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生活保護母子加算の復活方針に戸惑い 府内支出 年3億4千万円増

10月9日9時39分配信 京都新聞

 政府が年内の復活を打ち出す生活保護の母子加算で、京都府と京都市が8日までに、府内自治体の年間保護費支出が3億4千万円増加するとの試算をまとめていることが分かった。保護費支給額の25%は自治体負担になるためだ。国から支給基準や時期の説明はなく、「予算準備ができない」との戸惑いもあり、国に全額負担を求める動きも出ている。
 ■「基準、時期説明ない」自治体困惑
 母子加算を含む生活保護費の法定負担割合は国が75%、自治体が25%(町村は都道府県)。府と京都市が、加算復活による財政への影響を調べた。
 試算によると、府内の対象は約4800世帯。母子加算が段階的に廃止される前の2004年度水準で支給された場合、年間支給額は13億5400万円となり、うち3億4千万円が自治体負担となる。
 ■国負担求める声も
 3700世帯への支給が想定される京都市は、年間約2億7300万円の負担増。市は不況による生活保護者の増加で、9月市会に40億円を追加したばかりだ。浅野義孝保健福祉局長は7日の市議会特別委で「国政の政策転換であり、国が責任を持つべき」と、全額を国で負担すべきとの考えを示した。市幹部も「交付税増額などの措置がとられて当然」と言い切る。
 厚生労働省から、支給基準や復活時期などの連絡がないことも困惑を深める要因になっている。年間2千万円の負担が見込まれる宇治市は「04年度水準まで一気に戻すのか、段階的に上げるのか。それで議会に出す補正予算額も変わってくる」と話す。
 自公政権は07年度、母子加算廃止の代替措置として、一定以上の収入があるために保護費が少なくなる一人親世帯に月1万円を支給する制度を設けた。ある市の担当者は「この制度をなくさないと二重支給になる」と指摘する。
 厚労省は母子加算復活の対象者は全国で10万世帯になり、自治体は年間60億円の負担増に上るとみる。だが、長妻昭厚労相は国と自治体の負担割合の変更は指示しておらず、自治体への財政支援も不透明だ。厚労省社会・援護局の担当者は「制度設計をどうするか、私も知らされてない」という。
 民主党京都市議の一人は「母子加算の復活は公約として守らなければならないが、財政難の中、自治体負担が増えないような財源措置が必要だ」と話している。
 ◆生活保護の母子加算
 父子家庭を含む一人親世帯に上乗せ支給されてきた加算措置。2004年度まで第一子に約2万3千円、2人目にはこれに1840円を加算し支給されたが、05年度から段階的に削減され、09年4月に全廃された。民主党は先の衆院選公約で早期の復活を掲げた。

最終更新:10月9日10時9分

京都新聞

 

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