五輪招致をめぐる発言で抗議を受けている石原都知事が反論「事実を言っただけ」
オリンピック招致をめぐる発言で、ブラジル・リオデジャネイロから抗議されていた石原都知事が9日、「事実を言っただけ」と反論した。
石原都知事は「抗議されるも、されないも実際のことで、わたしはそれが悪いと言ってるんじゃない。ただ日本は(同じこと)できなかっただけで」と反論した。
石原都政が全力を注いだ東京オリンピック招致は、南米初となるリオデジャネイロに決定した。
東京招致失敗から1週間、都庁に掲示されていた招致広告が9日、撤去された。
そんな中、石原都知事の発言が問題になっている。
石原都知事は4日、「ブラジルの大統領が来て、聞くところ、かなり思い切った約束をアフリカの諸君としたようです」、「もっと目に見えない、非常に政治的なですね、動きがありますな。これはもう、歴然としてあること、はっきりしている」と話していた。
帰国後の石原都知事のこういった発言に対し、リオデジャネイロの招致委員会は「都知事の発言は不適切で、遺憾だ」と選考の正当性を強調する抗議文をIOC(国際オリンピック委員会)に送りつけることを表明した。
これに対し、IOCの猪谷副会長は、都知事の発言について、ロゲIOC会長ら関係者に謝罪したとの報道もある。
こうした動きに対し、石原都知事は9日午後の会見で、「知らないね、僕は。彼(猪谷副会長)に頼んだこともないし。謝罪するっていったって、本当のことを言っただけ」、「ブラジルの大統領が20億の支出をすると言ったことが、ガセネタならあれだけど、実際にやったんでしょ? それをわたしはとがめているんじゃない。日本は、そういうことができなかっただけのことですから。やっぱり、総力戦をやったわけじゃないですか、ブラジルは。ブラジルの大統領が、大統領の権限で国費を使って、それだけの援護をするから頼むぞっていうのは、これは、総力戦としたら当然のことだと思うし、やられたなという感じしましたな、僕は」と反論した。
発言は、リオを批判したわけでなく、事実を言っただけで、日本が同じような戦いをできなかったことを話したものだとした。
その一方で、日本サッカー協会は8日、2018年か、2022年のFIFAワールドカップの日本開催を目指し、招致委員会を設立した。
日本サッカー協会の犬飼会長は「東京オリンピック招致の失敗など、懸念されることも多々ありますが、必ずやワールドカップを日本で開催したいと考えております」と意気込みを語った。
これに、石原都知事は「日本の国力条件をもってすれば、有効な戦いができると思うし、残念ながら(東京)オリンピック招致に失敗しましたけど、それが決定的なマイナスになるとはわたしは思いません。(ワールドカップの招致は)頑張ってほしい」と語った。
(10/09 17:55)