから、みんなで隠れて退治する方法を考えようよ。」

そして運命の日がやってきました。

売婦「俺様のエサになるのは、お前らの中のどの豚なノダ」

小梅・ミンツ「オイラたちの木とワラの家を差し上げますので、
焚き木にしてジミーのレンガの家に火をつけて、蒸し焼きにして食べちゃってください。」


哀れ、ジミーは小梅・ミンツの陰謀で焼豚にされて、売婦のお腹の中に入ってしまいました。

ミンツ「馬鹿豚ジミーざまぁww年上だからって偉ぶってるから不幸な死に様さらすんだよ。
計画通りに行ったね、小梅。これからは手に手を取り合って二人仲良く暮らそうよ。」

小梅「ジミーは前から要らない子だと思っていたの。迷わず成仏してくださいな。」

しかしその日はお腹いっぱいになり満足して帰った売婦は、次の日になると空腹におそわれ
再び食べ物を要求して来たのです。

ミンツ「エ〜そんなぁ、話が違うじゃないか。誰か一人だけって約束だったのに・・・・。」

小梅「ミンツ、私にかまわず貴方は逃げてちょうだい。売婦がいなくなるまで
山の中腹にある洞穴に隠れていて。」

ミンツ「そんな、君を置いて隠れるなんてこと出来ないよ。一緒に逃げようよ。」

小梅「いいから早く行って。もうすぐあいつが来るから、早く行ってちょうだい。」

ミンツが洞穴に辿り着いたちょうどその頃、お腹をすかせた売婦がやって来ました。

売婦「今夜の俺様のおかずはどの豚なノダ。」

小梅「ぽっちゃりとした仔豚が洞穴に隠れてますから、遠慮なくどうぞ召し上がれ。」


哀れ、ミンツはトン汁にされて売婦の胃の中におさまってしまいました。

小梅「ミンツ、貴方って本当に利用しやすい馬鹿な子だったのね。
実を言うと私は売婦と豚肉スワップ協定を結んでいたの。これからも豚肉を供給し続ければ私の身は安全。
強い者に逆らおうとした豚さんたちの末期は何て惨めなんでしょうか。オホホホホホホホホ」






めでたしめでたし



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