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シネマライナー


紀元前1万年   08/04/26 放送

CGで何でもできる時代、スピード感を追求したり、残酷さを表現したり、
いろんなアプローチがなされているが、この映画は1万年前の世界を忠実に
再現しようとしている。さすが自然派志向の強いエメリッヒ監督。
ただ、我々は、誰も1万年前の世界をみたことがない。
それゆえに描きたいことは自由に描きたい放題。
当然のことながら生物の専門家や、時代考証のスペシャリスト、科学者から
「こんなええかげんな映画、知らんわ」と総攻撃を喰らっているんだとか。

《どこが自然派志向やねん》

《いや、エメリッヒはそこまでして1万年前にこだわりたかったんやわ》

超大作主義が大好きな私は彼を擁護する立場で見守ろうと映画に臨んだ。

オープニング、村の若者が登場する。父親が弱虫扱いをされ、悔しい思いを
している。ライバルがいる。好きな彼女がいる。1万年前でも人間関係は
変わらないんだ、と納得しようと努力する。
そこに恐ろしい連中が現れ、労働力を、娘を略奪していく。
若者は遠く果てしなき道のりを旅して、愛するモノを助けようとする。
しかも彼は旅の途中で「救世主」として崇められていく・・・。
おや? どこかで観たような・・・
《メル・ギブソンの映画とまんま一緒やん!》
どうして『アポカリプト』の後にこの映画を作ってしまったのか?
偶然の一致にしろ、もう少し内容を変えることはできなかったのか?
そこが不思議でならない。

おそらくスタッフ一同も『アポカリプト』を観て、「うわっ、カブってるわ」
と焦ったに違いない。でも構想15年、巨額の製作費をかけて動き出している
プロジェクトをそう簡単に変えられるわけでもなく、「まっ、ええか」と
開き直ったんだろう。んー、ある意味、潔い映画なのかもしれない。




アイム・ノット・ゼア   08/04/26 放送

ケイト・ブランシェットが演じているボブ・ディランをみて
長年のボブ・ディランのファンは「一挙手一投足までそっくり」と
驚愕したんだそうだ。
惜しくもオスカーを逃したのは主演と助演で票割れしたせいか。

ボブ・ディランの自伝を描くにあたって年代別にいろんな俳優が
ボブ・ディランを演じ分ける、という非常に珍しいアプローチ。
ほとんど「スターものまね歌合戦」で、五木ひろしが何人も出てくる、
みたいなノリである。

実際の彼は年代ごとに、多重人格か、と言われるほど様々な顔を持っており
それを再現するには最適のアプローチだったのかもしれないし、
ファンにはたまらないエピソードの数々なんだろうが、
ボブ・ディランにさほど興味のない人、どんな性格か知らない人に
とってはまったく面白くない時間が続くのかもしれない。




少林少女   08/04/26 放送

本広監督 + プロデューサーの西冬彦氏へのインタビューをお送りした。

西さんとは旧知の仲。
何を隠そう、西さんは映画会社のGAGAに在籍時代
あの『少林サッカー』を発掘し、世に送り出した人物である。
ブルース・リーを生涯の師と仰ぎ、武術の美しさに魅せられ、
GAGAを退社、今、映画スターになるべく鍛錬しておられる、
まさに“本気”が服を着て歩いているような人である。

武術指導としても関わり(ちょこっと出演もされている)
柴咲コウと戦ったわけだが、そんな西さん曰く、彼女の本気度も
かなりのものだったとか。それはスクリーンを観ても分かる。
動きが美しいのだ。
腰の入り方がハンパじゃない。
なんだかんだ言っても、やっぱりうまい女優、器用な女優なんだなぁ。

ラクロス部の女の子が、まぁ、みんなカワイイったらありゃしない!
スポーツブラに、太股にちょっとエッチな匂いが漂って、
まぁ、アニメ好きの本広監督にとっちゃあ、楽園のような現場だったろう。
少々ストーリーに無理があろうと、間延びしようと、
そんなこと、どうでもエエんよ、この映画は。







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