報道発表資料 [2009年10月掲載]
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〔参考資料〕

事例集

【事例1】

 Aは、高校時代からの友人から紹介されたダイビングショップのスタッフTから「遊びにこないか」とメールで誘われ、エヌズゲーム表参道店に出かけたところ、ダイビングスクールの勧誘を受けた。興味がないと断わったが、「一度やってみて、嫌だったらやめればよいから」などと執ように勧められて、断りきれず最初の講習を申し込んだ。
 別の日、プール実習のため、仕事の帰りにスポーツクラブのダイビング用プールに行き、2時間くらいプールで講習を受けた後、店に戻った。机の上にはダイビングの講習と器材やクレジット契約書が用意されていた。店員のUは「絶対楽しいから」「若いときしかできないよ」などと、大きな声で威圧するように話し、その日に決めろという態度で契約を迫った。Aは、時間も遅かったので、「終電がなくなってしまうから」と言って帰ろうとしたが、Tと自宅が近いことが知られていたため「タクシーで一緒に帰ればいい」とUに言われ、帰ることができなくなった。店の中は、有線放送がガンガン流れていてうるさくて、二人に、「楽しいから」「今しかできない」などと繰り返し言われ、疲れてしまい、このままでは契約しないと帰してもらえないと思い、仕方なくダイビングスクールと器材等144万円余の契約をした。このとき、カードの一括払いでキャリーバッグを購入した。店を出たのは午前1時頃だった。
 契約後、Aは、エヌズゲームのお客様相談室に電話で、クーリング・オフの手続きをした。
 その後、キャリーバッグのカード一括払いキャンセルのために店に行った。午後1時くらいに店に行き、店を出たのは6時くらいだった。店に行ってカードのキャンセルをしたところ、再びダイビングの勧誘がはじまった。Aが「高額なものだし、ずっとやるかわからない」と断ると、スタッフは「器材はレンタルもある」「ライセンスの講座だけにすればよい」という話をした。前のときと同じように、大きな声で圧倒する感じで、「楽しいから、若いときしかできないから」と何度も言われ、Aが何をいっても、スタッフは「やれば楽しいから」と大きな声で繰り返し言い、Aはどうしたらいいのかわからなくなり、ダイビングスクール約59万円のクレジット契約をした。
 更にその後、海洋実習の際に、男性のインストラクターに別室に呼びだされ、「自分の器材を持つように」と大きな声で迫られた。実習でも「自分の器材を持て」と言われ、Aはしつこく勧誘されることが本当に嫌で、器材等約93万円をクレジットで契約した。契約するとしつこい勧誘は収まった。
 この器材等のクレジット契約は、クーリング・オフしたスクールと器材の契約やその後スクールの契約の信販会社と違い、エヌズクレジットだった。
 その後も、スクール(次のライセンスの講習)や器材等を次々と勧められた。講習の予約のため店にいかなくてはならず、店にいくと次の契約をするようにしつこく勧誘された。
 次のダイビングスクールの契約したときは、Aが「一度帰って考えて、あとで連絡するから」といって帰ろうとしたところ、Tに「今決めても、後で決めても同じだから、今決めて」と契約を急かされ、困ってしまい契約をした。契約するまで帰してくれず、終電を逃すこともあった。店には決まった閉店時間がないようで、遅い時間まで勧誘された。
 クーリング・オフした契約を除き、平成19年9月から平成20年4月の7ヶ月間で、ダイビングスクールや器材のクレジット契約等の総額は約370万円となった。

【事例2】

 Bは、平成20年8月、友人でエヌズの店員のVからメールで「今日、店の人と飲み会をやるから来ないか」と誘われたので、店へ行った。店に集まってから、近くのイングリッシュパブへ行った。飲み会のあと、二次会にカラオケに行き、カラオケボックスで、ダイビングショップの店員から、ダイビングに興味があるかなど聞かれたので、旅行に行ったときに体験ダイビングをやったことがあることなどを話したところ、「うちの店で、体験ダイビングをやっている。ブランクがあるようだから、体験からやってみたらどうか」「友達紹介割引があるから」と体験ダイビングの勧誘を受けた。
 翌日の午前10時頃に、Vから「午後1時に店にきて」とメールがあり、Bは、「用があるので午後4時30分には帰る」と伝えて、午後1時30分頃に、店へ行った。店では、Vと別のスタッフが待っており、席に着くと、体験ダイビングの勧誘をされた。Bは「お金も時間もなく、ダイビングを続ける自信もない」と断わったが、V達は、「大丈夫、一緒にダイビングやろう」「友達割引あるし、オリンピック・キャンペーンで2,008円だから、体験ダイビングだけでもやってみようよ!」「いける!大丈夫だって!」と、体験ダイビングに申し込むよう、口々に囃したてた。用があった午後4時30分もとっくに過ぎてしまい、Bはしつこい勧誘に辟易し、このまま抵抗していると帰らせてもらえないと思い、仕方なく申込むことにした。Vから「いつなら空いているの?」と予定を聞かれ、Bが空いている日を答えると、Vは「早めにやった方がいいよ」と言って、学科とプール講習の予約を記入した。Bが店を出たのは、午後8時くらいだった。
 数日後、プール実習のため10時30分頃に店に行き、店からプールまで車で行って、講習を受けた。講習は2時くらいに終わって、店に戻ると、VとインストラクターWに、ダイビングの講習と器材の契約を勧められた。Bは「お金の問題があるので払えない、無理です」と何度も断わったが、二人は「ライセンスをとって、一緒に行こう!」「分割で支払えるから大丈夫」「自分の器材だと、毎回同じものを使って、慣れていくので安全だ」と、理由をつけては購入を迫ってきた。Bは「お金がない」「時間がない」と抵抗していると、Wが「月々いくらなら払えるのか」と聞いてきた。それに答えないでいると、今度はBの給料や貯金について聞かれた。Bが貯金の金額を答えると、Wは電卓をたたきながら、月々の支払いが「4万円くらいまでなら、いけるでしょ!」といい、Bは「無理です、きついです」と答えたが、インストラクターの強引な態度に押し切られ、スクールや器材等が記入された明細を見せられ、契約を迫られた。慣れないプール講習の後で、長い時間、二人から決断を迫られて、Bは疲れ切ってしまっていたので、スクールと器材の契約を渋々了承した。二人は、月々の支払額を強調するばかりで、Bが契約を承諾するまでは、クレジットの総額について教えてくれなかった。ある信販は審査が通りにくいので、審査がとおらないかもしれないとWに言われた。もうひとつの信販会社は、昌起といい、店と関係がある会社だった。結局、器材とスクールは、別々の信販会社になった。
 さらに数日後、海洋実習に行ったとき、宿舎で、午後10時頃、スタッフのXから「暇だから相手して」とメールがあり、食堂でXを含む数人と1時間ほど雑談した後、午後11時頃から、一対一で、Xから重器材の購入を勧められた。Xは「自分の器材があった方が慣れていい」「これからは冬になるので、ドライスーツも必要」と重器材等を購入するよう強く勧めてきたが、Bはお金の問題があるからと断わった。その後もXの説得が続き、夜中の2時30分くらいになって、Bから「もう遅いので」といって、部屋に戻った。
 翌日、講習後宿舎へ戻ってから、Xから重器材を購入するようにと再度勧誘された。Bは「これ以上借金できない」と断わったが、「分割があるから、大丈夫」「今なら、沖縄ファンダイブが付いている」「全部器材を揃えればファンダイブ代が安くなる」と執ように購入を迫られた。そのうち、月々どれくらい払えるのかと聞かれたので、Bが「今までの(支払い)分があるのでもう出せない」と答えると「4万円までならいけるんでしょう」と、月々の支払額を決められた。Xに自分の重器材を持つようにと繰り返し言われ続けていて、このまま断り続けていると宿舎に置いて行かれるのではないかと心配になり、仕方がなく契約した。エヌズのクレジット契約をするとき、50万円余をカードローンで借りて現金払いし、残りをクレジット契約にするように言われた。宿舎の近辺には、ATMがないので、表参道の店に戻ってからお金をおろして支払うことになった。Bは、Vと一緒にATMへ行き、現金50万円を引き出して店に戻った後、50万円余を現金で支払った。
 平成20年8月から9月の1ヶ月弱の間に、ダイビングスクールや器材等の契約を次々と勧められ、そのクレジット契約等の総額は、約214万円になった。

【事例3】

 Cは、ダイビングショップに勤めている高校の同級生のYから、平成19年の年末頃に「イベントをやっているから、とりあえず店に遊びに来て」と、メールで店に遊びにくるように誘われた。店へ行ったところ、くじ引きをやっていて、Cがくじをひいたところ7万円相当のオーシャンダイバーのライセンスのスクールが無料になるという景品が当たった。
 平成20年1月に、講習のために店に行ったところ、YとZという女性のインストラクターから、「これからダイビングを続けるのであれば、最低でもスポーツダイバーのライセンスを持っていた方がよい」「オーシャンダイバーだけでやめるのはもったいない」と、次のライセンスを取るようしきりと勧められ、スポーツダイバーのスクールを契約し、約58万円をローンで支払うことにした。両親に相談すると反対されたので、後日学科にいったときにキャンセルをしたが、Yから「講習を受けていくうちにもう一度考えてみて」と言われた。
 その後も、どうすれば支払総額が少なくなるかを、講習のたびに説明された。海洋実習のときに、宿泊先のアクアフォレストで、再びスポーツダイバーのスクール約46万円を契約した。
 2月には、ドライスーツと軽器材を22万円のローンを組んで購入した。
 3月には、重器材とウェットスーツの契約をした。資金的に無理ということをYに話し、購入をずっと断っていたが、いろんなインストラクターの人から、かわるがわるといった感じで、重器材の説明などをかなりしつこくされた。Yをはじめ店の人たちはあきらめず、資金について、「月々3万円くらいを返済しながら、お金がたまったら一括で返せば手数料もそこから払わなくてよくなる」「学生だからローンがとおるかどうかわからないけれど、とりあえず流してみればいい」などと、講習のたびに繰り返し説得され、エヌズクレジットで約125万円のローンを組んで購入の契約をしたが、両親に相談し解約することに決め、後日店へいって、キャンセルした。
 スポーツダイバーのスクールとドライスーツ・器材のローン約68万円はすべて返済した。